ワインブログ ―wine blog―

稲葉が語るべき情熱的なボルドーAOCブール生産者 シャトー ブリュルセカイユ(営業1課 山田 航)

写真左より:マルティーヌ(ジャックの妻)、ジャック ロデ、次男ギョームの妻、次男ギョーム、長男オリヴィエ

皆様、ボルドーワインのアペラシオン、Côtes de Bourg(コート ド ブール)をご存じでしょうか?すぐにボルドーだと分かる方は、きっと、かなりワイン好きもしくはボルドーを極めているその道のプロの方ではないでしょうか?葡萄栽培の歴史は長く、ある一説によれば、輝かしい左岸エリアのメドックよりも、遥かに古くボルドーワイン発祥の地とも言われています。そのブールにおいて、19世紀より葡萄栽培を行っている、シャトー ブリュルセカイユに訪問してきました。
ところで皆様、ボルドーってどんなところ?と問われた際、どんなイメージをお持ちですか?煌びやかなシャトー…スーツをビシッと決めた紳士が出迎える…そういったとこでしょうか?恥ずかしながら私自身もそのイメージでした。ですが、今回の訪問をきっかけに、何故この生産者を扱うのか?という理由を知るきっかけになりました。

前置きが長くなりましたが、ここからブリュルセカイユの歴史をご紹介させていただきます。1868年にクリュ ブルジョワに分類された現シャトーは、1924年、ジャック ロデ(以下ジャック)の妻マルティーヌの家系であるレカペ家が購入したことから始まる個人生産者です。当時はネゴシアン業が主でした。1974年には、マルティーヌとジャックが結婚し、ジャックがシャトーを引き継ぐこととなり、この年から自家葡萄園元詰めを始めました。現在このブールに30haの畑を所有しています。白品種ではソーヴィニヨン ブラン、ソーヴィニヨン グリ。赤品種ではメルロ、カベルネ ソーヴィニヨン、カベルネ フラン。土壌は表土が砂利も雑る粘土、下層が石灰岩です。ドルドーニュ川から小高い丘の上にあり、とても水はけの良い環境下で栽培が行われています。この環境のおかげで、大きな水害を幾度と乗り越えることができたと語っていました。

左の写真が、赤ワイン用のセラーです。赤ワインには、フレンチオーク、アメリカンオークの2種類の樽を使用します。それぞれ 50%の比率で使用し、ブレンドします。フレンチオークはタンニンなどの骨格を、アメリカンオークはワインに甘みを形成するそうです。約10 年程前からこの方法で行っており、こうすることでそれぞれの樽がもつ良さを程よく表現することができ、樽香が強くなりすぎず、本来の味わいを見出せるベストな選択と語ってくれました。


赤ワイン用セラーの隣には白ワイン用セラーがあります。白ワインも新樽を使用しています。昔は樽香がしっかりとあるスタイルでしたが、以前よりも新樽比率を抑え、かつライトトーストの樽を選択するように変更。アロマティックでリッチな味わいへと変化しました。更に、彼らのワインの特徴的な部分として、低温での発酵をすることにより、アロマの抽出を最大限にしています。


左の写真は、樽熟成中の白ワインをバトナージュする際に使用する器具です。写真上部の黒いパイプから、冷却水が流れており、そのパイプとホースのついた器具をつなぎ合わせます。ワインの酸化を避けながら内部の温度を下げることができいう特殊な器具使用しています。ジャック曰く、これは特許も取っているブリュルセカイユ製の道具といい、醸造面からも彼らのこだわりが感じ取れる部分でした。


そして、赤ワイン、白ワインともに、一定期間の樽熟成を経た後、ブレンドを行い、再びステンレスタンクに戻し、完成へと導きます。この作業を行う事で、ワインを落ち着かせることができ、その後ボトリング作業へと入ります。


