INABA WINE BLOG

ワインに関する情報をタイムリーにお届けします

2012年1月31日 17:00 Category 今月のおすすめワイン

2011年12月29日 16:49 Category 今月のおすすめワイン

2011年12月26日 10:00 Category 稲葉通信

こんにちは。平井です。
今回訪問しました生産者は、2002年に洪水で壊滅的な被害を受けながら、モーリス バルヌアンのチャレンジ精神で見事に復興を果たした、ドメーヌ ド グルニエです。

GOURNIER01.jpg ビジネスでは結果が全てと提唱されていますが、被害を受けたバルヌアンから届いた当時の手紙には、「商売の結果だけがゴールでもない」というメッセージがあります。(下記参照)

彼のワインには、スローライフをメッセージとして造ったワインがあり、後でご紹介させていただきますが、休日ぐらいはスローライフを忘れないというメッセージで、是非飲んでいただきたい1本です。

さて、2002年秋にドメーヌ ド グルニエを襲った大洪水で、彼のセラーは完全に水没し、バルヌアンの住居部分の3階まで浸水が進みました。発酵中のステンレスタンクは、水面に浮かび、建物との摩擦で全滅。ドメーヌはすっぽりと水の中に沈みました。3億円以上の被害を受け、多額の修復資金のローンを抱えて、バルヌアンは気が遠くなるような努力の日々を過ごしてきたそうです。弊社もこの知らせを聞いて、少しでも力になれればと、直ぐにお客様へ呼びかけて、「グルニエワイン救済キャンペーン」を企画しました。お蔭様でその売上げの一部を寄付させていただくことができました。バルヌアンから熱い感謝の手紙が届いたのは、ようやく彼が一息つけた1年後の事でした。

以下は、当時バルヌアンから送られてきた手紙の一部です。

「・・・我々のお客様の中で唯一、貴社だけがしてくださった、我々やヨーロッパ諸国とはとても大きな相違のある遥か東の国からの皆様からの好意に、実に深く感動しました。努力を続けるのは実に困難ではありましたが、そのことに勇気付けられて再建を続けることができました。これからは我々のワインを貴社により満足して頂けるように、もっと良くしていきたい、という気持ちになっています。また、貴方たちの行為から、私は人間的な世界にも希望を持てると思いました。そこでは、商売の結果だけがゴールでもないということに。
親愛なる日本の皆さん、この企画に参加してくださった全てのお客様に、心から御礼を申し上げております。皆さんのご好意は決して忘れません。我々はこの素晴らしい寛大な企画を考え、実行してくださった御社と日本の皆様に、一生涯感謝いたします。
次回、新しくなったドメーヌ ド グルニエを訪問していただけることと期待しております。                              モーリス バルヌアン  」
 
バルヌアンがこの手紙で伝えてきたとおり、彼の最近のワインは以前にも増して品質の向上ははっきりと見てとれ、そして信じられないことに、とてもお手ごろな価格で私たちに提供してくれているのです。
彼は、また、市場がフルーティでスムーズ(口当たり軽やか)なワインを好むようになってきていると分析すると、それに見合う醸造方法を採用して、フルーティでタンニンの柔らかい、親しみ易い味わいを生み出したり、新しい品種に挑んだり、と消費者を飽きさせません。

バルヌアン家のワイン造りの歴史は、1980年より始まります。
ラングドック ルーション地方の最北端、ボン デュ ガールの近くにある静かな町セヴェンヌにドメーヌがあります。

GOURNIER02.jpg バルヌアン 登場

GOURNIER03.jpg 畑は全部で170ha。セラー周辺には70ha所有しています。

GOURNIER04.jpg 「30年前に私の父がメルロ、ソーヴィニヨン ブランをこの地域に植えました。これらはこの地域には存在しなかった品種であり、当時としては大きな挑戦的でした。しかし、今日それらの葡萄がドメーヌの人気ワインになりました。同様に私の世代でもリースリング、ピノ ノワール、ロールを植えました。将来が楽しみです。」

GOURNIER05.jpg 「2002年の洪水以来、保険の関係から元々セラーのあった場所での建設認可が下りず、オフィスとボトリングの施設を持てません。したがって30km先に借りている仮のセラーまでワインを運んでボトリングしなければなりません。あれから約9年経ちましたが、厳しさは依然続いています。」

さて、いくつか質問をしてみました。

GOURNIER06.jpg Q1 何故この地域でフレッシュな白ワインが出来るのですか?
「この地域はニームに比べて、より南に位置しています。しかし、実はニームより5~6度も気温が低いのです。これはセヴェンヌ山(丘)の麓にあるこの畑に、北から吹く冷たい風がカルドン川の湿度を含んでセヴェンヌの丘から降りてくるため、この周辺一体は他よりも涼しくなり、特に白ははつらつとしたフレッシュさを持つワインに仕上がるのです。」

Q2  なぜコンクリートタンクが赤ワインに適しているのですか?
「赤ワインの場合、熟成の際に果皮等の旨みに繋がる成分が沈殿していてほしいからです。ステンレスタンクだと成分が浮遊してしまいます。しかし、コンクリートタンクだと、ゆっくりと静かに沈殿していきますので、赤ワインの醸造に適していると考えています。もう一言付け加えるなら、新セラーにコンクリートタンクをメインにしたのは、次に洪水が起きても流されないからですよ(笑)」

