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ファインでフルーティなワインを得意とするハイコストパフィーマンスな造り手 ‟ミューレンホフ”(営業1課 阿部 恭大)

今回のドイツ視察で最後にご紹介させていただく生産者はミューレンホフです!

畑はエルデナー プレラート、エルデナー トレプヒェン、ヴェレナー ゾンネンウーアなどに所有しています。収穫はすべて手摘みで行っています。所有している畑は非常に有名な銘醸畑ですが、その中でとてもコストパフォーマンスの高いワインを造っています。ワインの生産比率としては、辛口と半辛口で60%、甘口で40%です。伝統的にズースレゼルヴは使用せず、発酵を途中で止めて甘みを残しています。今でこそ、モーゼルの一流の生産者の間では一般的になっているこの方法も、実はミューレンホフが初めて試みた方法です。

<2018年ヴィンテージについて>
2018年についてはドイツでも非常に良いと仰られる造り手が多かったのが印象的でした。ミューレンホフにおいても同様で、ユステンさんが詳細を述べてくださいました。

2018年は大変バランスが良く、飲んでみると酸は感じられますが、酸度の値としては高くありません。とても良いアロマがあり調和していて、ヴィンテージによっては数年経たないと難しいワインもありますが、このヴィンテージは早いうちから楽しむことが出来るワインに仕上がっています。
年の初めの1、2、3月は雨や雪が多く、3月、4月は平均以下の降雨量だった為、非常に乾燥していて畑の保水量は非常に少なかったです。芽吹きはかなり早く、4月2週目でした。開花も通常(6/15~20)よりも早く開花しました。その後も暖かい日が続き、短い期間で全て開花することが出来た為、葡萄の生育にも大変良い状態となりました。7月、8月は非常に暑く、雨も降らずに乾燥したため、病害もなく、ゆっくりと成熟していきました。2018年の夏は30℃を超える日が長く続き、記録的な暑い年となりました。暑かった年で言うと、2003年のフランスがあげられますが、この時は日中も、夜も暑かったため、酸が低くなってしまいました。しかし2018年は、夜は20℃近くまで下がり、昼夜の寒暖差があった為、酸はしっかり残ったスタイルで作ることが出来ました。

<2018年の収穫について>
収穫についても通常より早く行い、9月24日にはリースリングの収穫を始めました。9月から収穫を始めるのは非常に珍しいです。収穫の第一段階として、事前の選別を行いました。これは、早く熟したものや悪いものを早急に摘み取り、葡萄が熟し過ぎないようにしました。第二段階として、10月の初旬にほとんどの畑の葡萄を収穫しました。なぜ全ての葡萄を収穫しなかったかというと、収穫以降も雨が降るという予報がなかったからです。そして、三段階目で全ての葡萄を収穫しました。
この収穫を三段階に分けたことによって、24日から25日と3週間強もの時間をとることが出来ました。ベーレンアウスレーゼやトロッケンベーレンアウスレーゼ用に収穫をせずに残しておいた葡萄は、ボトリティスが付かず、乾燥してレーズン状になっていました。これは非常に稀な年です。

<土壌について>
ユステンさんに、このエリアの土壌について詳細を語っていただきました。

「我々はここでは特別な状況下にあります。左側のエルデナー プレラートと右側のエルデナー トレップヒェンの間。エルデナー プレラートの岩壁を見ると、赤い色が見うけられます。
この赤い部分には、特別なミネラル成分、つまり鉄分の含有量が多いということなのです。
粘版岩は4億年くらい前の土壌ですが、約3億年前はペルム紀でした。このころ、活発化した火山活動により、プレラートの向こうで火山による大量な土砂が発生しました。それはワイン畑にまで到達し、数百万年にわたりその火山による様々な成分は洗い流されて、プレラートとトレップヒェンの畑の中に入り混じった。さらに氷河期により土壌は長年にわたり大きく削られ移動していきました。そして残された土壌には、濃縮された豊富なミネラルを含む土が残り、それがエルデナー プレラートとエルデナー トレップヒェンの部分に凝縮して残っているのです。この岩壁にあるエルデナー プレラートの畑には、この凝縮された特別な火山岩由来のミネラル分を含んだ土壌が見られ、さらに、ここだけが持つ特殊な微少気候が伴って、リースリングに特別な好条件を与えています。
一方、エルデナー トレップヒェンは、プレラートに隣接する部分はほぼ同様の条件を持っていますが、プレラートから離れるにつれて、その特色は薄まっていき、よりモーゼル典型のデボン紀の灰色(石英も含む)と青色シーファー(粘版岩)土壌の特徴を持ち、それはヴェレナー ゾンネンウアやグラッヒャー ヒンメルライヒなどと類似しています。この岩壁が見える、うしろのエルデナー トレップヒェンの部分は、この畑の中でもとても良い区画で、クリマ的にも好条件がそろっています。なぜなら、この斜面は全体が一定の角度を持った南向きの急斜面だからです。この条件は真ん中くらいまで続いていますが、平面的に安定した畑は、中間部分からわずかに波を打ち始めて、そのため、部分的により西や東に傾いたり、より朝日や夕日の光の強弱になったり、よりこう配率が高かったり低かったりと僅かな違いが生まれてきます。そして、それがブドウの品質に大きくかかわってくるのです。つまり、トレップヒェンの畑でも、プレラートに隣接している部分は、ほぼプレラート同様の品質のブドウと特徴を持ち、離れるにしたがって、ブドウの品質やその特徴は大きく違ったものとなります。」


「さらにトレップヒェンの先になると、斜面はより平面的な畑となり、次に続くレスニッヒャー フォルスターライの畑の斜面は、南向きの急斜面で、畑面も一面的になっていますが、土壌はここでは全くのブルーシーファー(青色粘版岩)となります。」


Meulenhof Riesling QbA Trocken (商品CD:KA433)
収穫した葡萄は天然酵母を使用し、温度コントロールされたステンレスタンクで10週間(2.5ヶ月)、ゆっくりと発酵させます。リースリングに特徴的なミネラルやリンゴのアロマ、洗練された酸のしっかりとした骨格があり、リンゴやハーブを思わせる豊かなフレイバーがあります。

Erdenar Treppchen Spätlese Trocken (商品CD:KA416)
エルデナー トレプヒェンの畑は、土の粒が大きいので、日差し以上に土が温まります。はっきりとした旨みが感じられます。とても印象的な辛口です。ボリューム感があり、ジャンルを超えた辛口の白ワインとして素晴らしく、ドイツの辛口のレベルの高さを知っていただくのに、最適なワインと言えます。
Wehlener Sonnenuhr Spätlese  (商品CD:KA423)
ゾンネンウーアとは日時計という意味です。鮮烈なトロピカルフルーツを思わせる香り、実にきめ細やかな味わいがあり、今飲んでも、5~6年先に飲んでも楽しめるワインです。

ユステンさんにお会いした際には一見大柄で少し怖く感じましたが、寡黙ながらも話してくださる情報の一つ一つにはワインへの情熱を感じました。彼のワインは、彼が多くは語らない魅力の部分を補うように、多くのことを私たちにかたりかけてくれるパッションを感じられる非常に良い品質となっています。銘醸畑から造られる、彼だからこそ出来るハイコストパフォーマンスのワインを是非この機会にお試しくださいませ!!

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営業1課 阿部 恭大

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