トスカーナ訪問情報の最後を飾る生産者は アジエンダ アグリコーラ ノットーラです。
ノットーラ。彼のワインを語るにはこの人の説明が必要でしょう。その名はリッカルド コタレッラです。
イタリアワインファンで知らない人がいないと言える程有名で、フランスでいうミッシェル ロラン(通称:空飛ぶワインメーカーなんて言われています。)と同じく誰もが認める醸造家です。リッカルド コタレッラは現在30箇所以上でワイン造りの助言を与えており、彼の助言はコタレッラ マジックなんていわれてます。ノットーラもコタレッラ マジックを忠実に取り入れている造り手です。ちなみに、稲葉の扱うモリーゼ州の
ディマーヨ ノランテもコタレッラ マジックを受けてから品質が一気に向上しました。

こちらがノットーラの現オーナー ジュリアーノ ジョマレッリです。建築会社のオーナーでもあります。
ワイン造りのスタートは大手の有名なアンティノリ社のセラーの改築を彼が担当した際に、アンティノリ社の醸造責任者 レンツォ コタレッラ(リッカルドの弟)と仲良くなり、その出会いがきっかけで兄のリッカルド コタレッラとも仲良くなり、本格的にワイン造りを始めます。リッカルド コタレッラの自宅からノットーラまで高速で40分の距離なので、よくお互いの家で試飲をしたり、畑にリッカルド コタレッラと助手が訪れて、助言をもらい品質向上に努めているそうです。現在はアンティノリ社の所有する2つのヴィーノ ノービレの畑の内、1つをジュリアーノが購入し更に品質の高いワイン造りに取り組んでいます。
ジュリアーノの印象はというと最初は寡黙な人という感じでしたが、徐々にきさくな方に変わっていきました。笑われる時は必ず手で口を覆う上品で紳士的な方です。さすが、建築会社オーナー、マナーもしっかりしています。

さて、畑に移りましょう。
畑はなるべく化学肥料を使用しない方法で、ecosostenibile エコダイナミックの認証を受けています。畑には所々にCrucifere(アブラナ科)と呼ばれる花が咲いております。この花の外見から4片の花が十字架に見立てられた「十字架を担うものたち」の意味があり、土にミネラルをもたらす効果があるそうです。
畑には一定の間隔で立てられている木の幹があるのですが、これはトラクターで掘って土に空気を入れる過程(地中深くまで根を張れるようにする効果、土に酸素を入れる効果)で活躍します。木の幹がトラクターの刃に付いた安全バーに当って、葡萄の樹を傷つけないように上手く守っているのです。農家の知恵ですね。

ここの土壌の特長は宇宙石を思わせるような名前の TUFO (トゥーフォ)と呼ばれる軟質でやや黄色みがかった色の凝灰岩です。土にミネラルを与え、葡萄をより熟し易くし、葡萄の潜在的な香りを引き出す効果があるそうです。
ちなみにカンパーニャ州の代表的なD.O.C.Gの白ワイン、Greco di Tufo グレーコ ディ トゥーフォのトゥーフォもこの凝灰岩と関係が深いようで、トゥーフォ(=柔らかい石の意味)の土壌で育ったグレコ種で造られたワインが、グレコ ディ トゥーフォと名乗るそうです。

さて
トスカーナ訪問情報①でもご紹介しましたが、トスカーナといえば、アグリツーリズモ(農家ステイ)です。ノットーラの建物は元々アンティノリの昔の建物なので、宿泊施設もアンティーク家具でいっぱいです。
夜は併設されているレストランで食事を取りました。メインでオーダーするワインはもちろんVino Nobile di Montepulciano (ウ゛ィーノ ノービレ ディ モンテプルチャーノ)です。通常はメルロ種をブレンドすることが多いこのワインですが、ノットーラではカナイオーロ種とマンモーロ種をブレンドすることで個性を出しています。ノットーラの個性が一番現れたワインといえるでしょう。
このワインと合わせる料理に迷っていましたら、ソムリエの方からScottiglia (肉のごった煮込み)を提案されそれをオーダー。この煮込みはノットーラのワインで煮込まれているので、ワインと合わないわけがありません。
コタレッラのマジックを忠実に取り入れ、土からTUFO(トゥーフォ)でミネラルを、土着のカナイオーロ種とマンモーロ種でスパイスを効かせた、建築家ジュリアーノの考えるノットーラのワインは見逃せません。
今回のご紹介したワインは
I506 2005 ウ゛ィーノ ノービレディ モンテプルチャーノ¥3,200(税別)
(プルニョーロ ジェンティーレ80%、カナイオーロ 15%、マンモロ 15%)
アジエンダ アグリコーラ ノットーラのワイン一覧は
こちらから
営業2課・平井聖一郎