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伝統と革新を追い求める若き造り手! マイアーラー (営業1課 阿部 恭大)

【ワイングートについて】
1767年に設立されました。周辺のワイナリーの歴史としても中堅の立ち位置であり、ケステン村にて家族経営でワイン造りを営んでいます。現在は、8代目としてマティアス マイアーラーさん(写真右)がケラーマイスターを務めています。マティアスさんが私たちをワイナリーに迎えてくださった際に、初めての訪問にもかかわらず当社のことをご存じのようでした。なぜかと伺うと、それもそのはず!マティアスさんは当社とも長年の取引がある、フリッツハークで10年も修行を積んできたと教えてくれました。現在もフリッツハークで学んだ経験を醸造やワイナリー運営に活かしているとも仰っていました。
ワイナリーを先代のクラウス マイアーラーさんから受け継いで6年目とまだまだ成長段階ですが、様々なことに挑戦してより良いワイナリーを目指して日々奮闘しています。先代の時には90%がバルクでの販売をしていましたが、自社ブランドとして確立していきたいという思いから、現在は100%自家でボトリングして販売をしています。

<畑について>
ケステナーパウリンスベルグ、ケステナーパウリンスホフベルグ、ケステナーヘレンベルグ、オーザナー ローゼンベルクの4つの畑を所有しています。計6.8haで、急斜面の為、手摘みの収穫が多いモーゼルですが、滅多にない機械摘みをマイアーラーでは採用しています。写真にある、ワイナリー近くの区画は13年前(2006年)に新しい葡萄に植え替えたところで、畝と畝の間隔が広く2m50cmあいていて、鉄のポールとワイヤーで仕切られています。昔に仕立てられた古い畑は、畝の間隔がせまいため、斜面に対して横に進みながら作業しなければいけませんが、こちらの畑はそれとは違い、縦に作業できるように仕立てているため、機械での収穫が可能です。土の掘り返しは斜面の上からトラクターで耕運機を引き上げて草を刈り取り、土を耕していくことが可能です。
ケステンの畑は、周辺のモーゼルの著名な村と比べると価格が安く、ケステン村の人口は350人程度と少ないため、一人あたりの畑の割合が高いので、良い畑をコストパフォーマンス高く買うことが出来ます。このような要因からマイアーラーのハイコストパフォーマンスなワインが実現できています。

ワイナリーから少し離れた場所にある畑です。ピースポート村とブラウネベルク村の間に位置しており、アルテ レーベンに使うベストな区画もこの場所にあります。斜度80~85%の険しい急斜面です。


畑の肥料として葡萄のしぼりかすを撒いています。


<ワイナリー、セラー>
現在はワイナリー周辺でワイン造りを辞めてしまったところを買い足して、規模を徐々に広げています。醸造に使用しているセラーは1767年に建てられたもので、今後も大切に使い続けていきたいと考えているそうです。発酵は、1000Lのフーダー(樽)とステンレスタンクで行っており、ワインのスタイルによってどちらを使用するかを決めています。フレッシュでキリっとしたスタイルには、ステンレスタンク、丸みを持たせたい場合はフーダーを使用するとの事でした。また、セラー内の壁を見回すと一面にカビが生えていました。普通の生活をしている方からしたら壁一面のカビは汚く感じてしまうかもしれませんが、その理由を聞くと、このカビが生えている状況がセラーの温度や湿度が適温だと示しているとの事でした。
ワインを知っている方では当たり前かもしれませんが、恥ずかしながら私自身はこれほどのカビが生えた環境は経験したことがありませんでした。実際にこのような環境でワインが造られていて、それがワインに最適だということを知れたのは非常に良い経験になったと感じています。
<通常よりもかなり長いアルコール発酵を行っている>
彼らはとても斬新なSO2フリーのワインやオレンジワインなどの醸造にも挑戦していますが、全ワインに共通していることは、酵母は天然酵母のみを使用しているということです。発酵は、冬で8℃、通常15~20℃で行っています。長くゆっくりと発酵させるため、収穫の翌年の4月か5月頃までかかります。これは通常の生産者より、3~4か月長い発酵期間です。長期間の発酵を行うことで、長期熟成に向いたワインになります。決して一般的な方法ではありませんが、マイアーラーのワインのスタイルに大きな特徴付けとなっている所以の一つと言えるでしょう。
ヴィンテージによる差は当然ありますが、“モーゼルらしさ”を保つため、糖度、アルコール度数は、ランクに応じて毎年なるべく同じレベルにキープしているとの事でした。(カビネットは8%、シュペートレーゼは7.5%、アウスレーゼは7%を目安としています。)
ワイナリーに戻り、テイスティングをさせていただきましたが、モーゼル川の見えるとても素晴らしいロケーションのお部屋でした。

マイアーラーのおすすめワインをご紹介いたします。
是非この機会にお試しいただけると嬉しいです!

○ケステナー リースリング クーベーアー トロッケン(品番:KA-582)
パウリンスベルグとヘレンベルグ、2か所の畑の葡萄を使っています。畑の土壌は灰色粘板岩と青色粘板岩です。触るとすぐに崩れる細かく砕かれた粘板岩土壌です。このワインは軽やかでフレッシュなスタイルにしたいので貴腐菌が一切ついていない葡萄を使用しています。生き生きとした酸が非常にフレッシュ、軽やかな味わいを持っています。

○ケステナー リースリング カビネット(品番:KA-587)
伝統的なクラシカルなモーゼルのスタイルのカビネットです。マティアスは糖度が高く、酸もあり、それが絶妙なバランスを保っているカビネットについて「世界のワインの中でもこのようなワインは非常にユニークだ」と語っています。ビネットは一部、貴腐菌のついた葡萄を使い(10%以下)、糖度と酸のバランスを保つようにしています。甘さを感じつつも、決して甘すぎない、素晴らしい透明感を持ったリースリングのカビネットの魅力にあふれています。

○ケステナー パウリンスベルク シュペートレーゼ(品番:KA-588)
パウリンスベルクの樹齢約40年の葡萄を使っています。このワインには、パウリンスベルクの中でもポテンシャルの高い優れた区画の葡萄を使っています。収穫の前の9月から10月にかけて、異なる区画の葡萄を分析し、味、香り、品質をチェックします。収穫の際は、畑にバケツを2つ持っていき、選別しながら摘み取りを行っています。貴腐菌のついた葡萄はシュペートレーゼ用、貴腐菌がついていない葡萄は辛口用により分けます。非常にきれいな酸が全体を支えています。非常に洗練された味わいのシュペートレーゼです

今回の訪問を通してマイアーラーは、伝統を大切にしつつも革新的なワイン造りに取り組んでいる、とてもエネルギッシュな造り手さんだと感じました。「モーゼルの伝統はとても大切で、カビネットやシュペートレーゼなど、他のエリアでは絶対に真似できない独自のワインを造っている。しかし、リースリングの持つ機能性も追求していきたいし、それこそがとても楽しいんだ」と彼は語ってくれました。彼の探求心は、今後のさらなる成長とモーゼルを担う造り手としての可能性を感じさせてくれました。

既にトップクラスの品質のワインを造っているマイアーラーですが、今後の更なる躍進を私たちと一緒に皆様も感じて頂きたいと思っております。是非、一度彼らが丹精込めて造ったワインをお試しください!!

営業1課 阿部 恭大

2019年8月

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