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ルカ マローニ「グイダ デイ ヴィニ イタリアーニ」にて年間最優秀生産者賞を8度も獲得。常に進化を続けるファルネーゼの秘訣に迫ってきました(営業1課 藤田進也)

前回のブログで紹介いたしましたバローネ コルナッキアに続き、今年の4月に同じアブルッツォに拠点を置く、ファルネーゼのカンティーナを訪問しました。

タイトルに記載した通り、ファルネーゼは“辛口ワイン誌”と言われるルカ マローニの「グイダ デイ ヴィニ イタリアーニ」にて年間最優秀生産者賞に過去8度も輝いている生産者。約2,500軒の生産者の中から選ばれる賞ですので、一度獲得するだけでも大変栄誉なことですが、それを8度も獲得しているというのは驚きです。将棋で例えると羽生竜王ですね。

前回のブログでもご紹介しましたが、アブルッツォは昼夜の寒暖差が激しく、すばらしい品質の葡萄が育つエリアです。
更にファルネーゼでは、契約栽培農家とは「葡萄の重さ単位」ではなく「畑の面積単位」で契約しており、収量は少なくても品質の高い葡萄を購入しています。栽培農家とは5年単位で契約しており、各農家とは常に連絡を取り合って、適宜指導しています。ファルネーゼのワインの品質の高さは、第一にこの葡萄への強い拘りがあるという訳です。

収穫後の葡萄はすぐにファルネーゼのカンティーナに運ばれます。こちらのカンティーナは元々農協の施設でしたが、ファルネーゼが買収し、リノベーションして使用しています。ファルネーゼグループは現在、6州(アブルッツォ、シチリア、カンパーニャ、プーリア、バジリカータ、トスカーナ)でワイン造りを行っていますが、アブルッツォ以外の州でもこのように農協の施設を買収したり、間借りしてワイン造りを行っています。これは合理的なファルネーゼらしい手法で、自社で一からカンティーナを建てるよりも初期投資を遥かに抑えることができます。ファルネーゼに対して派手なイメージをお持ちの方もいらっしゃると思いますが(実際に私がそうでした)、いざカンティーナを訪問してみると、気付かずに一度通り過ぎてしまうくらい外観はとても地味。ただ、中に入ると最新の設備やファルネーゼオリジナルの機材がずらりと並んでおり、尚且つとても綺麗に管理されているため、外観と内部のギャップがとても激しいのが印象的です。ワインの品質には直結しないカンティーナ外観にはお金を掛けず、品質向上のために必要な畑や設備には惜しまず投資するという姿勢は、ファルネーゼの品質の高さの要因の一つと言えます。

さて、そのカンティーナ内に進んでいきましょう。
最初に見学した白ワイン醸造用の室内には、大型のステンレスタンクが所狭しと並んでいます。ファルネーゼが造る白ワインは葡萄が持つアロマを最大限に引き出し、フレッシュでフルーティな味わいを目指しているため、基本的に木樽は用いず、ステンレスタンクにて低温(12℃)に保ちながら発酵します。更に発酵後はすぐにワインと澱を分け、クリーンでエレガントなワインになるよう心掛けています。
ファルネーゼが造るトレッビアーノ ダブルッツォ(品番:I-057)は低価格ながら、この価格が信じられないくらい香りが豊かでフルーティな味わいがあり、飲む度に驚かされていますが、それは品質の高い葡萄を使い、尚且つ低温で長い時間をかけてゆっくり醸造するからこそ生まれる味わいだそうです。トレッビアーノは元々それほどアロマティックな品種ではないそうですが、それでもここまで香り、味わいを引き出しているのは“流石”の一言です。


また、彼らの代表的な葡萄品種であるモンテプルチャーノ ダブルッツォ(以下、モンテプルチャーノ)への拘りにも驚かされました。実はモンテプルチャーノは非常に豊かなタンニンを持つ品種であるため、通常の醸造法だとタンニンがワインの個性として強く表れるそうです(特に種子にタンニン分が多い)。ファルネーゼではこの豊かなタンニンが、理想とするワインのスタイルに対してやや強いと考えているため、何とモンテプルチャーノは発酵が始まった2日目に一度、専用フィルターに通して種のみを取り除くという作業を行います。これによりタンニンが強く出ることは無くなり、ファルネーゼが理想とするエレガントで口当たりの良いワインが生まれます。もちろん、ファルネーゼではモンテプルチャーノから数種類のワインを生産しているため、一つの工程が加わるだけでも大変な手間になりますが、自分たちの理想のワインのために妥協を許さない姿勢に感動しました。


