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銘醸地ザールでエレガントなワインを手掛けるドクター ワグナー。弊社が38年間輸入を続けているその理由は、確かな品質と造り手の魅力にあります。(本社ショールーム 藤野 晃治)

本社ショールームの藤野です。今回は、3月に訪問したドクター ワグナーの魅力をお伝えいたします。

ドイツの相変わらずの寒さに震えながら向かったのは、ザールブルク駅すぐ近くにあるドクター ワグナーのワイナリーでした。弊社がドクター ワグナーのワインの輸入を始めたのは、1980年のこと。2009年にワイナリーを引き継いだクリスティアーネは1983年生まれとのことですので、彼女が生まれて間もない頃からのお付き合いになります。

ワイナリーのあるザールブルクは、その名の通りザール川周辺地域に位置する村です。現在のワイン法上はモーゼルとひとまとめにされていますが、実際にはモーゼルとザールとでは気候条件が異なり、「モーゼル渓谷と比較すると、ザール渓谷はより狭く、若干涼しい気候です」とクリスティアーネも私たちに教えてくれました。

もう一つ、ザールの特徴として、土壌が挙げられます。ザールはどこを掘っても粘板岩(シーファー)土壌で、出来上がるワインは細身で、ミネラル分があり塩味を感じさせます。一方、モーゼルは赤色粘板岩や青色粘板岩、石灰や砂岩などがミックスされた土壌で、傾斜や川の蛇行による多様性が特徴的です。この土壌の特殊性が、ザールワインをザールワインたらしめているのです。

さて、ワグナー家にお邪魔し、まずは2017年のヴィンテージ情報についてお聞きしました。
「春までは、良い年になるだろうと皆が楽観的に考えていました。しかし、霜が降りてきたのです。ここまではよくある話ですが、霜害が年に3、4回もあるというのは初めてのことでした。2017年は葡萄の生育が早く、すでに5~10cm芽が出ていたため、その芽が凍り付いてしまいました。こうなってしまうと、夏がどれだけよくても復活することはありません。しかし、霜の害により自然に間引きが行われ、集約感のある葡萄が出来ていました。夏は問題はなかったのですが、収穫期の湿度が高く、葡萄に腐敗が発生してしまい、霜害と腐敗の2つの被害で、結果的には収穫量が40%減と厳しい年となりました。選別をするなどの手作業が通常と比較にならないくらい大変な年で、収穫量こそ減りましたが、同時に高品質な葡萄が収穫できた年となりました。収穫は今までに経験したことのないほど早いスタートでしたが、葡萄の実が少なかったため収穫期間は短く、10月の下旬頃には終えることが出来ました」
クリスティアーネの言葉通り、2017年のワインは非常に素晴らしい出来でした。難しい年にこそ、生産者の想いや力量が感じられるな、と改めて考えさせられます。


ちなみに、「ファインシュメッカー2015」ではザールワインの特集で、クリスティアーネが見開きで紹介されています。その他の評価を見ていくと、「ファインシュメッカー2014」で4星、「ゴーミヨドイツワインガイド2017」で3房、「ヒュー ジョンソン ポケット ワイン ブック2017」で、ザールのおすすめ生産者として掲載されるなど、父・ハインツから受け継いだクリスティアーネも、世界的に優れた造り手として認められていることが分かります。

さて、ドクター ワグナーは、V.D.P.(ドイツ プレディカーツワイン生産者協会:現在ドイツの約200軒のエリート生産者が会員。100年以上の歴史を持つ団体)に加盟しており、V.D.P.が認定するグローセ ラーゲ(ブルゴーニュのグラン クリュのような格付け)畑を所有しています。ザールブルガー ラウシュとオクフェナー ボクシュタインについて、その違いをお伺いしました。

「ラウシュは、通常はボクシュタインよりエレガントなワインとなります。直線的で、酸は弱め。舌先に塩味を感じるのが特徴です。一方ボクシュタインは、粘板岩土壌という点は同じですが、粒子が細かく粉になった土壌の比率が高く、より広がりや幅のある味わいとなり、花の香りがあり、酸が豊富になるために甘口に仕上げています」