GOURNIER07.jpg Q3 2010年の出来は?
「よりフレッシュでフルーティです。同時に葡萄も完熟している、非常に興味深い年です。」

Q4 醸造のこだわりは?
「オーガニック栽培なので、殺虫剤、化学肥料は使用しません。選定した枝を畝に撒いて肥料とし、長い草を生やすことによって、葡萄との間に相互の水分競争のストレスを与えて、小さい実を育てるようにしています。また、基本的にはフリーランジュース(自重で落ちてくる葡萄の汁)のみを使用し、プレスジュース(圧を掛けて取り出す葡萄の汁=種などのエグミが加わることもある)は調整用として別に管理します。」

「酒石の予防には通常、マイナス4~5度の温度で(不純物を取り除くための)コールドスタビリゼーションを行う人も多くいますが、これはワインにストレスダメージを与えかねないと考えていますので、私はプラス5~6度で行います。(人為的介入を避けるため)時間をかけてタンクで自然沈殿をさせます。沈殿させるのにはより手間がかかります。」

さて試飲に移りましょう。
ずらりと並べられたワイン。さすがこのエリア最大のI.G.P.セヴェンヌの生産者です。

GOURNIER08.jpg 白:ソーヴィニヨン ブラン、シャルドネ、ヴィオニエ、ルーサンヌ、グルナッシュ ブラン、ユニ ブラン
赤:メルロ、シラー、グルナッシュ、カベルネ ソーヴィニヨン、ムールヴェードル、カリニャン、サンソー、サンジョヴェーゼ

それに新作のリースリング、ピノ ノワール、ロールから造られたワイン、13ヶ月新樽熟成のグルナッシュなど、彼のチャレンジ精神が表れて、圧巻です。

その中で、ひときわ目を引くワインが!!

GOURNIER10.jpg GOURNIER091.JPG












「G de G」と付いたユニークなラベルは、彼の造るフルーティーで親しみ易い味わいのこのワインにぴったりです!ラベルにある『ベスパ=スクーター』をよく見ると、ライトの上に小さなカタツムリがへばり付いています。この地方では、「かたつむり」のことを『プティ・グリ』(小ちゃなおちびちゃん)という愛称で呼んでいます。バルヌアンは、かたつむりをモティーフに、このワインに『スローライフ』のメッセージを込めたいと思っています。この「G de G」は、かたつむり=Petiti Gris(プティ・グリ)の"G"と Gournier(グルニエ)の"G"を表したGGラベルなのです。 

GOURNIER11.JPG 確かにセラーに入る前に小さなかたつむりを発見し、一瞬癒された気分になりました。
また、ベスパと言えば、「探偵物語」、「ローマの休日」をイメージされる方も多いのではないでしょうか?
マイペースでスローな感じがしますよね。
プレゼントにも喜ばれそうです。スクリューキャップな所もうれしいですね。



ドメーヌ グルニエ お薦めワイン

ベスパ(スクーター)ラベル  「スローライフ ワイン」
FB448 2010 I.G.P. セヴェンヌ ルージュ ¥1,200
FB449 2010 I.G.P. セヴェンヌ ブラン ¥1,200

収穫量を規定の半分に抑え、30%をバリックで7ヶ月間熟成。生産量はわずか6000~7000本です。
日本に限られた量しか入らず、毎年入荷を楽しみにされているお客様も多くいます。
FA592 2010 V.d.P. セヴェンヌ ソーヴィニヨン ブラン レ V.V.  ¥1,800

ドメーヌ グルニエのご紹介はこちら
是非、チェックしてみて下さい。
営業2課・平井聖一郎

2011年11月30日 09:43 Category 今月のおすすめワイン

2011年11月24日 10:34 Category 稲葉通信

ブーム到来の予感
「ワイワイ ガヤガヤ 極旨デイリーワインの代名詞 マ デ ブレサド」


MAS01.jpg 「美味しくて、気軽な価格なのに、満足度満点のワインを見つけてしまいました!」

こう聞くとなんだか"うきうき"しませんか?
そしてこういったワインほど"気が付くと1本空いてしまっている"事が多いのではないでしょうか?

今年はまさにワイン市場にとって飛躍的な年です。総務省統計局が発表している「酒類消費支出金額」を見ると、他の酒類が苦戦する中ワインの消費支出金額は大きくなっており、巷ではありとあらゆる外食産業でワインを見かけます。その火付け役となっているのが、"美味しくて気軽な価格で飲めるワイン"でないかと思います。

2011年のフランス視察で最も驚きその品質に感動し、まさにこのキーワードにぴったりな生産者。今にもブームに火がつきそうなシリル マレ氏のマ デ ブレサドのワインに注目です。

~素晴らしき南フランス~

大自然と歴史的な建造物の数々。訪れる人に感動を与えてくれる南フランスは、ヨーロッパの人々がこぞってバカンスに訪れる高級リゾート地です。当然、食文化のレベルも非常に高く、海の幸に山の幸と食材も豊富であり、ワインの生産も非常に盛んです。

その南フランスで最も偉大なワイン産地はコート デュ ローヌ地方(以下:ローヌ)であり、ボルドー、ブルゴーニュと並び評されています。ただ日本市場ではボルドーとブルゴーニュが非常に有名なため、ローヌはその影に潜みがちです。
ところがローヌはフランスで最もワイン生産の歴史が古く、多くのワイン専門家が高く評価していることから、近年再び注目を浴びている地域となっています。

マ デ ブレサドは、その南ローヌから南西に30kmほどのコスティエール ド ニーム地方(以下:ニーム)でワイン造りをしています。この地域はローヌとの境目で、ワイン法ではラングドック ルション地方に位置づけられています。
しかし現在では多くのワイン評論家達がニームをローヌの一部と考えており、シリル氏も同様の考えです。それではなぜ多くの評論家やシリル氏は、ニームをローヌの一部と考えているのでしょうか?

