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まさかあそこを登るとは!?プルミエ クリュの昇格を間近に控えるプイイ フュイッセの中でも目が離せない注目生産者ジャック&ナタリー ソメーズ(営業4課 大前展弘)

プルミエ クリュの昇格を間近に控えるプイイ フュイッセ、そして実は注目のサン ヴェランを手掛けるジャック&ナタリー ソメーズのご紹介です。

写真の左が父ジャック(1961年生まれ)、右が息子アントニー(1989年生まれ)。ジャックは英語が話せませんが、それがビュルル兄弟のようにナチュラルなフランス人といった印象です。なぜそんなことを書くかと言えば、ここにたどり着くまでがとても険しかったことも影響して、ヴェルジッソンはボルドーやブルゴーニュ、シャトーヌフ デュ パプとは違い、フランスの著名な産地のようで実は訪れる観光客やインポーター、ジャーナリストが少ないのではないかと感じられたからです。

アントニーは、地元ダヴァイエの醸造学校で学び、南アフリカで研修を終えた後、2012年にドメーヌに戻ってワイン造りに参加。フランスの醸造学校では自国での勉強の他、ニューワールドの研修が組み込まれていることが多く、アントニーを含め、多くのドメーヌの若い世代はここで新しい技術と英語を学びます。

<畑について>
畑仕事は7人で行っています。(ジャック、ナタリー、アントニー、妹、従業員、季節労働者)
所有面積は全体で13ha、内訳はプイイ フュイッセ5ha、サン ヴェラン5ha、マコン3haです。畑についてはやはり、これを語らずにはいられません。この地に来れば誰もが目にする鋭く切り立った岩山“ロシュ ド ヴェルジッソン”。ドメーヌに向かう際も、これがうわさのロシュ ド ヴェルジッソンかと写真をパシャパシャと撮り、ドメーヌの玄関からも一望できるまさにこの場所のシンボルですが、まさかその岩山の上に畑があるとは思いもよりませんでした。

写真はプイイ フュイッセ シュール ラ ロシュの畑です。ロシュ ド ヴェルジッソンの上にある畑で、遠くに見えるロシュ ド ソリュトレと同じ高さにあります。
粘土石灰岩土壌で地表20cm下は石灰岩の岩盤です。だから「シュール ラ ロシュ(岩盤の上)」。標高は250mでプイィ フュイッセのアペラシオンの中で一番標高が高いとのこと。他の畑とも100mの差があります。2億5000万年前はこの一帯はカリブ海のような熱帯の海だったようで、そのためサンゴや貝殻の化石が大量にあるそうです。


実際にその場所に立つと見渡す景色に圧倒されるばかりでしたが、遮るものがないので、風が強い日など、葡萄の樹が折れないか心配になりました。実際、時々枝が折れてしまうようです。また、土壌は粘土石灰質と言いましたが、赤い粘土質土壌に大き目の石灰岩がごろごろと混ざっている印象です。サン ヴェラン アン クレッシュの畑はもう少し畑全体が白っぽかったり、プルミエ クリュに昇格予定のプイイ フュイッセ レ マレショードは、シュール ラ ロシュに似ていますが、石灰岩が細かかったりと、粘土石灰岩土壌と言っても、実際には多岐にわたるのだと改めて感じました。


<プイイ フュイッセとサン ヴェランの違い>
ここでプイイ フュイッセとサン ヴェランの違いについて、私が感じた印象をお話しさせていただきます。価格差があるためかプイイ フュイッセの方が上という認識を持っていましたが、実際に現地を訪れてみるとそれぞれの畑は非常に近い位置にあり、アペラシオンごとに明確な優劣があるとは感じませんでした。あるのは畑の違い(標高、土壌、斜面の向き)によるキャラクターの違い。例えば、サン ヴェランであっても、“レ クラ”のように骨格がしっかりと感じられる味わいもあれば、“ポンセティ”のように柔らかいシャルドネの理想形のような味わいがあり、これはプイイ フュイッセでも同様です。プイイ フュイッセ、サン ヴェランというアペラシオンで特徴を括るのではなく、畑で捉えることが重要だと感じました。


