ワインブログ ―wine blog―

『ドイツのトップ生産者!モーゼル中流域の超一級畑のほとんどを手掛けるシュロス リーザー(トーマス ハーク)』(営業1課 前原森生)

◆トーマス ハーグ(右)と家族
今年3月のドイツ視察訪問からシュロス リーザーをご紹介いたします。シュロス リーザーは2015年にドイツに11軒しかいない、ゴーミヨ誌の最高評価5房生産者に選ばれました。そして視察前に社長から「リーザーはついにベルンカステラー ドクトールの畑からのワインを造った。モーゼル中流域の超一流畑のほとんどを所有し、ドイツのトップ生産者の中でも頭ひとつ抜けた。」と聞いていたので、とても楽しみにしていた訪問でした。

モーゼル訪問の2日目、ちょうどフリッツ ハークの後の訪問となりました。私も視察前まで知らなかったのですが、トーマス ハークの父であるヴィルヘルム ハークと弟のオリヴァー ハークの家から、車で5分とかからない位置にシュロス リーザーはあります。(写真のリーザー城の真横にワイングートがあります。)

◆所有する8つの超一級畑
2016年からシュロス リーザーはドイツで最も有名なベルンカステラ― ドクトール(医者)の畑とピースポーター ゴールドトレプヒェン(黄金の滴)で葡萄を育て始めました。以前からブラウネベルガー ユッファー ゾンネンウーア(乙女の日時計)やヴェレナー ゾンネンウーア(日時計)、そしてグラッヒャー ヒンメルライヒ(天国)でワイン造りを行っているトーマスはこれでモーゼル中流域の超一級畑のほとんどを手掛けることになったのです。
ドクトールの畑は全体でわずか3.1ヘクタールしかありません。限られた生産者しかワイン造りを行うことができず、畑の所有者が変更になる際は厳密な審査が行われます。トーマスは、ハインリッヒ ガイゼンハイム慈善協会が所有する区画が競売に出されたのを機に、わずかながら区画を借りることができましたが、その際も市長も含めどの生産者がドクトールを任せるに相応しいか真剣な協議が行われました。それまでのシュロス リーザーの成功があったからこそ手に入れることができたのです。「樹齢の古い樹が多く、葡萄の実も小さく集約感があるワインが出来る。」とトーマスは自信を持って話していました。


◆超一流畑の比較試飲!
トーマスは2016年にいくつかの超一流畑から「同じ残糖度、同じアルコール度数」のワインを醸造しました。つまり畑ごとの違いが比較できるように醸造したのです!
例えば、カビネットクラスのワインでは残糖度60g/ℓ、アルコール8.0%にそろえて、グラッヒャー ヒンメルライヒ、ブラウネベルガー ユッファー、ヴェレナー ゾンネンウーア、ピースポーター ゴールドトレプヒェンのワインを造りました。数値的にそろえても味わいはキュヴェごとではっきりと違いました。そして違いは畑ごとの粘板岩の大きさや種類によって変わるものでした。下記はトーマスの解説です。

グラーヒャー ヒンメルライヒ 青色粘板岩。ミネラルが多く、スパイシーさもある。
ブラウネベルガー ユッファー 大きな粘板岩が多く、水はけがよいので、繊細でエレガント。
ヴェレナー ゾンネンウーア 青色粘板岩に少し灰色が混ざる。複雑さがある。
ピースポーター ゴールドトレプヒェン 土壌に水分が多く軽い土壌でボトリティスがつきにくい。力強い果実味。

個人的にはヴェレナー ゾンネンウーアが飲みやすく一番おいしく感じました。粘板岩が小さいので酸が柔らかくなるようです。
この後、シュペトレーゼとアウスレーゼでそれぞれ比較試飲を行いました。ベルンカステラ― ドクトールのアウスレーゼを試飲しましたが細身で集約しており、エレガントな印象でした。ワインスタイルで意識していることは「Like Dancing! 繊細で踊るような味わいを目指している。」というトーマスのこだわりが現れたような味わいでした。