MAS02.jpg これには大きな秘密がありました。そして今回の視察を通しその秘密を垣間見る事が出来たのが、私にとって大きな喜びでした。

~シャトーヌフ デュ パプを彷彿させる偉大な土壌~

世界のワイン法の中でもフランスのA.O.C.法は素晴らしいと思います。特にブルゴーニュに関しては非常に細分化されており、その畑の特徴を見事に反映させていると思います。一方で、知名度の高い偉大な畑に隣接する畑は、気候条件や土壌などが類似しているのに、無名なため破格な値段で入手出来ることもあります。

今回の視察でも訪れたシャトーヌフ デュ パプ村。南ローヌではこの村が一番有名で、もちろん土地の値段も一番高いそうです。他の地域とは明らかに違う偉大さと風格を持っていました。

MAS03.jpg さて下の2枚の写真をご覧下さい。どちらも丸い小石が敷き詰められた土壌を見る事が出来ますが、この2枚の写真の場所がどこであるかお分かりになるでしょうか?

MAS04.jpg MAS05.jpg 驚くことに、1枚はニームのマ デ ブレサドの土壌(上)で、もう1枚はシャトーヌフ デュ パプ村のアンドレ・ブルネル氏の土壌(下)です。石はもちろん自然に堆積されたもので、250万年前から長い年月をかけローヌ川が運んできたものです。今ではそれが露出し、土壌として形成されています。石が丸いのは川の水の作用によるもので、シリル氏の畑にはこの石が地表から6~15mの深さまで埋まっています。

葡萄の根は水分を確保するために自助努力をします。こういった厳しい土壌なので根は地中まで伸び、大変強い葡萄の樹が育ちます。水はけも良いのでカビは付きにくく、さらにこの石があることにより、日中の遠赤外線でためられた熱が土壌に優しく残り、夜間や冬の寒さから根を守ります。まさに素晴らしい葡萄が出来る土壌なのです。

MAS06.jpg またこの地域にはシリル氏が「最大の友」と呼ぶ"ミストラル"(北風)が、ローヌ同様常に吹いており、雨が降っても葡萄を乾燥させ、葡萄によくない害虫も付きません。

そうです!この土壌や気候条件がローヌに非常に類似した土地なのです。だから素晴らしい葡萄が出来き、専門家たちはニームをローヌの一部と捉えているのだと納得の瞬間でした。

~ワイン造りの名門~

素晴らしい葡萄を素晴らしいワインにするのが造り手です。

シリル氏はワイン造りのスペシャリストです。ワイン造りの名門家系の生まれで、曽祖父はSO2の研究に携わった生物学者、祖父はボルドーの生産者です。そして父親のロジェ氏が、ニームでワイン造りを始めました。
父のロジェ氏はまさに革新的生産者です。この地域ではありえないことをやってのけた生産者でした。それはこの素晴らしい土壌に裏付けられた自信があったからだと思われます。

まずはこの土地にはなかったカベルネ ソーヴィヨンを植えました。
F141 ヴァン ド ペイ デュ ガール キュヴェ エクセレンス 2009 ¥2,400
→果実味に富んでおり、ボルドーのカベルネとは一味違った品質です。

そして樽熟成の白を造るという果敢なチャレンジをした方でもあります。
F143 コスティエール ド ニーム ブラン キュヴェ エクセレンス
2010  ¥2,500
→花畑にいるような香りがあり、フレッシュであるのにしっかりしたボディがあります。

この名門家系で、さらに革新的なDNAを引き継ぎ、更に品質向上をしたのが現当主のシリル氏です。

ワイン評論家のヒュー・ジョンソン氏は、ニームのコメントで「ルーサンヌ種を使い、オーク樽で熟成したものを含むスタイリッシュな白は探すに値する」と語っていますが、まさしくシリル氏の白ワインの事を言っているかのようです。

そしてロバート・パーカー氏は、先日彼の一番下のクラスの白に90点という高得点を付けました。
FA678 コスティエール ド ニーム ブラン キュヴェ トラディション
2010  ¥1,600
→'07年VTが、雑誌「dancyu 2008.12」で『居酒屋ワイン大賞』をとったのも記憶に新しいところです。

~秘密のセラー~

通常ニームのような温暖な地域では、キレのあるワインを造るのが非常に困難です。それを可能にしたのが温度管理のできるセラーとタンク設備です。葡萄は、低い温度で長く発酵させると、ワインの成分が上手く抽出され葡萄の微妙な特徴を維持出来ます。そのため収穫はなるべく夜明け前に行い、葡萄はすぐにセラーに移動されます。セラー内は、床暖房の逆の要領で、床も温度管理が出来るよう、工夫を凝らしています。

MAS07.jpg 特にロゼの生産は非常に難しく、色合いとアルコールのコントロールのため、造り始めたら昼夜を問わずタンクの傍にいる必要があるとの事です。だから彼の素晴らしいロゼが生み出されるのでしょう。
FA827 コスティエール ド ニーム ロゼ キュヴェ トラディション
2010   ¥1,600
→このロゼは、ロバート・パーカー氏が「夏にオススメするロゼ3種類」の1つに選ばれた事があります。ニームのワイン全生産量の3割がロゼワインですので、その中からパーカー氏がこのロゼを選んだというのは驚異的なことであると思います。

設備はどんどん良くなっています。良い生産者はワインが売れ利益が出ると、より良いワイン造りのため、またこういった設備に再投資し、さらに品質の良いワイン造りを目指していると再認識しました。
 
