
イヴ・グラ:「この樹、知ってるかい?」
森本(営業4課):「ギャ、ギャリーグ(ハーブの森)ですか??」
イヴ・グラ:「ウチのカベルネだよ、知らないのか!?」
※答えは、ただの庭の樹です。(オリーブ)
終始、茶目っ気たっぷりで、子供のようなイヴ・グラに私は圧倒されっぱなし。なにせ、入社して以来、サンタ・デュックはパーカー五つ星生産者、ジゴンダスのチャンピオンなど、こだわりが人一倍強くストイックで「すごい生産者」というイメージが染み付いていたからです。
こんなイメージ ↓
実際はこんな感じです!

そのため、訪問中は、笑いが絶えません。このように人間味溢れるイヴ・グラを見ていて、無邪気だからこそ、よいワインが造れるのだと感じるようになりました。
「子供のようにほしいものを素直に求める心の持ち主」
彼の大ヒットワイン「
エリタージュ」も彼の妥協できないこだわりが満載です。

始めに試飲した2008年産のエリタージュを飲んだ瞬間、スタッフ皆が、噛み締めるように「うまいなぁ」の一言。ローヌで様々な生産者を訪問していく中、2007年は骨格やボリュームのある逞しい年で、それに比べると全般的に2008年は逞しさよりエレガントさが勝った年と感じましたが、2008年のエリタージュは2007年とまったく引けをとらない力強さと絶妙なバランス、さらにおいしくなっているように思いました。そのことをイヴ・グラに伝えると、「稲葉に相当な量のエリタージュを造っているので、サンタ・デュックの味が下がったなんて言われたくない。造るのには毎年すごくプレッシャーを感じているよ!」と珍しく真顔で語ってくれました。

具体的には、どのようなに品質を保っているのでしょうか?
エリタージュはイヴ・グラが他から買った葡萄から造られますが、彼の情報や勘とコネクションで、ハイレベルの葡萄を発掘。また葡萄栽培者も農協へ売るよりも地元で有名なサンタ・デュックのエリタージュに使ってもらえるほうが、自分たちの葡萄が生かされると考える人も多く、様々なルートで最高の葡萄の選択肢が得られるのです。その後、2008年産は約300種類ものワインをイヴ・グラ一人で地道にテイスティングし、実に3、4ヶ月もの間、気に入るブレンドのバランスを探し続けました。畑作業に時間がとられない分、それぞれの畑の葡萄の特徴を掴みながらのブレンド作業には大変な労力と時間がかかり、決して楽な仕事ではない、と言います。また、2008年は2007年に比べて全体の葡萄販売価格が低かったため、通常では購入できない、さらに良質な畑の葡萄を入手できました。そのための品質の目利き、優れた醸造技術、ブレンド能力が無ければ、成功する仕事ではないとも感じました。
さらに、イヴ・グラのワインの品質以外へのこだわりもすごいのです!

ブショネにならないコルクを使用。
(自分の造ったワインは、一本でも多く、飲んでもらいたい)

採算度外視で、最高級のジゴンダスと同じヘビーボトルを使用。
(サンタ・デュックと名の入ったものに、VdTだからと言って手抜きは出来ない)
余談ですが、昨年上海にサンタ・デュックだけのワインを集めた高級ワインショップがオープンし、イヴ・グラはそのオープニングに出席したそうですが、そこにはエリタージュは並んでいません。
「神の雫」効果なのかエリタージュのオーダーも入ったそうですが、「日本の稲葉から買ってくれないか」と断ったそうです。エリタージュは稲葉のオーダーメイドで、日本の稲葉だけのオリジナルワインだからです。
エリタージュ話に花が咲き、長くなったので、続きは後編をご覧ください。
◆今回のお勧めワイン!
FA885 エリタージュ ¥1,350(税別)
営業4課 森本展弘