今回の訪問で、現在取扱いのあるヴィンテージ情報も確認をしてきました。その年ごとに、様々な問題もありますが、このエリアでより懸念されているのが“湿度”との戦いです。ここブールだけでなく、ボルドーは大西洋気候の影響を受ける為、病害が多く発生するといいます。畑に関しては自然な肥料などを使用していますが、必要に応じて、最小限の銅を使用することで、多くの病害を防ぐことが出来ています。また、各年の栽培情報はマルティーヌが、まるでコンピュータのように正確な情報を伝えてくれました。テイスティングの際に分かった事ですが、ブリュルセカイユでは、毎年収穫風景をフォトアルバムとして残しており、各年ごとの反省点や、効果的であった処置を振り返ることができているそうです。
【ヴィンテージ情報】
2015年…2009年より暑くなく、2010年より酸は低いのが特徴。2005、2009、2010ヴィンテージと比較できる!
2014年…開花時雨が降り、涼しかった。成熟に長い時間を要した年。豊作。
2013年…とても苦しんだ年。どの葡萄も納得のいくものではなかったため、この年は赤ワインの生産なし。
2012年…Goodヴィンテージ。とてもフレッシュな酸と熟した果実を得ることができた。今後10年は熟成可能。
2011年…涼しい気候であった。9月中旬には全てを摘み終えた異例な年。早くから楽しめるヴィンテージ。
さて、そんなブリュルセカイユですが、弊社では2つのキュヴェを輸入しております。それぞれご紹介させて頂きます。

FB-786 ブラン ド シャトー ブリュルセカイユ AOC コート ド ブール
AOCコート ド ブールエリアからの葡萄を100%使用。エキゾチックな香りで、グレープフルーツやバナナを感じさせる。ソーヴィニヨン ブランが持つ独特の青味がメインではなく、トロピカルなアロマがグラスから漂います。リッチなテイストだが、決してオーバーライブでない、現代に最も好まれる味わいです。ソーヴィニヨン ブランのみでなく、ソーヴィニヨン グリをも使用することで、よりふくよかなで複雑な味わいを表現できています。

FB-787 2010 シャトー ブリュルセカイユ AOC コート ド ブール ~2015バリューボルドー100選出ワイン~
FB-788 2011 シャトー ブリュルセカイユ AOC コート ド ブール 「ギド アシェット ド ヴァン2014」で2星
FB-947 2012 シャトー ブリュルセカイユ AOC コート ド ブール 「ボルドーワインコンクール2015」で銅メダル
 現在3ヴィンテージを取り扱っていますが、ブリュルセカイユのワインは、ヴィンテージによってブレンド比率が変わります。ワインは農産物の為、その年ごとで最もよいバランスに仕上げているのです。熟成は樽(1/4新樽)で12ヶ月行います。紫がかった色。甘いスパイス、プルーンの強く豊かな香り。黒い果実の風味、熟したタンニンがあります。長い余韻が感じられます。しっかりとしたワインで、熟成させることが出来ます。
今回、テイスティングの際に、ジャックのご厚意で、特別に開けて頂いた「シャトー ブリュルセカイユ2001」にも驚かされました。ヴィンテージ自体はとても難しい年だったと語るも、素晴らしい熟成を遂げており、彼ら自身も、自分たちのワインが素晴らしい熟成が可能なことを表現できた年だと語ってくれました。

今回の訪問で、何故当社がボルドー、またブールの“ブリュルセカイユ”を扱うのか、その理由がはっきりとしました。それは煌びやかなシャトーでもなく、また機械的に量産されるでもない、家族によって生み出される、温もりをも感じさせるもの。だからこそ、より身近に感じ、気兼ねなく楽しめるものと改めて感じました。私自身、視察訪問は3度目でしたが、3年前に初めて訪れたコート デュ ローヌ地方と同じ感覚、これがまさに「当社が求めるもの」と感じました。そして品質向上の為に、全てを振り返ることなど、これまでの地道な努力によって生み出されている賜物であることを、今後より一層皆様にご紹介していきたいと思っております。

2020年12月

- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

TOPへ戻る