<醸造について>
ソメーズの特徴は、区画ごとに分けてワインを造ることです。ジャックの父レオンの時代は、区画を分けることはせず、一つのアペラシオンに集約していましたが、ジャックの時代になってから、区画ごとに分けて醸造を行うようになりました。畑の向き、樹齢で味わいが大きく変わることが理由です。(区画の特徴を畑の模型図を見せながら丁寧に説明してくれたした)また、父レオンの時代はバルク売りの比率も多かったですが、ジャックが引き継いでからは95%が元詰めです。5%のみ昔ながらの付き合いでネゴシアンに卸しています。


そして、もう一つの大きな特徴が、樽発酵、樽熟成(若い樹齢のものは一部ステンレスタンクを使用します)。樽は228Lの伝統的なブルゴーニュ樽と400Lの樽を使用します。ソメーズのワインは、このエリアの他の生産者を圧倒するスケールの大きな味わいを感じさせてくれますが、その一つが樽発酵、樽熟によるものだと思います。
上写真には、樽に小さく「MARECHAUDE 2/5」と書かれていますが、これは、プイイ フュイッセ レ マレショードが5樽のうちの2つ目という意味です。ソメーズのワインはどの銘柄も非常に生産量が限られています。
<大前のおすすめワイン>
プイイ フュイッセ シュール ラ ロシュ 2014(品番:FB-969)
やはり、この地を代表するロシュ ド ヴェルジッソンの頂上で造られるワインは、一度お試しいただきたいと思います。飲食店の方であればお客様、愛好家の方であればご友人に、ロシュ ド ヴェルジッソンの画像を見せしながら、原始時代はこの岩山に動物を追いこんで崖から落とす猟があったんだよとウンチクを語りながらこのワインを飲むと興味を持っていただけるのではないでしょうか。

サン ヴェラン ラ ヴィエイユ ヴィーニュ デ クレッシュ 2014(FB-968)
私のイチオシがこちらのワイン。サン ヴェランのイメージが覆ること間違いなしです。一般にイメージするサン ヴェランとは思えない骨格のしっかりとしたつくりで、ボーヌのワインにも引けをとりません。ハチミツのニュアンスが感じられ、このエリアの特徴はしっかりと感じることができます。上記のシュール ラ ロシュも同様ですが、2014年は近年最高の年と言われています。そのためかまだ固く、樽発酵、樽熟成のため少し苦みを感じるかもしれません。その際、ワインを開かせ、苦みを取り除く簡単な方法があります。ワインを注ぐ際に少し高い場所からまっすぐにワインを落とす。できれば泡立つように勢いよく。是非、お試しいただきたいと思います。

最後に、ソメーズの区画違いを飲み比べながら、ミネラルしっかりで硬質的なシャルドネと華やかで女性的なシャルドネの位置づけについてお伝えします。ブルゴーニュが、骨格がはっきりするほど高額になっていく影響で、同じようにすべてのシャルドネにそれを当てはめてしまいがちですが、実際にはそこに上下はなく、どちらも魅力的ということをソメーズでは感じさせてくれました。そこでふと湧いてきたのが、ドイツワイン。フランスで考えるのではなく、モーゼルのリースリングの特徴の違いに当てはめると、このマコンのエリアのワインが理解しやすいのではないでしょうか。エルデナーは固く引き締まった印象があるが、ピースポーターは華やかで柔らかい。しかし、どちらが良いというものではない。このエリアのワインもその感覚で捉えるべきだと思いました。
プイイ フュイッセ、サン ヴェランをはじめとするマコンのワイン。
非常に深く、面白い産地ですので、是非この機会にお試しいただけましたら幸いです。

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営業4課 大前展弘

2018年9月

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