~特別なワイン~

恵まれた環境、造り手の並々ならぬ情熱と努力、そして新しい事への挑戦する姿勢があるからこそ、"気軽に飲めるワイン"が生まれていました。

その新しい事へ挑戦する姿勢が、新たなワインを生み出しました。非常に特別な時に楽しむワインです。2008年からの挑戦で、初リリースでパーカー氏が93点の高得点を付与した樹齢50年の特別なグルナッシュを主体としたワインです。
★FB450 コスティエール ド ニーム ルージュ カンテサンス 2009  ¥4,000

そしてもう一つの実験。早飲みと思われがちなシリル氏ワインの熟成への挑戦です。
FA325 コスティエール ド ニーム ルージュ キュヴェ エクセレンス
2008 ¥2,400

シリル氏の好意によりこのワインの1993年物を蔵から出して頂きました。当時は樽熟をしてなかったのですが、ミントのようなハーブの香り、すばらしい凝縮感と果実味があり、確実に長期熟成にも耐えうるパワーを持っていると驚きを目の当たりにしました。

MAS08.jpg

わずか6種類のワインですが、全てに強烈な個性があり、全てが驚きの品質でした。
まだ試されていない方はこの機会に是非!

営業1課・小柳太

2011年11月19日 16:54 Category 稲葉通信

今年(2011年)から新しく取引が始まったスペインの生産者紹介第2弾!!
自社葡萄100%でカバを造る生産者カステルロッチです。

バルセロナから南西へ約40km、車で30分ほど移動するとペネデス地区があります。カバの生産地として有名なD.O.ペネデスはリオハに次いで葡萄生産量が多い地域です。緑が少なく、車で移動中も、外の景色はワインナリーや葡萄畑をあちらこちらに目にします。

ROIG01.jpg カバの90%はカタルーニャ州で造られていますが、そのうち70%はペネデス地区の中心地Sant Sarduni d'Anoia(サン・サルドゥーニ・ダノイア)とその周辺の肥沃な台地が主な生産地です。今回訪問したカステルロッチもサン・サルドゥーニ・ダノイヤの近郊にワイナリーを構えています。

私たちを出迎えてくれたのは、オーナーのマルセロ氏。(写真右から2人目)4代目です。 カバ生産者の大半が契約農家から葡萄やワインを買い取ってカバを生産していますが、その中でカステルロッチは、生産するワイン全てを自社畑の葡萄のみで造っており、自社葡萄にこだわりを持った生産者のうちのひとつです。ちなみ自社の葡萄100%の生産者は30社あるかないかで、シャンパンのRM同様、カバでもその数は非常に少ないです。

ROIG02.jpg 少しインタビューをした後、いざセラーへ!!入口へ案内され、足を踏み入れると、見えてくるのはワインではなく多数のコレクションたち!!!実はカステルロッチのワイナリーは小さな博物館が併設されています。セラーへ向かうまでの道のりが博物館になっており、畑作業の道具、ワイン用の大きな樽、ワイングラスなど、ワインに関する物が多数展示されています。写真をご覧下さい。

ROIG03.jpg ROIG04.jpg ROIG05.jpg ROIG06.jpg 写真はほんの一部にすぎません。これらはマルセロ氏の父親が趣味で集めた物とのことです。その数の多さに驚いてしまうとともに、カバの歴史を感じることができました。

さて、ここからは本題です。自社畑にこだわったワイン造り、話を聞いてみると、畑、葡萄、セラー、この3つを重要視していることが分かりました。

ROIG07.jpg まずは畑。現在、カステルロッチは3箇所に畑を所有しており、土壌や気候の違いなどで12に区分けしています。ペネデスのカバの葡萄栽培農家では、一般に土壌を詳しく調べる習慣はなく、気候に恵まれた地域であるため、天候に恵まれれば自然によい葡萄が育ち、上手くワインを造ることが出来るそうです。しかし、カステルロッチは、土着品種にこだわり、畑の区画を細かく土壌分析した結果をもとに、適した品種を育てています。また、ペネデスの地域では、苗木を植えてから3年間は灌漑設備(外部から人工的に水を運んで供給すること)を導入して補水することが許可されていますが、カステルロッチは灌漑設備を導入していません。自然に降る雨のみに頼っているため、暑い夏でも葡萄樹が十分な水分が得られる作業を行う必要があります。その方法とは、樹の列に草を生やして、樹と雑草で水分を競合させ、適切な水分が葡萄樹に行き渡るようにすることです。極端に言えば、水分を多く含む畑には多く雑草を生やし、水分が少ない畑には草を生やしません。そのため、雑草を生やしたり、抜いたりと調整が必要になりますが、農薬も除草剤も撒かず、手作業で行ないます。

ROIG08.jpg 次に葡萄です。結実後、一つ一つの葡萄のクオリティを高めるために、選定して実を少なくして、枝に残した葡萄により養分が届くようにします。いわゆる、グリーンハーベストです。また、草を生やしているのは水分の調整以外にも理由があります。樹勢を抑え、葡萄に行き渡る養分をコントロールすることにより、根を深く張らせ、その結果、養分の凝縮した葡萄が造られるそうです。収穫の時は摘み取りも全て手で行ないます。収穫のタイミングは樹の樹齢、土壌、どのワインを作るかによって異なるため、これにもかなりこだわっており注意深く摘み取りを行ないます。

