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4~5年かけて造り上げた、理想のヴェルディッキオ “ヴィニェディレオ”(経営企画室 前原森生)

2017年から日本へ輸入を始めた生産者があります。イタリア中部マルケ州でヴェルディッキオを造るヴィニェディレオです。兄のエマヌエレ パルパチェッリ(写真左)と弟のジャンフィリッポ パルパチェッリ(写真右)の兄弟を中心に、家族経営でワイン造りを行っています。日本で彼らのワインを飲んだ時から、その品質の高さに驚かされましたが、今年ワイナリーを初訪問し、そのワイン造りの秘密に迫ってきました。

<スタッフォロ村>
ヴィニェディレオはマルケ州スタッフォロ村にワイナリーを構えています。ヴェルディッキオ デイ カステッリ ディ イエージの名前の元になっているイエージの街よりもさらに山奥に進んだところにある村で、海からは約30km離れています。マルケの丘陵地を進んで行くとやっとワイナリーに到着しました。ワイナリーの周りの斜面にはヴェルディッキオの畑が広がっています。このエリアは昔からヴェルディッキオの栽培が行われてきた歴史的な場所で、ヴェルディッキオの栽培に適したとても良い土壌です。ワイナリーあるあたりの標高は約450m、スタッフォロ村の中で最も高い場所にあります。斜面の畑であるため、非常に風通しが良く、昼夜の気温差が大きいです。これらの要素は葡萄が完全な状態で熟すのにたいへん重要です。

<保水性の高い畑>
さっそくエマヌエレ氏に案内され畑へと向かいました。この日は天気が良かったこともあって、畑の日当たりの良さを体でひしひしと感じられ「この場所ならヴェルディッキオもしっかり完熟するだろう」と思ったのを覚えています。畑のそばの標高が高い場所にコンクリートタンク(写真上)がずらりと並んでおりましたが、これは暗渠(あんきょ)のための設備とのことです。7月、8月の夏場の水分不足が起こらないように、地下に管を通して水分が地中に供給されるようにしています。5年前にこの設備を整えたとのことで、「この水源はまさに我々の財産」と語るほどワイン造りに重要な要素となっています。

さらに、畑のところどころには井戸(写真中央)があり、カルシウム・塩分を含む地下水が流れています。このようにヴィニェディレオでは設備投資がしっかりとなされているおかげで、土壌の保水性がとても高く、畑の白い砂質土壌の土を少し掘るだけで水分を含んだ茶色の土(写真下)が見えます。例えば2017年ヴィンテージは「Very Very Hot」と話すほど、イタリア全土で夏が暑い年でしたが、ヴィニェディレオの畑は保水性が高いため大きな収穫減にならずに済みました。


<“品質重視”のワイン造り>
訪問中にエマヌエレ氏の印象深かった言葉として「ワインの品質の高さの80%はナイトハ―ヴェストによるものと考えている。」というものがありました。気温の低い夜間に収穫することでクリーンなモストを手に入れることができるからです。昼間に収穫すれば、モストは黒ずんでしまうとのこと。また、最も良いタイミングで収穫をするために機械摘みにしています。
そして、夜間に収穫した葡萄は、ドライアイスを使い温度を冷やして、腐敗や酸化が起こらないようにしています。プレスの工程も窒素を使って酸化を防ぐそうです。
ステンレス発酵タンクは中で3段に分かれている特注のものをつかっています。これは「畑にも人間と同じく個性がある」という考えのもと、畑ごと、区画ごとに細かくワインを仕込むためです。タンクの周囲にはウォータージャケットがついていて冷水が流れており、これによって温度調節を行っています。
加えて、ワインのブレンド作業も重要な過程だと考えています。そのため、ブレンドとテイスティングの作業は毎回パルパチェッリ兄弟だけで行っています。「4~5年間、2人で試行錯誤を続けた結果として、理想のヴェルディッキオの味わいを見つけることができました。」とエマヌエレ氏は語ります。


<熟成用セラー>
写真の茶色の扉がある建物は熟成用のセラー、テイスティングルーム兼販売所、そしてボトリング設備がある建物です。15年前に丘の斜面を削って造られたもの。

この半地下状態のセラーはたいへん天井が高く、何もしなくても自然に18度に気温が保たれています。また湿度もあるため、ワインの熟成に理想的な環境です。
白ワインのフロッコ(I-797)や赤ワインの熟成にはフレンチオーク樽を使っています。ベルトミューをはじめ様々な樽メーカーのものを使用いて、樽は毎年買い足しているとのこと。特にメーカーを決めているわけではなく、良いと判断した樽を仕入れているそうです。

セラーの奥へと進んでいくと、壁がむき出しの岩盤なっているところがありました。もともと丘の斜面だったところを削ったので、畑の土壌を直に見ることができるのです。特徴的なのは、砂と粘土の層が交互になっていること。縦に壁を触ってみるとひんやりと冷たく、水分が含まれていることがわかる。横に筋が入っているベージュの部分が砂、縦に「川」の字のように入り込んでいるのが粘土、その間の茶色の部分が砂質の土壌です。砂質だけでなく粘土質が入り込んでいることで保水性が高まっています。実際に壁を触ってみるとひんやりと冷たく、水分が含まれていることがわかりました。


<おすすめワイン>
・ヴェルディッキオ デイ カステッリ ディ イエージ クラッシコ(品番:I-796)
自慢のスタンダード!4~5年間かけて追及した「理想のヴェルディッキオの味わい」!



・フロッコ ヴェルディッキオ カステッリ イエージ クラッシコ スペリオーレ(品番:I-797)
樽をごく一部に使用した、熟成が可能なヴェルディッキオ!
酸とアルコールがどちらも高いので、長く熟成ができるそうです。普通はアルコールが高くなれば、酸は落ちるとのこと。しかし、どちらも高いということは「土壌の特徴が表れているから」とエマヌエレ氏は話していました。一般的に早飲みのワインとされるヴェルディッキオの可能性を引き出したワインです。

・スプマンテ ブリュット ヴェルディッキオ(品番:I798)
珍しいヴェルディッキオ100%のスプマンテ。シャルマ式で、6ヶ月熟成します。スパークリングワインに使う葡萄は高い酸が必要なため、通常よりも15日から20日ほど早く収穫するそうです。


スタッフォロ村の立地の良さ、砂と粘土の特徴的な土壌、近代的な醸造設備、夜間に収穫することへのこだわり。そうした全ての要素が「理想のヴェルディッキオの味わい」のためにつながっているのだと感じました。そして下の写真に見て取れるように、営業の方々を含めたヴィニェディレオにかかわる方々が、一つのチームになって働いていることが良くわかりました。今回、人を含めた「テロワール」を感じ取れた、とても良い生産者訪問となりました。

経営企画室 前原 森生

ヴィニェディレオのワイン一覧

2018年11月

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