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不動のメンバーに、移動式ボトリングマシン。これぞエステザルグ葡萄栽培者組合の「ポリシー」 。(営業1課 飯沼 洋一郎)

波乱の連続であったワールドカップも振り返ってみるとフランスの優勝で幕を閉じました。フランス国内は最高潮の盛り上がりを見せていたのを日本にいる私たちにも伝わってきましたね。さて非常にホットな話にはなりますが、少し前である5月にフランス生産者訪問へ行ってまいりました。その中から「エステザルグ栽培者組合」をご紹介いたします。

<エステザルグ葡萄栽培者組合について>
エステザルグは、リラックから南西に約10㎞に位置する協同組合です。「組合」というとかなりの大所帯を想像されると思いますが、実はエステザルグは僅か10軒のメンバーだけで成り立っています。ワインメーカーのデニス デシャン氏を中心とする、少数精鋭の栽培者組合です。
当社では、その組合員の一つである「ドメーヌ ダンデゾン」も取り扱いがあります。この2つの生産者のワインは、コート デュ ローヌの生産者の中でも、とりわけコストパフォーマンスが抜群で、大変人気があります。

<最新のヴィンテージ>
最新のヴィンテージに関するクオリティをデシャン氏からお聞きしてきました。
デシャン氏曰く、「2017年ヴィンテージは非常にストレンジ!」なぜなら、2017年の年間降雨量は、なんと例年の平均の半分以下。極端に少なかったようですが、肝心の品質は「とても素晴らしいものができた。」とのことです。2016年と比較すると「リッチ感は控えめだが、集約感が高く、よりエレガント。酸はしっかりとある。南仏において、葡萄の持つ自然の酸度のレベルが十分に高いというのは非常に大切で、酸があることでワインのバランスが保たれる。」と話してくれました。


2018年は対照的によく雨が降っているとのことで、葡萄への品質も期待できる天候です。訪問前日から天気は雨模様でした。コート デュ ローヌの葡萄畑一面照らす太陽によって葡萄がすくすくと育っている、そんな様子を思い描いていましたが…。


<ローヌの生産者の中でも成功できた理由>
他にもデシャン氏から、エステザルグが成功できている秘訣=「ポリシー」を直接聞くことができました。それはずばり、「スモールビジネス」です。
エステザルグは少数精鋭のポリシーを貫き、発足以降は畑も組合員も増やしておりません。彼らの成功を見た栽培者たちが、毎年のように加入を希望するものの方針は変わらずにお断りをしている状況であるとのことです。(所有畑500haは「農協・組合」の中では規模が小さい方)。また、葡萄の栽培方法は、どのメンバーも同じ方法を取っており、醸造に関しても酵母、醸造方法、ノンフィルター、ノンファイニング、SO2の添加量(少量をボトリングの前だけに使用)もすべて一緒です。ここまで統一されている組織というのは、例えば2017ヴィンテージのように収穫量が不安な年でも、組織力で耐えることができ、次の年に向けて新しいことができるでしょう。それが彼らの強みであると感じました。


<新セラーを建設!>
写真の建物は現在のエステザルグのセラーですが、まもなくこちらの場所からはお引越しとなります。現在新しいセラーを建設しており2019年の春に竣工予定です。当然敷地面積も広くなりますから結果として組合全体の生産量は現在より30%増加します。また、それだけでなくレセプションセンターやショップ等の施設もできるそうですので、わくわくしますね。楽しみです。


<移動式ボトリングマシン>
訪問した日はボトリング作業日でした。エステザルグではボトリング設備を持たず、その作業を移動式ボトラーマシンで対応しています。常に最新設備を備えたこの大型トラックでその対応をすることが何よりもエステザルグの特長でしょう。自社でボトリングラインを持つとなると、専門のスタッフや、機械のメンテナンスなどイニシャルコストだけでなくランニングコストもかかり、トータルで考えるとこの移動式ボトリングマシンを利用した方が効率的かつ合理的のようです。「ワインの質を第一に考えるからこそ選択した方法。」とデシャン氏は語りますが、やはりこういったところにコート デュ ローヌで成功している生産者組合の理由があると納得できました。
全て自社で行うことが、必ずしもワインの品質には直結しない。この部分の取捨選択というものが、彼らが広い視点でワイン造りと経営を行っているポイントです。また、先程お伝えした新セラーには、移動式ボトラーも屋内に収納できる規模になるとのことです。訪問時のような雨天でも、しっかりと作業ができるように改善されます。そして、セラーが広くなるにも関わらずスタッフを増やす予定はありません。
ここまで振り返ると、彼らのワインがとてもコストパフォーマンスに優れているのは徹底的なコスト管理へのこだわりにあることがわかりました。
2017年の収穫量の激減を「ストレンジな年」と言い表したデシャン氏の口調は意外にも明るく、みんなを和ます表情とあいまって、彼にはとても余裕が感じられます。品質に大変満足しているからこそであり、テイスティングさせて頂いた各ワインの味わいでなおのこと納得させられました。今回の訪問で感じた、エステザルグ栽培者組合としてのこだわりはまさに圧巻でした。
皆様、是非コストパフォーマンスに優れたエステザルグ、ドメーヌダンデゾンのワインをお楽しみ下さい。
<おすすめワイン>
コトー デュ ポン デュ ガール キュヴェ デ ガレ(品番:FB-291)
組合の5人の生産者からの葡萄をブレンドしており、テジエ村にある50haの畑からの葡萄を使用しています。1987年に法律が変わり、A.O.C.ローヌは石か岩の土壌しか認可されなくなったため、粘土質土壌で興味深いワインを造る畑なのですが、A.O.C.の認可が下りなくなり、I.G.P.となりました。85hl/haの認可ですが、60hl/haまで収穫量を抑えています。
ラベルは地元の小学生が「ワイン風景」をテーマに描いた絵を採用しおり、籠を背負って、収穫した葡萄を赤いトラックに乗せている様子が描かれています。イチゴの香りにジューシィさがあって酸も十分にあり、舌触りが心地よいです。コストパフォーマンスがよく成熟させても楽しみなワインです。

コート デュ ローヌ ルージュ ル プティ アンデゾン(品番:FB-992)
マロラクティック発酵の後、澱引きを行い、ステンレスタンクで約6ヶ月熟成させています。ノンフィルターで瓶詰します。ドメーヌ ダンデゾンのワインと同様に、牛をデザインしたラベルを使用しています。シラーとグルナッシュのブレンドで、ダンデゾンからのシラーを2/3使用しています。牛ラベル3兄弟の末っ子です。リアルワインガイド56号にて旨安大賞も獲得。完熟した果実味と柔らかいタンニン。とても生き生きとしたフレッシュさがあります。

ドメーヌ ダンデゾン
コート デュ ローヌ ヴィエイユ ヴィーニュ(品番:F-471) 
このキュヴェは、南のエステザルク村と少し北に位置するヴァリギエール村の葡萄が使用されています。通常は6ヶ月タンク熟成させます。しっかりと熟しており、タンニンは丸く柔らかい印象。シラーの特徴的なアロマ、長い余韻が感じられます。すでに開いており飲み頃ですので今からでも存分に楽しめるワインです。

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営業1課 飯沼 洋一郎

2018年10月

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