INABA WINE BLOG

ワインに関する情報をタイムリーにお届けします

2010年11月12日 08:00 Category 稲葉通信

サボン01.jpg 今回ご紹介させていただくクロ デュ モン オリヴェは、シャトーヌフ デュ パプの古城跡の目の前にあり、以前に椎川のシャトーヌフ デュ パプ訪問情報でご紹介させていただいたブルネルさんのお宅の隣にあります。どちらも素晴らしい生産者ですが、なぜ隣同士の生産者を扱っているのか?どちらか一方に絞った方が良いのでは?こんな疑問もこの2人の生産者を知る事で思わず納得、単に2人の生産者の違いについて知るだけではなく、シャトーヌフ デュ パプを理解する上でも非常に貴重な体験となりました。

サボン02.jpg サボン03.jpg クロ デュ モン オリヴェのセラーは、サボンさんの自宅の廊下を通り抜けて一度裏庭に出てから地下に入ります。この小さくクラシカルなセラーから、まさにクラシカルなシャトーヌフ デュ パプが産まれます。

サボン04.jpg サボン05.jpg サボン06.jpg 現在醸造を行っているのがティエリ サボンさん。彼は醸造学校を卒業後、南アフリカやオーストラリアで勉強をして、2001年から引き継いでいます。1998年に入社し2001年に初めてフランスに行った私にとっては、まさに同世代の生産者です。そして上の画像は、フランスのワインガイド「ラ ルヴュ ド ヴァン ド フランス」で、ブルネルさんと一緒に取り上げられた時の物です。いずれもシャトーヌフ デュ パプを代表する生産者として、そしてシャトーヌフ デュ パプを理解するために選ばれた生産者です。我々も毎年、サボンさん、ブルネルさんを順に訪問、偉大なシャトーヌフ デュ パプを続けて試飲するという絶好の機会に恵まれるのです。

サボン07.jpg 今回もセラーではいくつかのヴィンテージを試飲させていただきました。それは熟成される事によりさらに良さが発揮されるクロ デュ モン オリヴェならではの、非常に興味深いものです。まずは若いヴィンテージから順に試飲をしていきます。今飲んでも美味しいのですが本当の良さが出てくるのはもう少し先、このワインが後何年か熟成していくのを必死に想像していきます。そして少し古いヴィンテージの試飲へと移っていきます。

サボン08.jpg 今回試飲の中でも特に興味深かったのが、2002年と2001年ヴィンテージでした。
FB-74 2002 シャトーヌフ デュ パプ ¥4,725
2002年はいわゆる難しい年であり、上級ワインのキュヴェ パペが造られなかった年でした。しかしこの難しい年でこんなに素晴らしいワインができた事を、ティエリは大変誇りに思っています。彼も「このワインはレストランワイン」と言うとおり、まさに飲み頃。けっして強くはないもののシャトーヌフ デュ パプの良さ、そしてクロ デュ モン オリヴェらしさをしっかりと感じる事ができる味わいで、熟したオレンジの香りにソフトでやさしいタンニン、なめらかで一瞬ブルゴーニュの高級ワインと間違えてしまうほどのエレガントさがありました。また、価格も他のヴィンテージに比べて少し安いのも魅力のひとつです。
FB-75 2001 シャトーヌフ デュ パプ 来年1月下旬入荷予定
そしてティエリさんの1stヴィンテージ2001年、非常に複雑で華やかな香りから、こちらのワインも既に熟成されていることが伺えます。やわらかく熟した果実、バランスが良く、既に素晴らしい味わいですが、まだこれからもさらに良い成長をして行く様な雰囲気がありました。

サボン09.jpg そして最後に上級ワインのキュヴェ パペの試飲です。
FB-355 2006 シャトーヌフ デュ パプ キュヴェ パペ ¥12,600
今度は実際に畑に行き、キュヴェ パペに使用される樹に触れながら試飲をさせていただきました。
ティエリさんに、2006年はとっても素晴らしい年となったと言われたとおり、もの凄くバランスの良い味わいは感動的です。これまではすべてを大樽で熟成されていたところを、よりもっとピュアな果実味を引き出すために、約50%をタンクに変更していました。アタックは恐ろしいほどなめらかです。これまでの迫力を残しながら、さらにエレガントな果実と新鮮なスパイス。これまでのキュヴェ パペをさらに超えたキュヴェ パペには、いったいどれぐらいの寿命があるのか想像できないほどでした。

サボン10.jpg またこの畑があるモン タリヴェ(アリヴェ山)は、砂質と海洋性粘土質で以前は海底だった場所だそうです。この畑の葡萄は1920年に植えられおり、肥料はすべてオーガニックな物を、害虫対策にはフェロモンのカプセルを使用し、マメ科の植物を混在させて適度な窒素を畑に与える事によって微生物を活性化させているようです。これらについてティエリさんは「以前からやっている事」と特別に変わった事をしている意識はまったくありませんでした。そしてティエリさんはこう語ります。「シャトーヌフ デュ パプにいる限り難しい事は何もない、良い畑と、良い樹があるから」、この自然で気負いの無いスタイルがクラシカルなシャトーヌフ デュ パプを造る要因ではないかと思わされました。この土地の良さを生かして葡萄を作り、クロ デュ モン オリヴェらしいワインを造ればそれがクラシカルなシャトーヌフ デュ パプになるという訳です。アグレッシブなブルネルさんと自然体のティエリさん、そしてこの2人のワインを味わえばお互いの良さが見えてくる。これがこの2人の生産者を一緒に扱っている理由ではないかと思ったのでした。

営業3課 浅井 修

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