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改革を続け今やカオールを語るには欠かせない存在 生産者シャトー ラマルティーヌ(営業1課 山田航)

現地視察も中盤に差し掛かり、ボルドーを抜け、ベルジュラックを経由して、フランスを代表する赤ワイン産地の1つ、AOCカオールが属するロット渓谷に向かいました。数十年振りに訪れる場所ということで期待を寄せ、目的地であるシャトー ラマルティーヌに到着しました。

まず、シャトー ラマルティーヌが位置するのは、カオール中心部から約40km離れた「ソウトゥラック」にあります。AOCカオールを形勢する、ロット渓谷の始点に位置しています。中心部よりも西にあり、一般的なカオールとは異なる、海洋性気候の影響を受けており、冷涼ゆえ、葡萄がしっかりと完熟するまで収穫を待つことができ、濃縮したワインが生産できることです。そして最大の特徴は、ロット川によって形成された自然のテラス(段々畑)によって複数の土壌が存在していることです。

こちらの写真が各区画の土壌サンプルです。左から1段目、2段目、3段目。川に近い区画では丸石も目立ちますが、川から離れることで、より細かな石が多く見られます。主に粘土石灰質の土壌ですが、ラマルティーヌでは2段目と3段目の区画で葡萄栽培を行ってきました。
1段目の区画は主に穀物などを育てており、葡萄は栽培されていません。2段目は、スタンダードクラスのプレスティージュ(FB729)の区画、3段目が、パルティキュリエールとエクスプレシィオン用の区画です。


こちらは3段目の一番標高が高い区画。ごつごつとした石灰が見て分かりますよね。この区画は約30haを有し、最もパワフルなワインが生まれる場所で、主にパルティキュリエール用として使われています。ちなみに、新しい試みとして、白葡萄の栽培も始めています。


先程の場所から少し下ったところにあるのが、セラーのすぐ横にある3段目の一番古い区画です。先ほどの写真よりも、より太くしっかりとしている幹がわかりますか?最も古いもので、樹齢は90年に到達するものもあります。ここから彼らのトップキュヴェである、エクスプレスィオンが生み出されています。こちらの区画も含め、合計37haを所有し、マルベックを主体に、タナ、メルロなどを栽培しています。全ての品種をベストなタイミングで収穫するため、機械で摘み取りを行います。最近では機械の性能も上がっており、手摘みのように厳格な選別が出来るとのことです。


さて、ここからはラマルティーヌの歴史をおさらいしましょう。設立は今から約140年前に遡り、1886年。曽祖父が主体となり葡萄栽培を開始し、その当時は僅か5haのみでした。その当時では主流であったセメントタンクでの発酵熟成を行っていました。1940年には自家葡萄園元詰めを開始。祖父は醸造よりも農家としての手腕を発揮し、1970年までに15haの区画を所有するまで成長しました。そして1976年アランのファーストヴィンテージを迎え、この時より大きな転機となります。


1981年に、アランはその当時では珍しかった温度管理ができるステンレスタンクを導入。これは、彼のファーストヴィンテージである1976年はとても暑い年で、セメントタンクが高温になり酵母が死んでしまい発酵ができなかった経験を繰り返さない為でもありました。更に1990年代には大きなフードルを導入し、ワインのタンニンと樽のタンニンを混ざり合わせ、よりまろやかな口当たりを求めました。
現在熟成には重要である樽は、5社のメーカーを使い分けています。それぞれに特徴があり、それらを使い分けブレンドをすることでより複雑でしっかりとしたテイストを表現することができています。そして、2015年よりアランの息子であるバンジャマンが加入。新たな時代を迎え、更なる躍進が期待されます。まさに、一族が長い歴史の中で、止まらず、挑戦し続けたことで成り立っているんだなと感じました。
そんな彼らが作り上げるキュヴェは、たったの4つのみです。それぞれの特徴を、訪問時の最新情報を踏まえご紹介致します。

FB-729 カオール プレスティージュ デュ マルベック AOCカオール
フレッシュで、程よいタンニンがあり、フルーティーなテイストに仕上がっています。カオールワイン、またラマルティーヌのスタイルを知るには最適のキュヴェです。

FB-730 シャトー ラマルティーヌ AOCカオール
ミドルクラスがこちらのキュヴェ。今年の7月に、現地フランスのデカンター誌において、このキュヴェの2014年ヴィンテージが「南西地方の最も良い赤ワイン」として選出されました。現在2012年ヴィンテージを取り扱い中ですが、彼らの中のベストヴィンテージをご案内できます!

FB-731 シャトー ラマルティーヌ パルティキュリエール AOCカオール
彼らが最も生産出来、最も飲んで欲しいというのがこちらのパルティキュリエール。生産量は約10万本。2013年ヴィンテージまではバリックのみであったが、2014年ヴィンテージからはフードルでの熟成も行っています。生産を始めた当時は、マルベックとタナをブレンドすることが珍しく、その事から特別と名付けたキュヴェとなりました。マルベックとタナが同じタイミングで収穫ができる強みが、生産を可能にしています。

FB-476 シャトー ラマルティーヌ カオール エクスプレスィオン AOCカオール
マルベック100%。新樽発酵、新樽熟成。彼らの中で最もヴィンテージの差が少ないキュヴェといいます。約90年近い高樹齢の樹から、なんと5房のみに剪定するこだわり。訪問後の食事の際、名物であるフォアグラと合わせましたが、次の訪問があることを忘れてしまうくらい、感動したのを覚えています。世界のミシュラン三ツ星レストランでもオンリストされる、注目のキュヴェです。

約3時間の訪問は、あっという間に過ぎてしまいました。今回アテンドして下さった息子のバンジャマンは、もう何年も前からシャトーに在中しているかのように、歴史から現在に至るまでや、未来の展望までも、事細かに語ってくれており、父から引き継いだ後も、ラマルティーヌは安泰だと感じました。父アランが、この30年で行ってきた改革は、とても良い結果に結びつき、次なるステップに踏み出しています。アラン氏を始めとする、ラマルティーヌに携わる全ての人たちが、まさに「職人」であること。そして、畑、セラーなど、全ての作業を苦と思わず、むしろ毎日がとても楽しいと言います。「これらがあったからこそ、40年という長い時間ワイン造りと向き合ってこれた。」とアランが語った言葉に、私もとても考えさせられたのが印象的でした。カオールワインは濃くてボリューミィなものが多いイメージを持っている方も多くいらっしゃると思います。断言します、一度是非ともラマルティーヌのワインを試してみてください。そこには、彼らにしか造り出せない、”特別な”味わいがつまっています。

父と息子、お互いの経験を生かした、今後のシャトー ラマルティーヌにもとても期待ができます。

営業1課 山田 航

2017年12月

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