ROIG09.jpg そして、セラー。カステルロッチのセラーは地下13mにあり、自然の温度管理され、冬は12℃、夏は15℃、第二次醗酵(瓶内二次醗酵)には最適の温度で保たれています。瓶詰めしたカバを保存させておくのに最適な環境になっています。一般的に大きなカバのメーカーは契約農家のタンクで保存してあるワインを買取り、瓶詰めをしますが、その際、ワインをトラックに乗せてセラーからセラーへと移動させることは、様々なストレスを与えてしまいます。そこで、ワインの劣化を防ぐ対処法として、SO2を多く使用します。ワインの状態を保つためにSO2は欠かせないものですが、カステルロッチは、カバを造る全ての作業を同じセラーで行うことが可能であるため、必要なSO2が微量で済むのです。SO2の使用量を減らすことが出来て、なおかつ瓶詰めしたカバのアロマとフレッシュさを維持したまま保存できる環境であるのです。これが自社畑のみからの葡萄を使用している理由のひとつでもあります。

ROIG10.jpg また、ブレンドに関しても彼ら独自のアプローチを行っています。
セラーには様々な大きさのタンクが60個あり、異なる区画の葡萄を(場所、品種)で別々に分けています。これらをブレンドしてベースとなるワインを造ります。「2月、3月にはセラーのあちこちを走り回っています。長テーブルに各タンクのワインを並べてテイスティングします。」とマルセロ氏。2ヶ月間で4回か5回、このテイスティングを行い、ベースとなるワインのブレンドを決定します。

ROIG11.jpg 「ほとんどの生産者が新しい技術を取り入れれば、よい品質のワインが出来ると思っています。例えば、低温醗酵をしてタンニンを丸くするというように。私はそれを否定しませんが、それよりも土壌や気候の違いを大切にしています。なぜなら、最も自然で独特のオリジナルのワインが出来るからです。技術に頼ったスタイルが画一的なワインにはしたくありません。これほどまでに土壌や気候の違いを区画ごとに分散してワイン造りをしている生産者はペネデスにはいないでしょう。」とマルセロ氏は言います。

彼らの"こだわり"はまだあります。
なんと、オーダーが入ってからデゴルジュマン(滓抜き)をします。出荷直前にすることで、ワインにフレッシュなフレーバーを残します。「2年間熟成させても全く問題ありません。」とマルセロ氏は言います。



カステルロッチのワインは現地で「VINS DE TERRER」と呼ばれています。カタルーニャの言葉で「テロワールワイン」を意味します。区画が細かく点在しているので、最良の葡萄を選択でき、ヴィンテージの差が出にくいのも特徴です。
「カステルロッチのカバの70%はテロワールから出来る!」
それぞれの土壌からどんな葡萄が出来るかを把握しているからこそ言える言葉です。インタビューの中でも「テロワール」、「土着品種」という単語がしばしば出てきます。誰よりも土壌と土着品種にこだわっており、ベースとなるワインが素晴らしいからこそ、素晴らしいカバができるのだと実感しました。

シャンパンに対して意識していることは?と尋ねると、
「シャンパーニュは歴史も長く、素晴らしい産地であることは間違いありません。しかし、私の考えでは、私たちが行なっているような、環境によいビオロジカルなワインを作るのは非常に難しいと思います。湿度が高く雨の多い地域で常に病気との闘いがあるからです。だから、カタルーニャは世界のワイン生産地の中で独自性がある地域です。マカベオ、チャレッロなような土着品種があり、シャンパーニュ地方の品種であるピノ ノワールではなく、ペネデスの土着品種であるトレパットやガルナッチャでロゼを造ります。世界中どこでも作られているピノ ノワールやシャルドネはあまり好きではありません。"土着品種"と"土壌の個性"が表れたワインがカステルロッチのワインです。」

ROIG12.jpg 最後に、
カステルロッチのワインはバックラベルにヴィンテージ、デコルジュマンしてドサージュを行った年月が記載されています。シャンパーニュですらこのインフォメーションを記載する生産者はほとんどいないそうです。記載は義務ではないですが、消費者が分かるようにと考えているからです。

ROIG13.jpg バーコードの左側に記載。数字は左からヴィンテージ、月、西暦です。
例えば2009-01-11と記載の場合 ⇒ ヴィンテージ2009年、2011年1月にデゴルジュ&ドサージュ

ご購入された際は、確認してみて下さい。

自社葡萄100%で造るカバ!!カステルロッチのラインナップはこちら。
ちなみに、S-134以外は、デゴルジェマンしてドサージュする際、糖分を全く添加しない「ブルット ナトゥレ」に仕上げています。ここにも、カステルロッチのこだわりを見ることが出来ます。ブルット ナトゥレは、そのほとんどがスペイン国内で消費されており、食前酒として好まれています。

S-134 カバ ブルット  ¥2,100(税別) 
S-135 カバ ブルット ナトゥレ  ¥2,300(税別)
S-136 カバ ブルット ナトゥレ レセルバ(2008)  ¥2,800(税別)
S-137 カバ ブルット ナトゥレ グラン レセルバ(2007)  ¥3,500(税別)
S-138 カバ ブルット ナトゥレ レセルバ ファミリア(2007)  ¥6,500(税別)

営業1課 西尾 宗洋

2011年10月31日 18:53 Category 今月のおすすめワイン

2011年10月31日 18:37 Category 稲葉通信

シャトー デ ゼサール

今春、ボルドーへの生産者訪問と合わせて、ベルジュラックのシャトー デ ゼサールへ訪問しました。
ボルドーとベルジュラックというのは、実は隣接したエリアです。
両者は似たような気候と土壌を持ち、同じ葡萄品種を育てますが、ベルジュラックは歴史や知名度から、苦戦している生産者も多い一方、お値打ちなワインが多いエリアです。

eyssards01.jpg eyssards02.jpg こちらは、シャトー デ ゼサールのパスカル。 ワイン造りでパスカルを初めから支え続けていた意欲(パッション)は、「高品質レベルでリーズナブルなワインが、ベルジュラックはおろか、ボルドー全体から探そうとしても、自分以上のワインは絶対にない!自分はそういう意味で、ナンバーワインの生産者を目指す!」という信念でした。試飲していただくと、パスカルの思いを十分納得できる、正に群を抜いたコストパフォーマンスの高い生産者です。
そのため、世界中から注文が舞い込み、80%が輸出されています。

