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900mの高い標高とユニークな醸造でトップレベルのテンプラニーリョを造るタマラル(営業1課 岡田裕太)

今年3月にスペイン8つの生産者を訪問いたしました。今回はボデガス タマラルをご紹介いたします。
タマラルはカスティーリャ イ レオン州のほぼ真ん中に位置するリベラ デル ドゥエロにあり、平均海抜700~850mとヨーロッパの中でも高く、日中の強い日差しを受けて成熟するブドウは夜の涼しさで凝縮度を増します。大陸性の気候の影響を強く受け、冬には凍てつくような厳しい寒さが訪れます。年間降水量450mlで、夏は乾燥するが、夜には気温が落ち、この寒暖差がブドウに恩恵を与えています。
この地域で有名な品種は、ティント フィノ、ティンタ デル パイスと呼ばれるテンプラニーリョであり、この地域の栽培品種の85%を占めるとも言われています。その理由としては、リベラ デル ドゥエロでは白ワインのD.O.は認められておらず、更に赤ワインのD.O.ではテンプラニーリョを75%以上使用しなくてはならないためです。
補助品種としてガルナッチャ、メルロ、マルベック、白品種のアルビーリョ(別名パルディナ)の使用が可能となっていますが、タマラルは100%テンプラニーリョで造っています。

今回訪問した際に感じたタマラルの品質の秘訣は3つあると感じたのでそちらをご紹介いたします。
【1】高い標高に位置する畑
【2】高樹齢
【3】独特な樽熟成

まずは【1】の標高です。タマラルは自社畑を50ha所有しており、3つのエリアに分かれます。
1、ワイナリー周辺・・・標高700m
2、パディーリャ デル ドゥエロ・・・標高900m
3、ペスケル デル ドゥエロ・・・標高900m

特に②の畑についてお話を致しますと、ワイナリーから車で15分ほどの場所ではありましたが途中から急斜面になりました。そこでは車のギアをセカンド以上にすると登れずにエンストするから、絶対にファーストで走るよう言われました。
そこを登りきると一面に葡萄畑が広がっていました。

ここは900mの標高があり、羊の糞など肥料はオーガニックなものを使用していますが、最低限の農薬は散布しています。雑草の上に掘り返した土を置くので草を切ることはなく、除草剤は使用するが木樹にかからないように畝のみに撒きます。

標高が高いことで時間をかけてゆっくりと葡萄が育つため、力強さだけでなくミネラルやエレガントさを得ることが出来ているのだと感じます。

次に【2】の高樹齢についてですが、タマラルは自社畑以外にも30~40名より100haの畑をレンタルしています。畑を借りる際には、農業組合に公募し樹齢80~100年の畑を持っている農家との契約を行うそうです。ただ借りるだけでなく、借りた方とはパートナーとして一緒に仕事をするというスタンスです。


そして最後の【3】樽熟成についても見ていきましょう!
ここはワイナリー内にある樽部屋です。
無数にある樽ですが、同じように見えて違う種類の樽が沢山あります。アメリカンオーク、フレンチオークが半分半分で様々な会社の樽を取り入れています。

ここで各ワインに関する樽熟について記載いたします。

S201 タマラル ロブレ
アメリカンオークの数年使用した樽中心で4ヶ月の熟成

S202 タマラル クリアンサ
樽を6ヶ月ごとに入れ替える。6ヶ月経った際に試飲を行い、足りない要素があると感じたら、その要素を補う樽へ入れる。トータルで12~16ヶ月熟成


S203 タマラル レセルバ

同様に24ヶ月の熟成を行う。レセルバは高い比率で新樽を使用しており、そこがクリアンサとの大きな違い。


上記に記載があるように、クリアンサ、リセルバに関しては、6ヶ月ごとに樽移しをします。しかもそれは決まったルートがある訳ではなく、途中でフランシスコ(ワインメーカー)がテイスティングを行うことで足りない要素を探し、それを補える樽に移し替えるそうです。それを繰り返すことで、より完全なワインになっていきます。樽により、出てくる味わいは全く違うそうで、まるでパズルのピースを合わせていくかのように、樽を変えて最終的に違うルートを辿ってきた別々の樽のワインをブレンドして1つのワインが完成します。

この3つの要素がタマラルのトップレベルなテンプラニーリョの所以なのではないかと訪問し感じました。


ワイナリー見学後には、ワインメーカーのフランシスコが本格的な炭火焼きでラムを焼いてくれました。


ワインメーカーのフランシスコ。
特に、S202 タマラル クリアンサの繊細でしなやかな口当たりと肉厚なボディがラムとの相性が抜群でした。
今回3月に8生産者のスペイン視察へ参りました。その中でも最も標高が高い場所がこのタマラルでした。タマラルワインは現地に行くより前に飲んでいましたが、「樽、果実、タンニンはしっかりとしているのに、エレガントで非常にまとまりあるのが素晴らしい。」「こんなにバランスが良いのは何故?」と思っておりました。
実際に訪問すると、この【エレガントさは、高い標高】から。【凝縮した味わいは、高樹齢の樹】から。そして【バランスは試飲をして樽を入れ替える独特な醸造方法】から来ているのだと納得いたしました。
スペインにテンプラニーリョは沢山ありますが、その中でも間違いなくトップレベルの生産者であると言えます。
皆様も是非この機会に、独創的で素晴らしい品質のタマラルワイン手に取っていただけると幸いです。

営業1課 岡田裕太

2017年3月

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