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テッレ デル バローロ 来日セミナー①

2019年2月、イタリアのピエモンテ州より、テッレ デル バローロの醸造家のダニエーレ ポンツォ氏を招き、テイスティングセミナーを開催致しました。セミナーでは、テッレ デル バローロのワイン造りの哲学を6種類のワインを交えて詳しく紹介いただきました。テッレ デル バローロ創設の歴史から、畑・醸造へのこだわりまで、語って頂きました。ダニエーレ ポンツォ氏のワイン造りに対する情熱を、皆様にもお伝え出来れば幸いです。

はじめに
皆様こんにちは。ダニエーレ ポンツォと申します。私はバローロからほど近いアルタランガ生まれで、生粋のピエモンテ人です。アルタランガの土地で、5世代続く家系に生まれました。ワイン造りには幼いころから参加しており、両親に連れられて、葡萄畑の収穫作業を手伝ったことが私の最も古い記憶です。私は2001年にトリノ大学の醸造学部を卒業したあと、ガヤやカ ヴィオラで修業し、2003年からテッレ デル バローロで働いています。

テッレ デル バローロの歴史
1958年12月8日、生産者組合カンティーナ テッレ デル バローロは、創設者のアルナルド リヴェラのもとに集まった22軒の葡萄栽培農家によって設立されました。彼らの拠点はカスティリオーネ ファレットです。
1958年当時、葡萄農家たちは葡萄の売り先に困っていました。戦後のイタリアの経済状況は非常に良くなかったのです。彼らは自分たちが育てた葡萄を、ネゴシアンなどの大手に安く買われていました。
そうした中、アルナルド リヴェラは、ただ自分たちの葡萄を売るのではなく、その葡萄を使ってワインまで作り上げる協同組合を設立することを考えたのです。彼は、戦中にはナチスドイツと戦う兵士であり、そして戦後になると教師、そしてカスティリオーネ ファレットの市長を務めました。地域の人々のことを考えるリーダーシップをもつ人物でした。

アルナルド リヴェラは参加する組合員にテッレ デル バローロの株券を買うことを義務付けました。つまり、アルナルド リヴェラ自身が一人のトップ経営者であるのではなく、生産者ひとりひとりが株主であることを、自らルールとして決めたのです。この仕組みは、2019年現在でも守られている、テッレ デル バローロの大切な決まりの一つです。

1959年には、初めての収穫を行いました。そして、同年にはカンティーナの建設が始まり、組合員の数は300軒以上にまで増えました。これはアルナルド リヴェラの信念のもとに多くの葡萄栽培農家が集まり、賛同したということを意味しています。彼らのカンティーナを建てる土地は、教区と栽培農家の人々の出資により購入されました。

現在では、300軒の栽培農家がメンバーであります。そして、約600haの畑を所有しており、バローロを生産する11の村、全てに畑を持っています。この「11の村、全てに畑を持っている」という事実は、バローロエリアの生産者でテッレ デル バローロが唯一で、私たちの強みです。熟成庫は2,200平方キロメートルという規模があります。栽培農家以外の、テッレ デル バローロで働く従業員の数は39名であり、平均年齢は39歳という若いメンバーを中心に働いています。


バローロのエリア
バローロの場所を確認しましょう。イタリアの北西、ピエモンテ州にあり、州の中では南東に位置します。
バローロのワインを生産できるのは、次の限られた11の村のみです。①ヴェルドゥーノ、②ロッディ、③グリンザーネ カヴール、④ディアーノ ダルバ、⑤セッラルンガ ダルバ、⑥モンフォルテ ダルバ、⑦ノヴェッロ、⑧バローロ、⑨カスティリオーネ ファレット、⑩ラ モッラ、⑪ケラスコ。
繰り返しになりますが、これら11の村のすべてに畑を持つのはテッレ デル バローロのみです。これは例えば、他の生産者はバローロのワインを作るときに、2つか3つの村のブレンドしかできないところを、テッレ デル バローロは11の村からワインに使う葡萄を選ぶことができるという強みにつながっています。


バローロの土壌
バローロのエリアは約3,000万年前、現在のピエモンテがある土地はパダーノ湾と呼ばれる海の中にありました。そのため、現在でも畑から貝殻が見つかります。
それから、海だった場所は地殻変動により陸地になり、バローロの地域には主に3つの異なる土壌区分が表れるようになりました。


大切なことは、同じ品種を使っていても「土壌が異なれば、味わいが異なる」ということです。皆様もご存知の通り、バローロを造る上で認められているのはネッビオーロという葡萄ただ一種類のみです。そして同じネッビオーロでも畑の場所が異なれば、異なる味わいが現れ、偉大な畑からは偉大なワインが産み出されます。

土壌の分布図を見ればわかるように、バローロのエリアは西と東で、地層年代が若い土壌と古い土壌に分かれています。

古い土壌:黄色や黄土色のエリアには「レクイオ層(約1,200万年前)」や「ディアーノ ダルバ砂岩(約900万年前)」の古い土壌が分布しています。セッラルンガ ダルバ、モンフォルテ ダルバ、カスティリオーネ ファレット、バローロなどの村がこの土壌にあたります。この古い土壌からは、フローラルや甘いスパイスなニュアンスがあり、骨格がしっかりとしていて、長期熟成に向くバローロが産み出されます。

若い土壌:青色や緑色のエリアには「サンタガタ フォッシーリ泥灰土(約700万年前)」という比較的若い土壌が分布しています。ノヴェッロ、ラ モッラ、ヴェルドゥーノなどの村がこの土壌にあたります。この若い土壌からは、とても若々しく、フレッシュでエレガントさを持ち合わせている、親しみやすいバローロが産み出されます。

北西のエリアはサンタガタ フォッシーリ土壌に似ていますが、時代区分がより若いメッシニアーノ期です(約600万年前)。この土壌はタナロ川に近いので、よりミネラルがある土壌です。例えば、ヴェルドゥーノのネッビオーロからもミネラルを感じられます。

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