今でこそ著名なワイン雑誌に掲載される、ベルジュラックを代表する生産者になりましたが、1980年代は苦労の連続でした。当時、ドイツのインポーターにベルジュラックのワインについてどう思うか尋ねたところ、テーブルワインの下くらいにしか考えてもらえませんでした。家に帰って、兄と「葡萄を止めて、りんごでも育てようか?」などと真剣に考えたそうです。しかし、「こうした日の目を見ない時があったからこそ、どうすれば良いワインが造れるか考えることができるのさ」とパスカルは言います。
そして、品質を向上させる日々を経て、「今は最後のステージさ。アペラシオンにこだわらない市場も育ってきている。皆を驚かせる時が来たね。本当に興奮している」そうです。

この20年でパスカルは何を考え、どのようなワイン造りを行なっているのか尋ねました。
すると、いわゆる優れた生産者とも考え方が違う、独自のアプローチをしていることに気付かされます。

例えばグリーンハーベストについて。
ほとんど全ての生産者は、品質を上げるためにグリーンハーベストを行ないますが、パスカルはグリーンハーベストをしません。以前は行なっていたのですが、グリーンハーベストを行なうと、樹に余力が溜まって、葡萄の樹は翌年、より沢山の葡萄をつけようとしてしまうそうです。その代わりに、各葡萄の列(畝)に生やす雑草の量、時期、期間を調整して、土壌が肥沃にならないようにし樹勢をコントロールすることで、理想的な状態にしています。まさか、パスカルが、この広大な畑の中で各葡萄の樹ごとに土壌の状態を細かく把握しているはずがないと、私たちが説明を消化しきれずにいると、彼はさらにマシンガンみたいに話し続けます。「ボクはここで育ったここの畑の農夫だ。1本ずつの樹のコンディションは、見れば当然すぐに把握できるよ。そして、それぞれの樹の周りの草を調整してあげるだけで、秋にはすばらしいワインになる実をつけてくれるんだよ。ともかく毎日しょっちゅう畑を見回るんだ、だって、ワインの品質は95%が畑で決まるんだから。」

eyssards03.jpg この写真は6月中旬頃のものですが、理想的な葡萄の房と、そうでない房の例としてパスカルが見せてくれたものです。どちらが理想的な方か分かりますか?
実は、写真右側の、一見貧相に見える房が理想的な葡萄なのです。

eyssards04.jpg パスカルが考える理想的な房というのは、実と実の間に間隔があり(風通しが良く病気の菌が繁殖しにくい→農薬などの必要性はなる)、実自体が小さいものです。それぞれの房から実を手のひらに乗せて比べてみると、大きさが倍ほど違うのが分かります。



畑で話をしていると、次から次へとパスカルならではの考えが出てきます。



「どんなにテロワールを語ったとしても、毎日毎日テロワールは変わります。オーガニックやビオディナミ、大いに結構。そんな難しいこと考えるより、私は畑を見て、考えて、正しく判断するだけ。シンプルでしょ?GPSで何を調べても、味は分からないよ。私たちは基本に立ち返るべきです。天候がどうなのか感じ、畑で何が起こっているか注意深く観察するのです。そして、葡萄の味、グラスに入ったワインを見てください。」
難しい知識や技術から答えを導くのではなく、パスカルの考え方は、まさに葡萄畑と一心同体であるということなのでしょう。

パスカルに、理想のワインを尋ねました。



「良いワインだね」ではなくて、「ワオッ」と言わせたい。これには、その場に居た私たち一同笑ってしまいました。それでも、その後のテイスティングで、私たちは思わず「わぁおー!」と言ってしまいましたが。

畑でパスカルの話を聞き、常識や通説に捉われず、自身の経験と信念に沿ったワイン造りをされていることがよく分かりました。
豪快で奔放なパスカルから生まれる、緻密でスケールの大きいワインを、ぜひお楽しみ下さい。

「ワオッ」と言ってしまうこと間違いなしな、おすすめワイン

FA-238 2010 シャトー デ ゼサール ブラン  ¥1,400
FB-237 2009 シャトー デ ゼサール ブラン キュヴェ プレスティージュ
¥1,900


経営企画室 内田圭亮

2011年10月27日 18:20 Category 稲葉通信

ドメーヌ デュ グラン オルモー

今回は、今年(2011年)から新しく取引の始まった、サン テミリオンのラランド ド ポムロールの造り手、ドメーヌ デュ グラン オルモーをご紹介します。

実はこのワインの取引を、私たちは2年前から検討をしてきました。
私たちのお気に入りは、彼らが持つどのアペラシオンやヴィンテージにも共通している味わい:それは、ビロードのような滑らかさと上品さ、タンニンはしっかりありながらも、軽やかでエレガントな口当たりを持ち、驚くような余韻が続く、バランス感覚のよいワインなのです。しかし、このような奥深く落ち着きのある味わいは、一方で凝縮感や弾けるような果実味あふれるスタイルをもつワインの中では、決して目立たない存在となることも容易に想像できました。ただ、今後日本市場でも、このような味わいを好んで求められる時期に到達していると思い、取引をスタートさせたのです。
2年間に渡り味わってきたこのドメーヌを取り扱うことになると、直ぐにでも訪問したい思いに駆られて、今回予定していたボルドーの日程に急遽加えたのです。