オクフェナー ボクシュタイン カビネット(品番:KA421)
しっかりとしたミネラル感と、複雑味が感じられ、素晴らしい畑からのワインであることが良く分かります。酸は豊富ですが鋭すぎず、甘さは穏やかで、食事と一緒にお楽しみいただきたいワインです。

ザールブルガー ラウシュ ヨーゼフ ハインリッヒ シュペートレーゼ ファインヘルプ(品番:KA422)
1880年にワイナリーを立ち上げた初代当主の名を冠した特別なワインです。
「シュペートレーゼとしては残糖が少なく、口に含むとフルーティでフルな要素を感じられるワイン。だから甘口といってもそれほど甘くは感じないはずです。ヨセフ ハインリッヒは元々のワイナリー名であり、創始者である曾祖父の名前でもあります。父の代からドクター ワグナーと名乗り始めました。ヨセフ ハインリッヒ名のワインは、プロイセン王国御用達でした」

ドイツの生産者は、併設のワインショップ(ヴィノテーク)を持っているところも多いですが、ドクターワグナーのヴィノテークでは、ファインヘルプがよく売れているそうです。ファインヘルプとは中辛口・半辛口のワインを指す言葉で、日本ではあまり馴染みはありませんが、かすかな甘みでほど良く辛口過ぎないため、するすると飲むことが出来、夏場にしっかり冷やして楽しむのにピッタリです。また、食事との相性も良く、あまり気にせずに様々な料理と合わせて好みのマリアージュを探すのにも役立ちます。


(写真は収穫用のトラクター。すごい大きさです。クリスティアーネには2歳半の息子さんがいるため、2017年の大変な収穫期には「お母さんについていく」と言って大変だったそう。ちなみに、このトラクターには特別に子供席が設けられており、クリスティアーネいわく「世界に一台のトラクター」とのことです。)

食事との相性についても、クリスティアーネに教えていただきました。
「QbAファインヘルプやカビネットは、ゴルゴンゾーラのパスタ、ザワークラウトなどととても相性が良いのでお勧めです。またQbAトロッケンには、焼き鮭のリースリング・クリームソース。タリアテッレやブロッコリーも一緒に食べると美味しいですよ。味付けは、酸のあるリースリングと生クリームに、塩・胡椒のみのシンプルなもの。もちろん、飲むワインと同じものを使うとさらに相性が良くなります」
ゴルゴンゾーラのパスタや、焼き鮭のリースリング・クリームソースは日本の家庭でもつくれそうですね。私も一度挑戦してみたいと思います!

今回の視察訪問で「2017年は霜害などで生産量が大幅に減った」とほとんどの生産者から聞いたお話でしたが、ドクター ワグナーもそのひとつです。やはりワインは農作物であり、非常にシビアな世界だと改めて実感できました。しかし品質は素晴らしく、ドクター ワグナーらしい軽やかさとフレッシュさがしっかりと表現されており、集約し過ぎずこれまでの味わいを保っているように感じました。

世代交代しても、木樽熟成(新樽ではない)により丸みを出すことでエレガントに仕上げています。クラシックなザールリースリングのスタイルを守り続け、さらに品質の向上を目指すドクター ワグナー。弊社のドイツワインの原点でありながらも、いまだに進化し続けているその姿には、ドイツワインの明るい未来が見えるようです。飲みやすく、飲み疲れしないドクター ワグナーのワインを、ぜひお楽しみください!

<ドクター ワグナーのおすすめワイン>
ドクター ワグナー リースリング クーベーアー ファインヘルプ(品番:KA470)
銘醸畑の葡萄をブレンドし、飲みやすく仕上げた一本。お料理との相性も幅広く、気軽に楽しめるスタイルです。

オクフェナー ボクシュタイン シュペートレーゼ(品番:K631)
「ボクシュタイン=鹿の岩」という名前のVDPグローセ ラーゲ。地層が深く、成分が凝縮し、複雑味が備わっています。ワインガイドでの評価も高く、素晴らしい酸と甘みのバランスが楽しめます。

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本社ショールーム 藤野 晃治

2018年11月

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