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稲葉のイタリアワイン輸入の歴史と歩んできたバローネ コルナッキア。近年目覚ましい品質向上の原動力を知った訪問でした。(営業1課 藤田進也)

弊社がイタリアワインの輸入を始めた1991年当初よりお付き合いがあり、現在も弊社イタリアワインの主軸の一つとして、人気の高いバローネ コルナッキア(以下、コルナッキア)。今年の4月、アブルッツォ州にある彼らのカンティーナに訪問いたしました。

イタリア半島の中部に位置するアブルッツォは、東にはイタリア半島縦断するアペニン山脈、西にはアドリア海が広がるという、山と海に挟まれた州です。州の地勢の約7割は山岳地帯で、その次が丘陵地帯と続き、平野地帯はほとんどありません。そのため、葡萄畑のほとんども山岳・丘陵地帯にあり、標高2,912mの山“グラン サッソ“から吹き降ろされる強い風の影響を受けています。

コルナッキアの畑&カンティーナは、アブルッツォの中でも北部にあるテーラモ県にあり、所有する畑98haは全て、DOCGコッリーネ テラマーネに位置しているという素晴らしい環境にあります。ただ、コルナッキアはその98ha全てで葡萄を育てている訳ではなく、その中でも斜面や向き等を考慮した上で、葡萄を育てるのに最適な48haのみで葡萄栽培を行っています(その他はオリーブや豆類を栽培)。見学した畑からもグラン サッソを始めとするアペニン山脈を眺めることができ、そこから終始吹く風はとても強く、訪問日は快晴でしたが体感温度は非常に冷たく感じられました。

畑では有機栽培を実践しています。除草剤や殺虫剤等は使用せず、病害対策としてオーガニックで認められている銅と硫黄のみを適宜使用しています。ユーロリーフやICEA等の認証も取得していますが、認証を受ける遥か以前から有機栽培をしており、その姿勢は昔から変わっていません。
ご覧の通り畑には自然のままに草も生やしており、これにより土の水はけが良くなり、更に生物多様性の観点からもとても重要な役割を果たしています。畑の畝の先端にはバラが植えられており、仮に畑に病害が起こった場合には、病害に最も弱いバラが一早く知らせてくれるのですが、この地域は常に強い風が吹いていており夏でも暑くなり過ぎず、雨が降ってもすぐに乾燥するため、その病害が起こることもほとんどありません。

現在、コルナッキア家はピエロ コルナッキアから彼の子供たちのカテリーナとフィリッポ コルナッキア姉弟が引き継ぎ、カンティーナ経営やワイン造りを担っています。
彼らの会話の端々からは「自分たちが生まれ育った土地へのリスペクト」が感じられ、畑でフィリッポが「虫や動物が共存するオアシスのようなエコロジカルな自然環境を守っていきたい。(鳥のさえずりが聞こえたので)今聞こえている小鳥の声は私たちが小さい頃から変わらず聞いている。こうした環境を守っていきたい。」と話していたことはとても印象的でした。


畑への配慮は細部まで行き届いており、例えば若い葡萄樹を支える支柱でさえも自然の素材を使いたいと考えているため、何とわざわざタイ産の竹を取り寄せて使用しています。この拘りには大変驚きました。


カンティーナを受け継いだコルナッキア姉弟は、父親が培ってきた伝統と環境に配慮しつつ、更なる品質向上を目指して様々な改革を進めています。もちろん、その改革はコルナッキア姉弟独自で決めるのではなく、常に父親ピエロや、コンサルタントであるゴッフレード アゴスティーニ(写真左)の意見を取り入れながら行っています。それによりコルナッキアらしさをしっかり残しつつ、バランスよく品質が向上しているのでしょう。
改革は畑での作業やセラー内での作業、熟成の樽など、多岐に渡っています。その変化は徐々に表れており、最近のヴィンテージのコルナッキアのワインを飲んだことがある方は、恐らくお気づきではないでしょうか。
個人的にはスタンダードクラスのモンテプルチャーノ ダブルッツォ(品番:I035)が以前よりタンニンが丸く、口当たりがより滑らかになっており、特に品質が上がっていると感じています。


その一躍を担っているのが、写真にある発酵用の水平式ロータリーファンメーターでしょう。従来の縦型のものだと、発酵途中に浮かび上がってきた果帽とモストが触れる面積が少なく、ルモンタージュ(※)を行う必要がありましたが、このロータリーファンメーターだと発酵槽内のパドルが回転し、常に果帽がモストに漬け込まれた状態になり、ワインに柔らかさを与えます。
※ルモンタージュ … 発酵中に、発酵槽の下からポンプで液体を吸い上げて、上からかける作業。果帽とモストを混ぜ、発酵を促し、均一化させることが目的。

