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シャトー ラマルティーヌ 来日セミナー(醸造家バンジャマン ゲロー)

2017年12月弊社ショールームにて、フランスのカオールよりシャトー ラマルティ―ヌの醸造家バンジャマン ゲロー氏を迎え、ミニセミナーを開催いたしました。その内容をご紹介致します。

●カオールでいち早く生産者元詰めワインを始めたパイオニア
皆さん、こんにちは。私はバンジャマン ゲローと申します。私は2016年に父アランからシャトーを引き継ぎました。本日はシャトー ラマルティーヌのご説明をさせていただきます。
ラマルティーヌはカオールの中でも最も古い生産者の一つで、1883年に設立されました。19世紀後半に蔓延したフィロキセラによって畑が壊滅してしまいましたが、1920年に植え替えを行い、再建を行いました。その後、1953年には自社で元詰めを行い、ボトルでワインを売り始めました。カオールで当時1,000軒ほどあった生産者の中でも、元詰めをしていたのはわずか5軒から10軒ほどでした。
当時はボトル売りが珍しく、樽に詰めてレストランに売るのが主流でした。カオールがAOCに認定されたのが1971年ですから、それよりも20年も前に、いち早く元詰めを始めたパイオニア(先駆者)と言えます。1975年、私の父であるアラン ゲローが曽祖父からワイン造りを引き継ぎました。その当時、葡萄畑は10haでしたが、その後栽培面積を広げ、現在(2017年)は37haを所有するまでになりました。

●カオールの中でも西に位置:海洋性気候の影響を受ける恵まれた気候
カオールは、フランスの南西地方の産地で、ちょうどボルドーとトゥールーズの中間に位置しています。カオールは西から東に40km、蛇行するロット川沿いにワイン産地が広がっています。そのため、カオールといってもひとつではなく、多種多様な土壌、気候、テロワールがあります。シャトー ラマルティーヌは、カオールのアペラシオンの中で最も西に位置する「ソトゥラック」にあります。
この西の端にあるという立地条件は葡萄栽培において大変重要なポイントです。アペラシオンの東側は大陸性気候の影響を受けますが、ソテュラックのある西側は海洋性気候の影響を受けます。そのため収穫の時期には暖かく、葡萄が早く熟し、収穫は東のエリアよりも1週間ほど早くなります。葡萄が早く熟すというメリットは、ソトゥラックでは他よりも早く葡萄の収穫が出来るため、雨のリスクが少ないことです。こうした気候条件に支えられた安定性が、ラマルティーヌの特徴のひとつで、ワインにバランスとエレガンスがもたらされます。

●テロワール
:ロット川によって削られて生まれた、テラス状の畑

葡萄畑は合計で37ha、数百年かけてロット川によって削られ、浸食されて出来たテラス(段々畑)に広がっています。葡萄を栽培しているのは、2段目から上の3つのテラスです。(1段目は栽培に適さないため、葡萄は植えていない)。
それぞれのテラスは異なる土壌を持っています。ラマルティーヌでは個々の土壌の個性を生かしてワインを造っています。フルーティさを求めるプレスティージュ ド マルベック(FB-729)は主に2段目の畑からの葡萄、その他のキュヴェは主に3段目、4段目のテラスの葡萄を使用しています。


●畑:マルベックは間引きして葡萄の集約を高める
5月から7月にかけて、風通しを良くするための除葉の作業、そして、品質を上げるためにグリーンハーベストの作業を行います。マルベックは樹勢の強い品種のため、何もしないと1本に13房から15房を実らせます。1房当たりの葡萄の集約を高めるために、シャトー ラマルティーヌは1本につき8~9房、パルティキュリエールは6~7房、トップ キュヴェのエクスプレスィオンは5房に制限します。
栽培には化学肥料や除草剤は一切使用していません。畑の畝と畝の間には1列ごとに草を生やしています。そうすることで土中の根の競争を高め、収穫量をコントロールし、土中の水分量の調節を行っています。


●醸造:ブレンドのためのテイスティングに最も力を注ぐ
ラマルティーヌの実力の秘密はここにあります

発酵は温度コントロール装置のついたステンレスタンクで行います。プレスティージュ ド マルベック(FB-729)とシャトー ラマルティーヌ(FB-730)の熟成にはコンクリートタンクも使用します。コンクリートタンクで熟成させるメリットは、壁が厚いため、温度を一定に保つことが出来ることです。また微量の空気交換により、ワインは呼吸することが出来、ゆっくりと熟成します。キュヴェ パルティキュリエール(FB-731)は2013年まではバリックのみで熟成させていましたが、フードルも使用するようにしました。
セラーの仕事の中で最も重要と言えるのが、ブレンドのためのテイスティングです。たとえば、シャトー ラマルティーヌ(FB-730)の場合、別々に醸造した40種類以上のサンプルを試飲してブレンドを決めています。ある時、香水メーカーの調香師がセラーに訪れた際に、この話をしたところ「我々とほとんど同じような仕事をしているね」と言われました。
セラーには熟成用の樽が300樽あります。バリックは様々な樽メーカーのものを使用しています。樽にもワインと同じようにヴィンテージがあり、年によって出来が異なるので、複数のメーカーの樽を使うことは重要です。常に新しい樽メーカーを探していて、毎年1社から2社の新しい樽を試しています。


●テイスティング
カオール プレスティージュ デュ マルベック 2013(FB-729)
マルベック80%とメルロ20%のブレンド。二つの品種は一緒に仕込みをします(混醸)。フルーティでやわらかい味わいを目指しているため、ピジャージュはせず、ルモンタージュのみを行います。

シャトー ラマルティーヌ カオール 2012(FB-730)
マルベック90%とメルロ10%のブレンド。最初のキュヴェより集約のある味わいがあります。こちらも飲み頃です。

カオール キュヴェ パルティキュリエール 2011(FB-731)
マルベック90%、タナ10%のブレンド。1988年から造られているキュヴェ。パルティキュリエールは「特別」という意味です。タナの可能性を信じ、新しいスタイルのカオールを造りたいと思い、マルベックにタナをブレンドして造られました。2011年はカオールのグレートヴィンテージで、フランス現地ではもう手に入りません。

最後までご清聴ありがとうございました。

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