◆辛口ワインでも高評価!
2015 リーザー ニーダーベルク ヘルデン グローセス ゲヴェクスが、2016年ファインシュメッカ―誌にて、全国の辛口リースリングの№2を獲得し、表彰状が壁に飾られていました(ちなみに№1は同じ日に訪問したハインのピースポーター ゴールドトレプヒェン トロッケンでした。)ヴィンテージによっても異なりますが、今では生産量の45~50%は辛口ワインなのだそうです。葡萄の生育状態をみて、その葡萄が辛口に向いているのか、甘口に向いているのかを判断するそうです。「近年は温暖化の影響で、酸とエクスレ度のバランスが良い辛口ワインを造れるようになった。」とトーマスは話していました。


日本市場の話に興味津々なトーマスと妻のウーテ。遠い日本の話にも真剣に聞き入り、何度も質問をなげてきました。こうした好奇心の強さがワイングートの成功につながっているのかもしれません。


今回、息子のニコラウスと、娘のララ(最上部の写真の中央右)にもお会いすることができました。ニコラウスは現在20歳で、父トーマスと同じくカイゼンハイム大学で勉強しているそうです。ララも母ウーテと事務を担当するそうで、まさに家族経営のワイングートと言えます。
◆畑(リーザー ニーダーベルク ヘルデン)
 畑の訪問はワイングートから車で3分ほどの距離にある、ニーダーベルク ヘルデンとなりました。実はトーマスが次々と畑を買い足している理由の一つがこの畑に起因しているのです。この畑からも非常に優れたブドウが取れるのですが、雹の被害にさらされやすい立地でもあります。そのためリスクを分散させるためにもトーマスは所有畑を増やしているのです。今では22ヘクタールを所有しており、150箇所に分かれています。「そんなに畑を持っていると大変ではないのですか?」と尋ねると、収穫期は1日に2時間ほどしか寝ないのだということでした。畑によって収穫するタイミングを見極める作業を、なんと1人で行っているとのことでした。しかし妻のウーテが言うには「(トーマスは)たぶん病気になっても収穫に出かけるでしょう。」というほどなので、とてつもないストイックさとワインへの情熱を垣間見ることができました。

実際に生産者であるトーマスに会ってみると、ドイツを代表する生産者とは思えないほど性格が柔らかく、近づきやすい方でした。ワイン造りに対して強かな情熱を抱いており、今後も今まで以上に素晴らしいワインを造ってくれることでしょう。


~おすすめワイン~

・KA398 シュロス リーザー リースリング シュペートレーゼ トロッケン
辛口でも一流であることが認められたリーザーのトロッケンです。今回、訪問した畑(リーザー ニーダーベルク ヘルデン)の葡萄が主に使われています。南向きの日当たりの良い斜面で葡萄が育てられており、ブラウネベルガー ユッファーの土壌より小さい、中くらいの大きさの青色粘板岩でした。鉱物のニュアンスを感じ、力強く非常に凝縮感のあるワインです。

・K886 リーザー ニーダーベルク ヘルデン アウスレーゼ ★★★ 
ニール・ベケットの『死ぬまでに飲むべき1001ワイン』にも選ばれている、トーマス・ハークの名を世界に知らしめたワインと言っていいでしょう。2003年ヴィンテージで、数少ないリーザーのオールドヴィンテージです。

・KA533ピースポーター ゴールドトレプヒェン カビネット
2016年から造りはじめたワインです。青色粘板岩に大理石の小石が混ざる土壌で、力強いワインができます。現地で試飲をしましたが、甘みの中で酸が細かくぴちぴちと感じられ、非常にポテンシャルを感じたワインでした。※8月上旬に入荷致します。価格は入荷次第、決定します。

営業1課 前原 森生

2017年7月

- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

TOPへ戻る