グラン オルモーは、世界遺産の街、サン テミリオンの中心地から約8km、ネアック村にあります。1833年に、今のオーナーの祖父であるジャン ガルド氏によって設立され、現在まで同じ一族による家族経営でワイン造りをしています。かつてシュヴァル ブランを担当し、今もサン テミリオンで数多くのシャトーのコンサルティングを行なうジル パケをコンサルタントに迎え、ラランド ド ポムロール、ポムロール、モンターニュ サンテミリオンの3箇所に合計で22ヘクタールの畑を所有してワインを造っていますが、この規模は、ボルドーではかなり小規模な生産者といえます。

ORMEAU01.jpg ORMEAU02.jpg オーナーのジャン ポール ガルド(右端)、ジャン ポールの姪のフレデリック(左端)、そしてスタッフのみなさんが土曜日にも関わらず、「待っていました。」といわんばかり、一斉にお出迎え。

まずは、ドメーヌの隣にある、ラランド ド ポムロールの畑へ向かいます。ここはグラン オルモーの中で一番広い畑で18ヘクタール、メルロ、カベルネ フラン、カベルネ ソーヴィニヨンを栽培しています。

ORMEAU03.jpg 葡萄栽培はリュット レゾネ。除草剤、化学肥料は使用していません。土には充分な栄養があるため、肥料は葡萄の絞りかす、果皮などオーガニックなものを撒くだけです。2ヶ月に一度、土を耕して通気性を良くし、また保水性も保たれるようにしています。今年は非常に乾燥しているので、雨が降ったあとに土を耕し、畝に生えている草を刈り取り、葡萄の根に水分が行き渡るようにしています。

ORMEAU04.jpg 土壌は、非常に乾いた粘土砂利質で、このような石がごろごろしています。

オーナーのジャン ポールは、私たちが「まず畑を見せてほしい。」と伝えると、「畑に行くなら、ちょっと待て。」といって、急ぎ足でいったん建物の中へ。
ハサミを手に戻ってくると、実際にグリーンハーベストをやって見せてくれました。



慣れた手つきでチョキ、チョキと景気よくハサミを入れていくと、あっという間に地面は切り落とされた房でいっぱいに。満足げに見入るジャン ポール。
これは、色々歩き見てきたボルドーの有名なシャトー以上の落とし方ではないか、と一瞬びっくりするくらいの房の量です。

ORMEAU05.jpg このままだと、延々と作業を続けてしまいそうな勢いだったので、さっそく次の場所へ案内してもらいます。

ORMEAU06.jpg こちらは樹齢の若い葡萄。ウサギが若木をかじってしまうため、ウサギよけのビニールが巻かれています。3年目からはワイン用に葡萄が収穫できますが、これは自社のワインには使用せず、ネゴシアンへ売ってしまいます。

ラランドの畑を見せていただいた後は、少し離れた場所にあるモンターニュ サンテミリオン、そしてポムロールの畑へ。

ORMEAU07.jpg こちらはモンターニュ サンテミリオンの畑。1ヘクタールと0.3ヘクタールの2区画に分かれており、栽培しているのはメルロのみ、畑は一列おきに、草を生やしています。ここの葡萄からは、ヴュー シャトー グージョン(FB-440)が造られています。

ORMEAU08.jpg 0.3ヘクタールの区画は斜面になっていて、低い場所になるほど、砂利が多く見られるようになります。面白いことに、ここからほんの数メートル離れた上の部分では、あまり砂利は見られません。

ORMEAU09.jpg ORMEAU10.jpg グージョンの畑のすぐ横では、ジャン ポールの甥が、樽工場を営んでいます。初めて見る樽工場(外側からですが。)オークの木の香りが漂ってきます。グラン オルモーでは、もちろんここの樽を使っています。

ORMEAU11.jpg こちらはポムロールの畑。ここではメルロ、カベルネ フラン、カベルネ ソーヴィニヨンを栽培しています。この写真はメルロ。中には樹齢80年にもなる古い木もあります。樹齢の高い木は、実をつける房が少なくなりますが、集約のある品質の高い葡萄が出来ます。この畑の葡萄から、シャトー ラ トリュフ(FB-439)が造られています。

今度はセラーを見せていただくために、ドメーヌへ戻ります。

ORMEAU12.jpg チリひとつ落ちていない清潔なセラー。この清潔さはピュアなワインを醸造するには、大変重要な要素です。2001年に修復したそうです。
収穫した葡萄は除梗、破砕して10℃で5日間プレマセラシオン、発酵はその年の収穫によって異なりますが、28℃で18~30日間、発酵させます。熟成は樽で約11ヶ月から12ヶ月行ないます。

ORMEAU13.jpg 熟成用の樽は、先ほど見たジャン ポールの甥のところのもの(Vincent Darnajou)はもちろん、その他にセガン モローの樽も使用しています。さらに2%だけアメリカンオークもあるとのこと。フレンチオークとの違いを見るためだそうです。
セラーではラ トリュフの2010年を樽から試飲させてもらいましたが、この段階でも、とてもなめらか、しっとりとエレガントで、きめ細かいタンニンが感じられます。この先、どんなワインになるのでしょうか?期待が高まります。

さて、いよいよテイスティングルームにて試飲です。

ORMEAU14.jpg テイスティングをしていて全員が感じたことなのですが、グラン オルモーのすべてのワインに共通するのは、非常に洗練されていてエレガントであること。(もちろん、3つのワインの個性はちゃんと感じられます。)
「エレガント」という表現を使ってしまうと、薄っぺらなワインを想像されてしまうかもしれませんが、決してそうではありません。派手さはないけれど、上品で奥行きがある味わい、落ち着いた大人のエレガンスを感じます。

