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継承してきたワイン造りが味の決め手。注目の日本初入荷シャブリ/ドメーヌ イヴォン エ ローラン ヴォコレ(営業1課 山田航)

フランス視察もついに最終日を迎えました。最終目的地は、ブルゴーニュ地方で最も北に位置する生産エリア"シャブリ"。弊社ではこれまで3つのドメーヌ(ジルベール ピク、ブノワ ドロワン、ドメーヌ コロンビエ)を長らく取り扱ってまいりました。しかし、近年の天候不順による不作の影響が続いており、今後シャブリが足らなくなるのでは?といった事態も想定し、新たな生産者を探しておりました。今や多くのシャブリが日本に輸入されておりますが、そんな中、なんと日本に初めて紹介する生産者を発掘しました!それが今回ご紹介する、イヴォン エ ローラン ヴォコレです。今回は、この2年間で収集できた彼らの情報をまとめた内容をお届けしたいと思います。

ヴォコレ家は、シャブリ村から北へ13kmの場所に位置する、マリニー村にてワイン造りを行なっています。その歴史は、1713 年まで遡ることとなります。古くから先祖代々葡萄栽培、そしてワイン造りをしてきた家系であり、現在のオーナー、イヴォン ヴォコレ氏(以下イヴォン)で5代目です。彼は18歳の時から父と一緒に働き始め、1979 年に、このドメーヌを引継ぎました。2009 年からは彼の息子ローランも参加することになり、現在父から子へとワイン造りを継承している最中でもあります。彼の写真をご覧になって分かるように、常に笑顔が絶えない明るい人柄です。そんな彼の明るい性格がワインにも表れているような気がします。
今回の訪問記では、過去2年で収集してきた、彼らのワイン造りに焦点をあてていきたいと思います。

●畑について
所有している区画は、プティ シャブリ、シャブリ、シャブリ プルミエ クリュ(フルショーム、ロム モール)に約 26ha です。プティ シャブリとシャブリは機械で収穫、樹齢の高い畑、プルミエ クリュの一部は手摘みで収穫します。葡萄の平均樹齢は 45 年、全体の 50%が樹齢 40 年以上のもの、全体の 20%が最も樹齢の高い 78 年です。栽培はリュットレゾネを採用。防カビ剤、除草剤は使用せず、畑を耕すことで草を取り除いています。そして収穫のポイントは、完熟を迎えることを待つこと。葡萄に完璧なアロマと熟度を求めることで、彼らの目指すスタイルのスタートラインに立てるのです。


●哲学とポイント
ヴォコレ家が代々受け継いできたワイン造りの哲学は、"できるだけ自然なままのワイン造り"であります。特徴的な点を2つ挙げると、先程示した収穫を待つことの他に、醸造後のボトリングの際、冷却処理をせずワインに酒石がを残すこと。なぜ酒石を取り除かないのか?という質問をしたところ、彼は驚いたように、「酒石だって葡萄が本来持ち合わせている体の一部。それを取り除くだなんて、自然に反してしまう!」と熱く語っていた姿は、とても意外な答えでもあり、納得させられる一面でした。そうした姿勢がワインの熟成にも現れるそうで、彼らのワイン、現地ではなんと1970年ヴィンテージが現存する(勿論非売品です)ほどのポテンシャルを持ち合わせているのです。


●流通、採用
そんな彼らのワイン、実は生産量の 98%以上が 国内市場で消費されており、輸出は僅かに2%のみ。国内では、有名星付きレストランでもオンリストされる実力があるなか、その2%の枠の極めて少ない量を分けていただいているのが現状です。
●ヴィンテージ情報
・2016年⇒驚きの品質。とても素晴らしく、長熟できる。
・2015年⇒熟していて複雑さもある。皆が賞賛する年。
・2014年⇒ストレートでピュアな味わい。クラシカルな年。


