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農家の手から生まれる珠玉のヴォーヌ ロマネ。フランソワ コンフュロン ジャンドル(営業1課 藤田進也)

今回はヴォーヌ ロマネのフランソワ コンフュロン ジャンドルをご紹介いたします。
ドメーヌは、ロマネ コンティやラ グランド リュ、ロマネ サンヴィヴァンなどの特級畑の近くにあります。訪問前に地図で見ていた限りでは「ドメーヌを移転して、その場所を畑にした方が良いのでは?」と思ってしまうほどの立地ですが、そこはブルゴーニュのマジック。やはり数メートルずれるだけでも条件が異なってくるので、葡萄栽培には不向きなのでしょうね。(実際訪れてみると、畑は傾斜の上部、ドメーヌは下部に位置していることが分かりました)

ご存じの通り、ヴォーヌ ロマネと言えば8つのグランクリュを要するブルゴーニュワインの最高峰の産地の一つであり、ワインラヴァー憧れの土地です。私も生涯に一度は訪れてみたい場所であったので、訪問前には何度も地図を見て楽しみにしていました。
実際に訪れたヴォーヌ ロマネの街並みは、意外にもこの地で生まれる華やかなワイン達の印象とは全く異なり、一面に畑が広がる中に、古い建物がポツポツと並んでいるという農村。すれ違う車も少なく、むしろトラクターの方が多いのでは?と思ってしまうほどの場所でした。
ただ、現在地を確かめるために地図を見ると、すぐ隣には一級畑、その先には特級畑といった感じで、思わず感嘆の言葉が出てしまうほど。このギャップがとてもユニークでした。この日はとても快晴で、斜面上部に広がる葡萄畑は日光を反射して眩しいくらいに輝いており、それはまるでこの地がワインにとって特別な場所であることを教えてくれているようでした。

そんな素晴らしい景観に勝るとも劣らない満面の笑みで迎えてくれた人物が、今回ご紹介いたしますフランソワ コンフュロンです。今回の訪問では様々な生産者の素敵な笑顔を拝見しましたが、個人的にはフランソワの笑顔が一番印象的でした。
1966年生まれのフランソワは、18歳の頃から父親の手伝いでワイン造りに携わっています。ということは、すでにキャリアは30年以上。彼はその長い年月のほとんどを畑作業に費やしてきました。彼の硬く、土で汚れた分厚い手は「私はブルゴーニュ人気質だから、畑にいないと落ち着かないんだよ。」という言葉の表れです。彼の素晴らしいワインはこの手から生まれているのだと思うと、とても感慨深いものがありました。

フランソワは1989年にヴォ―ヌ ロマネの畑をメテヤージュ(小作契約)で自分のワインを造り始め、相続などで徐々に畑を増やし、現在は主にヴォーヌ ロマネ、ニュイ サン ジョルジュ、ジュヴレ シャンベルタンを生産しています。彼のワインはフランス国内での評価がとても高く、国内シェアは実に90%を占めており、残りの10%をベルギーと弊社で分け合っています。そのため日本への入荷数は元々少ないのですが、ここ何年かは天候不順による収穫量減少のため、更に品薄な状態が続いています。


彼のワインで特徴的なのは、フリーランジュース(一番搾りの果汁)を90%使用、プレスワインを10%使用していることです。それにより、雑味のないピュアで華のあるワインに、ほどよい骨格が生まれています。フランソワ コンフュロンのワインを飲むと、まさに葡萄の味わいをそのままボトルに詰めたような味わいの印象を受けます。

今回の訪問で一番驚いたのはカーヴです。私が今まで見たことのあるカーヴの中で「最もカーヴらしいカーヴ」でした。雰囲気のある古い建物の奥に案内されると、ひんやりとして薄暗いカーヴが現れます。


木やほんの少しカビなどの臭いがあり、ヤモリのような生物や虫もいて、苦手な方は入ることをためらうかもしれません。サンタ デュックのカーヴも暗かったですが、フランソワ コンフュロンのカーヴも負けないくらいに暗かったので、お化け屋敷が苦手な方にもおすすめできません。ただ、少ない灯りの元に樽がずらりと並んだ光景はとても神秘的で、ワイン好きの方にはたまらないのではないでしょうか。不思議と、この空間だけ時間がゆっくり進んでいるような気がしました。


カーヴでは、まだマロラティック発酵が終わったか否かという段階の2014年のワインを樽から試飲させてもらいました。もちろん、まだまだワインは落ち着いていないため、まだ味の是非は分からない状態。フランソワも「良いワインほど若い段階での試飲は難しい。」と話していました。ただ、それでもフランソワのワインのポテンシャルの高さを計り知るには十分なものでしたし、この段階での試飲は
滅多にすることができないため、とても貴重な体験をさせてもらいました。幾つかの樽はまだマロラティック発酵中で二酸化炭素が発生している状態でした。そのため樽の栓の部分からワインが噴出しているという珍しい光景も見ることができました。「本来であればこの時期にはマロラティック発酵は終わっているため、普段は見られないよ。」とフランソワが教えてくれました。
おすすめワイン
FB-779 ブルゴーニュ ルージュ 
フランソワの造るブルゴーニュ ルージュは、なんとヴォーヌ ロマネの樹齢12~60年の葡萄を使用しています。いわば「スモール ヴォーヌ ロマネ」といったところでしょうか。年末に自宅でも開けてみましたが、その香り、味わいの広がりには改めて驚かされました。ピュアで、甘酸っぱいチェリー、ラズベリーの風味が口の中いっぱいに広がり、華やかな香りがふわっと鼻から抜けます。今、このフレッシュな風味を楽しむのも良いですし、もう少し落ち着かせて柔らかい風味を楽しむのも良さそうです。ただのブルゴーニュ ルージュと思って飲んだら、きっと腰を抜かしますよ。

F-923 ヴォーヌ ロマネ
ヴォーヌ ロマネに点在する複数の畑の、平均樹齢50~60年の葡萄を使用しています。深みのある色調。フィネスがあり、果実味、酸など全ての要素のポテンシャルが高いです。このワインも、より長い熟成を経ると、更にすばらしい味わいに変化しそうです。特別な日のとっておきにおすすめです。

大げさかもしれませんが、フランソワのワインを飲むといつも、疲れが抜けて心が浄化されたような気分になります。フランソワの造るワインは、無理な力が入っておらず、厚化粧でもない、とてもピュアな「農家のワイン」であり、自然に身体に染み込み、とても心地良くさせてくれます。
この素晴らしいワインを造るために、フランソワはいったいどれだけの努力を畑に注ぎ、汗を流してきたのでしょう?
もちろん、ヴォーヌ ロマネという特別な土地の力もあるのでしょうが、彼のワインは、それ以上にフランソワ コンフュロンという人物が注いだ長い年月と多大な努力によるところが多くあるのだと思います。

皆様にもぜひ、フランソワの結晶と言える彼のワインを手に取っていただき、至福の時間を楽しんでいただければ幸いです。

営業一課 藤田進也

2017年3月

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