醸造設備を見学した後には、地下にある貯蔵用の部屋へ移動。地下は外観からは想像できない程広く、約350の樽が余裕を持って保管されていました。部屋内は低温に保たれ、湿度はミストで管理されており、78%にキープされていました。ワイナリーの樽貯蔵庫というと「狭くて・暗くて・カビが生えている」というところが少なくありませんが、しっかりと空調管理もされているためカビ等は一切なく、清潔。部屋内はワインと木樽の香りしかありません。広く快適な空間で、ワインが伸び伸びと熟成している印象を受けました。


また、木樽を積んでいるラックには車輪がついており、これにより簡単に樽を回すことができます。定期的に樽を回転させることによりバトナージュ(熟成中のワインの滓を撹拌する作業)効果を得ることができます。通常ですと樽のフタ部分から専用の棒(バトン)を入れて掻き回す作業であるため、一つ一つをバトナージュすると結構な手間になりますが、これならば時間を一気に短縮できます。更に、樽のフタを開ける必要がないため、必要以上にワインを空気に触れさせることも避けられます。ここでも思わず“流石“の一言が出てしまいました。


今回の訪問の試飲時には、ファルネーゼグループのスーパーバイザーであるデニス ヴェルディッキアがワインの説明を担当してくれました。デニスは元々、バジリカータにあるファルネーゼグループの「ヴィニエティ デル ヴルトゥーレ」の醸造責任者として活躍していましたが、現在はファルネーゼグループ全体の醸造チームで、トップであるフィリッポ バッカラーロに次ぐスーパーバイザーとして、各ワイナリーの指導に当たっています。
私個人としましては2014年にヴィニエティ デル ヴルトゥーレに訪問した以来4年振りの再会。以前は好青年といった印象でしたが、今回お会いした姿は「グループのまとめ役」としての貫録が感じられました。年下の私が言うのも失礼な話ですが…。
今回は、主に最新ヴィンテージである2017年を中心に試飲。「2017年は非常に暑い年で葡萄がとても凝縮した。赤・白ともに素晴らしいヴィンテージ。特に赤ワインは最も素晴らしいヴィンテージの一つになった」とデニスが語っていました。昨年入荷したノヴェッロ(新酒)で2017年のポテンシャルの高さは感じていましたが、その通りで、赤・白ともに素晴らしい味わいでした。日本へはこれから随時入荷して参りますのでご期待ください!
ファルネーゼには「Do Better!」という社訓があるそうです。これは「今の品質に満足することなく、毎年品質を向上させる」という意味が込められており、ファルネーゼのスタッフはその言葉通り、常に今以上の品質を求めてワインを造っています。
今回のブログでご紹介したエピソードは、ファルネーゼの改革はほんの一部に過ぎません。現状に満足することないファルネーゼのスタッフたちは、常に細部まで目を配り、常に改革を続けており、それがファルネーゼの毎年の品質向上につながっています。「ファルネーゼのワインをしばらく飲んでいない」という方がいらっしゃったら、スタンダードクラスで結構ですのでぜひお試しください。きっとその品質の高さ、進化に驚かれると思います。
また、新しい発想による新しいワインもどんどん生まれてきています。アイテム数は豊富ですが、そのどれも個性的ですので、新商品もぜひチェックしてみてください。
常に進化し続けるファルネーゼのワインはますます目が離せません!

<ファルネーゼのおすすめワイン>
ファンティーニ コレクション ヴィーノ ビアンコ(品番:I812)
2016年がファーストヴィンテージ。ファルネーゼでは珍しく4種類の葡萄品種(トラミナー、ソーヴィニヨン ブラン、ペコリーノ、ココッチオーラ)のブレンド。「アペラシオンの規定にとらわれず、偉大なワインを造る」というコンセプトに基づいて造られており、ラベルにはファルネーゼ創業メンバーの一人であり、醸造チームのトップであるフィリッポ バッカラーロのサインが入っています。
とてもアロマティックで、ワインを注いだ瞬間に柑橘類、ハーブの香りが広がります。これからの季節にピッタリな白ワイン。同シリーズの赤ワイン「ファンティーニ コレクション ヴィーノ ロッソ(品番:I811)」もおすすめです。

エディツィオーネ コレクション(品番:I813)
ファルネーゼのフラッグシップワイン「エディツィオーネ(I318)」の特別版。エディツィオーネ自体が特別なワインですが、このコレクションは、ベストな畑の中から更にベストをセレクトしたという「Best of the Best」。驚きの凝縮感があり、正に「フルーツ爆弾」。この味わいを体感したら二度と忘れません。良年のみの生産となりますので、見つけたらすぐに手に入れることをおすすめします。

ファルネーゼの生産者ページはこちら>>>

営業1課 藤田 進也

2018年10月

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