熟成用の木樽への拘りも並々ならぬものがあります。樽はキュヴェごとに使い分けしており、例えばモンテプルチャーノ ダブルッツォ ヴィーニャ レ コステ(品番:I-059)に使用する木樽はピエモンテのメーカーによる手作りの大樽です。樽材がとても厚く、昔ながらの製法で火を使って樽材を曲げて作っているそうです。とても手間暇がかかる樽であるため決して安くはありませんが、この樽はタンニンを和らげる効果があるそうで、好んで使用しています。


また、コルナッキア姉弟の改革が一番視覚的に分かるのがボトルデザインの変更でしょう。スタンダードクラスからほとんどのワインでデザインが新しくなります。コルナッキアらしいデザインを残しつつ、新しいイメージを作ることはとても大変だったそうですが、最終的に父親ピエロも納得し、新しいデザインに決まりました。日本市場でも随時変更していきますので、ご注意くださいませ。
今回の訪問ではピエロにもお会いすることができました。ピエロは、カテリーナとフィリッポがこの土地の伝統、環境をしっかりと守りながら、改革を行っていることをとても誇らしく語っていました。また、弊社の訪問をとても喜んでおり、以前ピエロが来日したときのエピソード等を懐かしそうに話していました。ピエロの来日は2001年のことで、もう17年も前です。もちろん、その当時私は入社していませんので、改めてコルナッキアと弊社のお付き合いの長さを実感しました。
見学後には、ランチもご馳走になりました。ピエロの奥様が中心となって用意くれた料理はどれも美味しく、ついつい二回、三回とお代わりをしてしまいました。テーラモ県は山間部にありますので料理は魚ではなく、お肉を使ったパイや卵を使った料理が多く、それがまたコルナッキアの赤ワインとベストマリア―ジュでした。
食事の場はとてもアットホームで、自分の実家や親戚の家に来たような雰囲気で、とても居心地が良かったです。食事にはアゴスティーニも同席していましたが、ただのコンサルタントと生産者の関係ではなく、まるで友達や親戚のような感じで「チーム コルナッキア」の仲の良さ、チームワークの良さが伝わってきました。このチームワークが今日の彼らの目覚ましい品質向上の原動力と言えます。

今回、私自身は初めてコルナッキアの畑やカンティーナを訪問しましたが、訪問前に想像していた以上に環境に配慮しており、それでいて全く無理がなく、とても自然に寄り添っています。こうした素晴らしい環境で育つ葡萄から生まれるワインは、コルナッキア姉弟やコンサルタントのアゴスティーニの工夫によって、洗練されたワインに仕上がっていますが、それでも全体の雰囲気は伝統的なスタイルでとてもナチュラルです。
ぜひ肩を張らず、背伸びをせず、普段の食卓や何気ない日常のお供に楽しんでいただきたい。コルナッキアのワインはそんな気持ちにさせてくれます。


<バローネ コルナッキアのおすすめワイン>
モンテプルチャーノ ダブルッツォ(品番:I-035)
コルナッキアの代名詞的ワイン。お馴染みの「黄色ラベル」ですが、カラーは残しつつ、新デザインに切り替わりました。ボトルの形や記載は若干変わりましたが、一目で「コルナッキアのモンテプルチャーノ」と分かる良いデザインですね。当社の現行ヴィンテージは2014年で、これはあえて通常よりも寝かせて出荷しています。それにより、ブルーベリーやカシスの黒系果実のしっかりとした味わいはありながら、一層タンニンは丸く、口当たりはとても滑らか。この価格が信じられないクオリティがあります。

モンテプルチャーノ ダブルッツォ コッリーネ テラマーネ ヴィッツァッロ(品番:I-497)
コルナッキアのトップキュヴェ。キュヴェ名はコルナッキア姉弟の祖父「バローネ フィリッポ ヴィッツァッロ コルナッキア」より命名しています。前述通り、コルナッキアの畑は全てこの「コッリーネ テラマーネ」DOCGですが、実際にDOCGワインとしてリリースするのはこの一種類のみ。コッリーネ テラマーネのDOCG昇格の立役者であるコルナッキアの自信の程が窺える渾身の一本です。

その他、コルナッキアのワイン一覧はこちら>>>
コルナッキアの生産者ページはこちら>>>

営業1課 藤田 進也

2018年7月

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