ワインブログ ―wine blog―

細部にまでこだわる繊細なワイン造りが、毎年安定した品質を生む “ピオーナ家”(業務部 西尾 宗洋)

今回は今年のイタリア現地視察でワイナリー訪問をしたピオーナ家を、最新情報を交えてご紹介いたします。
弊社と20年以上の取引が続くピオーナ家。現在は3つのワイナリー(カヴァルキーナ、ラ プレンディーナ、トッレ ドルティ)を所有しています。イタリア国内向けの販売量のうち、実に約80%が地元の3つ街ヴェローナとマントヴァ、ブレシアで売られており、地元でも絶大な人気を誇る生産者です。現オーナーであり、ワイン造りを行うルチアーノさんが私たちを迎えてくれました。

ワイナリーへは5年ぶりの訪問ということで、まず初めに近況についてお伺いしました。すると「畑に大きな変化がある」とルチアーノさん。写真は上ワイナリー周辺に所有するクストーツァの畑です。左写真は2014年訪問時、右が今春訪問時の畑の写真です。クストーツァの畑には、3年前からカバークロップ(マメ科の植物)を畝の間に一列おき植えるようにしたとのことで、畑の景色も以前とはずいぶん変わっていました。「ヴァルポリチェッラに所有する畑は当初からカバークロップを植えており、これをクストーツァの畑にも取り入れた。とても効果が出ている。」とルチアーノさんは言います。

もう一つは、畝の土壌を掘り返す作業を行うようにしました。目的は次の通りです。

① 土壌に保水性を高める 
土を掘り返し、やわらかくすることで土壌の保水性が高まる効果があり、春の時期に土壌の保水性を高めることが重要で、そうすることで、夏に乾燥した日々が続いても、葡萄が水分不足に耐えられる状況にしてあげています。

② 葡萄が養分を吸収できるようにする
土を掘り返すと同時に横に伸びている葡萄樹の根をカットして根が下に伸びるように促しています。葡萄の根が地中深くまで伸び、様々な養分を吸収し葡萄に複雑さが出ます。

「カバークロップや土壌を掘り返すことは、とても時間がかかる作業です。クストーツァでこれを行っているのは私だけじゃないかな。」とルチアーノさんは語ります。

さらに、オーガニック認証取得に向けて取り組みも行っています。目指しているのは「SQNPI」という環境に配慮した認証で、畑だけでなく太陽光発電やリサイクル等、ワイナリーとしてサステイナブルな生産を行っているということを表すものです。

<2018年ヴィンテージの作柄>
「2月は冬なのに暖かく、3月はその逆で春を迎えるどころか、寒くなり初旬に雪が降りました。すでにアーモンドの花が咲いている時でした。このために樹の成長は2週間も遅れました。4月から5月は雨が多く天候は安定しない日が続きました。それまでは不安でしたが、5月から8月までは葡萄の生育に適した理想的な天候が続きました。非常にバランスの取れたヴィンテージで、良い酸(酒石酸というよりはリンゴ酸)と適度な糖度で、フレッシュで良い風味を感じさせますが、ストラクチャもある、丸いワインです。」
2017年は収穫量が30%減でしたが、2018年は10%増となり、ルチアーノさんも「質・量ともにとても素晴らしいです。」と笑みを浮かべていました。2017年が大きな収穫量減だったことからも2018年の結果に大変満足していることが伺えました。



次は、セラーの内部を見ていきましょう。

こちらは、白ワインを発酵、もしくはワインを保存するコンクリートタンクです。ここは1946年にルチアーノさんの祖父が建設したセラーです。「これまで何度か設備を刷新しながら、今でも大切に使っていますよ。」とルチアーノさん。


こちらは、樽の熟成庫です。発酵を終えたワインは、まずバリックで熟成させ、タンニンが丸くなったと感じたら大樽へ移し替えます。樽の使い方でもルチアーノさんの繊細な気配りがありました。


2年前に購入したボトリング設備です。マロラクティック発酵を行う赤ワインのみボトリング前に、非常に細かい目のフィルターを通しバクテリアや酵母などを取り除きます。ボトリング後、瓶内で残った酵母による再発行を防ぐためです。ボトルを水とSO2でしっかりと洗浄してから、ワインを酸化させないよう、窒素を充填して酸素と接しない状態にしてボトリングを行います。
これ以外でも、除梗機やプレス機といった設備からワインを運ぶ際、内側に冷却水が流れる、さらに窒素で満たされた管に通し葡萄やマストの酸化を防いでいます。
葡萄や果汁を酸化させないよう、細部にまでルチアーノさん気配りがあり、こうしたワイン造りが、安定した品質につながっているだと感じました。
<おすすめワインはこちら>
アメデオ クストーツァ スペリオーレ (商品CD:I200)
ガンベロ ロッソにおいて13年連続で最高評価トレ ビッキエーリを獲得しているワイン。
心地よい酸、リッチな果実味にしっかりとした旨味があり、食事と共にゆっくり楽しみたいです。

パローニ ガルダ リースリング(商品CD:I830) 
ピオーナ家が密かに造るリースリング。香りが広がり、酸の伸びもよく、フレッシュながら芯がある味わい。イタリアにもこんなにお買い得なで美味しいリースリングがあるんだと思わせてくれるワインです。

バルドリーノ スペリオーレ サンタ ルチア (商品CD:I400)
エレガントでしっかりとした旨みとしなやかなタンニンで。2017年ヴィンテージから、それまでよりも発酵期間を長くしました。さらにボトリングするタイミングも2ヶ月ほど遅らせ、ワインが落ち着き、よりエレガントな仕上がりになっています。

ロッソ プロヴィンシア ディ ヴェローナ(商品CD:I596)
凝縮された果実味、口当たりはやわらかくなめらかさもあります。少し甘さがりますが、べたつくような甘さでなく、親しみやすさがありとてもコストパフォーマンスの高いワインです。

ピオーナ家ワインは、ヴィンテージが変わっても品質のバラつきがなく、その安定感には絶大な信頼よせておりました。しかしながら、いつも美味しく安定した品質のワインを造り続けることは、そう簡単ではありません。畑のアプローチ、樽の使い方、そして葡萄の酸化を防ぐ様々な設備など細部に気を配るルチアーノさんのワイン造りへのこだわりが、継続して安定した品質を生み出しているのだと納得されられると共に、ルチアーノさんのプロフェッショナルな姿を感じさせてくれる訪問でした。ワインはどれも本当にレベルが高く、価格以上に納得できるパフォーマンスを感じていただけるピオーナ家のワインを是非お楽しみください。

<ルチアーノ ピオーナが手掛けるワインナリー>
カヴァルキーナ
トッレ ドルティ
ラ プレンディーナ


業務部 西尾 宗洋

2019年7月

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