私自身、とても好きなスタイルのワインなのですが、この素晴らしさを言葉だけではなかなかお伝えしきれません。
そんなグラン オルモーのワインが少しでも気になった方は、ぜひともこちらをお試しください。

ORMEAU15.jpg FB-439 2006 シャトー ラ トリュフ(ポムロール) ¥5000
FB-438 2005 シャトー レ ヴュー オルム(ラランド ド ポムロール) ¥3000
FB-440 2007 ヴュー シャトー グージョン(モンターニュ サン テミリオン)
¥3000


こちらの動画ではそれぞれの畑の様子やセラーの内部の様子をご紹介しています。



経営企画室 永田敦子

2011年10月 6日 08:00 Category 稲葉通信

2010年から新しく取引の始まったポルトガル生産者紹介第2弾!
キンタ ドス アヴィダゴスへの訪問です。

前回ご紹介のVDSと同じく、2001年にユネスコ世界遺産に認定されたアルト・ドウロ・ワイン生産地域からのご紹介となりますが、今回のキンタ ドス アヴィダゴスは歴史と伝統を重んじつつも新しいチャレンジにも積極的な生産者であることが今回の訪問でよりわかりました。

AVIDAGOS01.jpg AVIDAGOS02.jpg まずはこのキンタの成り立ちを見てみると、非常に歴史を感じます。
4つのキンタが併合されて現在のキンタになった関連性が下記の図となります。

KANKEIZU.jpg ①Quita da Varanda =キンタ ダ ヴァランダ
②Quinta do Torrao=キンタ ド トハゥン
③Quinta da Firida Alem Tanha=キンタ ダ フィリダ アイレン ターニャ
④Quinta dos Avidagos=キンタ ドス アヴィダゴス

①②③は250年前にポルトガル王がイギリス人書かせたドウロの地図にも掲載されているくらい歴史があるキンタです。ちなみに、①のキンタ ダ ヴァランダが設立された1695年頃の日本は江戸時代で5代将軍徳川綱吉が生類憐れみの令を出していた時代です。1695年と聞いてもピンと来ませんでしたが、当時の日本を知ると急にものすごく歴史を感じてしまいました。また、余談ですが、日本で始めて飲まれたワインは戦国時代に伝来したポルトガルの赤ワインだったと言う一説もあります。歴史の苦手な私ですら「種子島の鉄砲かーい!?」と突っ込みたくなるほどの歴史です。

現在は4つのキンタで合計約70haとなり、年間生産量 6万本ですが、45万本まで生産可能で、毎年少しずつ生産量を増やしています。最も良い葡萄をスティルワインに使用し、ボトリングは販売出来る分のみ年に1回行い、それ以外はポートワインの原料として販売しています。
そもそも彼らが独自のワインを造るようになったのは、ポートワイン用に販売していた葡萄の売価が、近年大幅に値下がりしてしまい、(輸出先はおろか、ポルトガル国内でもポートワインの需要が少なくなっているため)もともとバルクでワインを造っていたものを、一部設備投資を行なって、コンサルタントと共に独自のボトルワイン造りをスタートさせたのが始まりです。

キンタ ドス アヴィダゴスの大きな特徴の1つとして、
「全て自家葡萄園の葡萄で、買い葡萄は一切ない」
と言う、信念があります。
自家葡萄にこだわる理由として、アヴィダゴスでは、畑の管理を最も重要だと考えています。このエリアでは珍しく各畑に常駐者を置き、その畑を良く知る人が葡萄の病気などの早期発見に努め、熟度をチェックしたり日々の見回りや作業を行います。このように畑での日々の作業の積み重ねにより、コントロールされた自家葡萄を統一したスタイルにし、それがワインの個性になると考えています。すなわち、「これがアヴィダゴスワインだ!!」と言われるような、「個性」のあるワインを目指しています。歴史と伝統を重んじながら、アヴィダゴスを、ドウロのワインを世界にアピールして行きたいという熱い気概と信念をヒシヒシと感じました。

AVIDAGOS03.jpg キンタ ドス アヴィダゴスでは新しいチャレンジにも取り組んでいます。
このエリアでは伝統的に農薬散布をしていますが、アヴィダゴスでは農薬を使わない方向にチャレンジしています。畝と畝の間に特別なたい肥を撒くことでバイオダイナミックにしていくチャレンジです。
また、アリント種とヴィオージョ種をミュスカデルに接木しました。接木は新しく樹を植えるより経費はかかりますが、木の根が深く根付いているので2年で葡萄の実が付き、その実は古木のメリットである深い味わいをもたらします。この方法は世界的には珍しくありませんが、ドウロでは新しいチャレンジなのです。

AVIDAGOS04.jpg AVIDAGOS05.jpg 歴史と伝統を大切にするアヴィダゴスですが、このように新しいチャレンジにも取り組み、熱心に品質向上に取り組む姿勢は今後ますます良いワインを造る未来しか想像できません!!
本当に楽しみな生産者の1人です。

AVIDAGOS06.jpg そんなアヴィダゴスのおすすめワインはこちら、
PA007 2008  キンタ ドス アヴィダゴス ティント     ¥1,500
PA008 2007  キンタ ドス アヴィダゴス レゼルヴァ    ¥2,300
(2007がワイン&スピリッツで91点)
PA009 2004 キンタ ド アレム ターニャ ヴィーニャス ヴェーリャス ¥4,000

最後にワインメーカーであり販売担当のペドロさん(上記写真)から、日本のみなさんへの 熱い!?メッセージや畑での接木の説明、セラーでの樽試飲風景など、是非、動画もチェックしてみてください!



営業3課・牧野隆男

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