●プルミエ クリュ(1er cru)フルショームに隠れた?ロムモール
彼らよりが所有する区画の中に、あまり耳にしないプルミエ クリュ(1er cru)があります。それが「ロムモール」。この区画実はフルショームとしてクリマを名乗ることも出来る(隣接または近隣の主要な畑名を使用できる)為、ロムモールの名称を市場で見聞きすることが少なかったのかもしれません。ただ彼らの意図として、区画ごとの特徴を表す為に、フルショーム、ロムモールは別々に醸造を行っているのです。
それぞれの特徴も少量ですが、特徴を伺えましたのでお知らせいたします。

★フルショーム(Fourchaume)
【特徴】土壌はマールの上のキンメリジャンの粘土石灰質、白っぽい土の石灰岩マールの砂利質が主体。ヴォコレのフルショームは、果実感があり、程よい酸と、どこか温もりを感じるかの様なテイスト。
<弊社取扱いアイテム>
シャブリ プルミエ クリュ フルショーム 商品CD:FB982

★ロムモール(Homme Mort)
【特徴】フルショームの北側に隣接する南東向きの斜面の畑。土壌はマールの上のキンメリジャンの粘土石灰質、白やグレー、乾いたベージュの土で構成される石灰岩マールの砂利質。ロムモールは、青リンゴのようなアロマが漂う。しっかりとした酸を感じることが出来、フルショームよりも非常にミネラルを感じられる。
<弊社取扱いアイテム>
シャブリ プルミエ クリュ ロムモール 商品CD:FB983


●父に捧げたオマージュ シャブリ ヴィエイユ ヴィーニュ“1928” 商品CD:FB981

ワイン造りに情熱を注いだ、イヴォンの父、ローランの祖父に当たるモーリス ヴォコレ(1928年生まれ)に捧げたキュヴェ。葡萄の平均樹齢は60年。1938年、1939年、そして1961年に植えられた3つの異なる区画の葡萄を使用しています。土壌は粘土石灰質、ポートランディアンのバロワ石灰岩マール、赤みを帯びた茶色、そして赤の砂利質。ヴィエイユ ヴィーニュの畑の収穫は手摘みで行います。空気圧プレスで圧搾後、澱引きし、樽に移します。発酵、熟成ともに228Lのブルゴーニュ樽(ピエス)で行います。熟成期間は9か月。樽はセガン モロー社の他、シャブリ近郊のベイヌ(Beine)の樽メーカー、フロラン シエレ社(Florent Tschieret)のものを使用。ボトリングの前にそれぞれの樽をブレンドして再び樽に戻しますが、イヴォン曰く「ブレンドした後でもそれぞれの区画の個性は失われず、ワインの中にはっきりと感じることが出来る」と話してくれました。
現代では樽のニュアンスをメインに表現するシャブリが少なくなったという中で、非常に特徴的なキュヴェ。ボトルも通常の物とは違う、底上げボトルを採用するなど、どのキュヴェよりも特徴づけて仕上げた、こだわりの一本です。

今回ヴォコレ家のドメーヌ訪問は、私自身初めてでありました。弊社と取引が始まったばかりという事で、まだまだ心を開いてくれてなかったら・・・と少々緊張感を持っていましたが、そんな不安は一瞬で払拭されるくらいの笑顔で出迎えてくれ、私たちを歓迎してくれました。「遥々日本からここまでやってきたのだから、特別なワインを開けましょう。」と言って出てきたのが、なんと1989ヴィンテージのフルショーム。私自身の生まれ年という時点で驚きだったのですが、そのワインの色にも驚かされました。白ワインは熟成を経ると少し黄金がかった色合いになるのですが、薄黄金は入るものの鮮やかなグリーンカラーが残った輝かしいワインがありました。その土地で生まれたワインだからこそ、その土地で楽しむ意義もある、と語りながらグラスを交わした時には、なんだか少し感動する一面となりました。今更シャブリ?そう思われた方、是非ヴォコレのシャブリをお試し下さい!そこには、必ず良い出会いが待っています。

営業1課 山田 航

2018年10月

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