ワインブログ ―wine blog―

畑の急斜面は想像以上。お隣さんとは違う仕立て。独自性を持つ、ブラウン親子の造るフランケンワイン。(営業2課 貞 厚志)

ファルツのカール ファフマンをあとにし、車を走らせること約2時間半、夜遅くにワイングート ヴァルデマー ブラウンのあるノルドハイム村に到着しました。私、ドイツの高速道路 アウトバーンを左ハンドルで運転させていただきました。初めての海外での運転、そしてドイツの方々は、アウトバーンをあり得ないスピードで追い越していくので、終始手に汗握るドライブでした。


<ヴァルデマー ブラウンについて>

ヴァルデマー ブラウンは、1985年設立のノルドハイムに構える小さなワイングートです。2haの畑からスタートし、今では15haまでに成長している生産者です。平均0.2haほどの小さな畑が60か所以上に点在しており、年間で約80,000本のワインを生産しております。現在はヴァルデマーさん(写真右)に代わり、息子のパトリックさん(写真左)が中心となってワイン造りを行っております。ワイナリーのある、ノルドハイム村は人口1,000人ほどで、ほとんどすべての村人がワイン造りにかかわっています。フランケンでも一番ワイン造りに比重が大きい村です。農協があるものの、10年ほど前から個人生産者も増えてきて、今では農協と個人生産者の比率が50:50くらいの割合です。

翌日の早朝、フランケンに訪れることはなかなかないであろうと思い、少し早起きし、8時の待ち合わせ時間までノルデドハイム村を散歩しました。とても静かで、シンプルで綺麗な街並みがありました。村を歩くと、軒先にボトルがディスプレイされていたり、ボトリング前のボトルが山積みにされていたりと、ワインの村なんだなと確認できる風景が沢山ありました。

午前8時、予定時刻に集合場所に向うと、ブラウン親子、ワイナリー名でもあるヴァルデマーさんと息子のパトリックさんがとびっきりの笑顔で私達を迎えて下さいました。大歓迎して頂いている気持ちが伝わってきました。


挨拶をして早速、ヴァルデマーさんの運転でまずはエッシェンドルファー ルンプの畑へ連れて行っていただきました。

<エッシェルンドルファー ルンプの畑>
ノルドハイム村からマイン川を挟んで北側に隣接するのがエッシェンドルフ村(人口300人ほど)です。エッシェンドルファー ルンプの畑は、まるでモーゼルのように川沿いの急斜面に広がっています。マイン川の湿度がマイクロクリマを作り出しています。
1655年にエッシェルンドルファー ルンプは存在していました。フランケンで最も古く、最良の畑のひとつで、なんと斜度は65~70%もある急斜面です。機械が入ることが出来ない為、畑の作業は全て手作業で行われます。シルヴァーナー、シュペートブルグンダー、リースリングが主に植えられています。
畑は石灰質土壌です。右の写真のように底土には貝殻を含む石灰岩がミルフィーユのように何層にも重なっています。その上に薄い砂質の層があります。
KA521 エッシェルンドルファー ルンプ シルヴァーナー クーベーアー トロッケン




街の手前に広がる畑がノルドハイマー フェーゲラインの畑。
街の奥に見えるのが、エッシェルンドルファー ルンプの畑。


<ノルドハイマー フェーゲラインの畑>
ノルドハイマー フェーゲラインはゆるやかな丘になっており、頂上部分からはフランケン1,500haを一望できます。シルヴァーナー、ショイレーベ、ヴァイサーブルグンダーなどが植えられています。バッフス、ショイレーベ、ミュラートゥルガウなどの早熟品種は丘の上の涼しい畑で育てられています。エッシェンドルファー ルンプと土壌はほとんど同じで、表面に砂があるかどうかの違いのみ。ノルドハイムで造られたワインにはミネラルがより多く含まれます。また小石が多く、夜は暖かいそうです。
KA520 ノルデハイマー フェーゲライン シルヴァーナー クーベーアー トロッケン


<フランケンでは珍しい、コルドン仕立て>
フランケン地方には伝統的な仕立て方法があります。それは上写真のように、1本の幹に対して2本の枝を生やし、そのうち1本の枝をワイヤーに絡ませ横に伸ばし、もう1本を上に伸ばす方法だです。こうすることで、もし霜の被害で横に伸ばした枝が死んでしまっても、もう1本の上に伸ばした枝を横に曲げれば、ぶどうを造ることができます。つまり保険のような役割です。そして、一般的には6月頃にグリーンハーベストを行って収穫量を制限します。
しかし、ブラウン伝統的な方法とは異なるコルドン仕立てを採用しており、上写真のように太い母枝を水平に伸ばしています。「コルドン式は幹が重要になる」とパトリックは話します。そして、垂直に伸びる小枝を全てカットしてしまいます。切った枝と枝の間から出た芽は房を小さくつける。通常1房250gのところ、ブラウンは1房150~180gの葡萄がが出来ます。このように収穫量を抑えることによって粒の小さな葡萄が出来き、ワインに凝縮感が出るというメリットがあります。以前、カルフォルニアやフランスの産地を回った際に、このような仕立て方法を採用していたことをヒントにして、2003年から所有するすべての畑をこの仕立てに変更しました。生産量が減ってしまうのため、そのリスクとバランスが必要であると話しておりました。
セラーも見学させていただきましたが、セラー内はとても清潔に保たれ、管理されておりました。

最後に、見て下さい!この斜度!何度も強調したくなるような斜面です!
フランケンの畑がこんなにも斜度があると実際に畑に立つまであまりイメージが出来ませんでした。私自身、フランケン地方へ訪れたのは初めてで、今回畑を見させていただきました。実は、視察前からフランケンの辛口ワインは大好きでよく飲んでいました。特に和食や中華との相性が良かったので、そのような食事の際には合わせていました。まだまだフランケンは日本では広く認知されておりません。上記でご紹介させて頂いた2つの畑のワインは、残糖感が少なくキリっとした酸とミネラル要素を感じる味わいです。一杯目の白ワインとして、和食では、1本通して食事を楽しんでいただけるのではないでしょうか。
とても優しい雰囲気のブラウン親子。今回の訪問を大変歓迎してくださいました。訪問している間も、時折、「写真撮らせて下さい。」と私達を逆取材!?視察風景の動画をも撮られておりました。実は、これまで直売を主体に販売されておりヨーロッパ以外の輸出は日本が初めてだそうです。そうもあってか、記念に動画を撮られていたのですね!
今回のヴァルデマー ブラウン訪問で「見て、聞いて、感じた」ことをもっともっと皆様にお伝えしていきたいと思います。

営業2課 貞 厚志

2017年11月

- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

TOPへ戻る