ワインブログ ―wine blog―

ロベルト サロット 来日セミナー①

2020年2月、イタリアのピエモンテ州より、アジエンダ アグリコーラ ロベルト サロットのオーナーであり葡萄栽培家・ワイン醸造家のロベルト サロット氏を招き、テイスティングセミナーを開催致しました。セミナーでは、ロベルト サロットのワイン造りの哲学を7種類のワインを交えて詳しく紹介いただきました。また、テーマとして「ワイン造りは芸術」を掲げ、歴史、家族、テロワール、哲学の4つの項目を中心に語っていただきました。ロベルト サロット氏の情熱を、皆様にもお伝えできればと思います。

「ワイン造りは芸術」
皆様こんにちは。今日、ここに来れたことを嬉しく思います。こんなに大勢の方にお越しいただけて有難く感じています。私はピエモンテ州の生産者です。ピエモンテ州の南部に位置し、フランスやスイスなどとの国境沿いにあるランゲ地方にワイナリーがあります。ランゲ地方は、バローロやバルバレスコといったワインで世界的に知られています。

私たち家族は、ここで200年以上葡萄栽培とワイン造りを行ってきました。私は、ワイン造りは単なる仕事ではなく、アートだと考えています。ワイン造りには感覚や能力、何かをつくりたいという気持ちが必要になってきます。何かを生み出すという意味で、ワインメーカーは芸術家と同じです。

例えば、画家や彫刻家、料理人は、彼ら自身のオリジナルの何かを造っています。そこで皆様に、本日は「ワイン造りは芸術」だということと、私自身の考えをお話しできたらと思います。特に大切な、歴史、家族、テロワール、哲学の4つの要素がひとつになることで、素晴らしい絵を描くことができると考えています。


ワイナリーの歴史と家族
私の先祖は1800年代から、今と変わらない場所で葡萄栽培とワイン醸造を行ってきました。私自身は30年ほどこのワイナリーで仕事をしていますが、醸造学校を出た後、まずは大きなワイナリーで醸造家としての仕事をスタートしました。1980年代には、私の両親も少しずつワイン造りに力を入れていきましたが、当時の私たちのワイナリーはまだ小さいものだったからです。そこで、まずは大きなワイナリーで働くことで、経験を積む必要がありました。そこで働くことで、葡萄栽培やワインの醸造、樽での熟成方法など、様々なことを学びました。この経験を経て、私自身成長することができ、そして現在に至るまでの哲学を生み出すことができました。哲学とは、私のワイナリーが将来どのようなワインを造りたいのか、どのような存在になりたいのかということです。このことが、他の多くの生産者と違うワイナリーになるきっかけとなりました。

大きなワイナリーで14年ほど醸造家として勤務した後、家族のワイナリーでの仕事をスタートしました。そして、1983年に最初のワインを手がけることができました。これは私の家族の写真です。母のマリアは私にとっては先生のような存在で、彼女から葡萄栽培について多くのことを学びました。妻のアウロラ、そして今ここに来ている娘のエレーナと、息子のエンリコと一緒に、私たちは家族でワイン造りを行っています。私たち家族はこの土地で生まれ育ったため、故郷への深い愛情を持っています。


現在、私たちは8つの村で95haほどの葡萄畑を管理しています。モスカート ダスティから始まり、バローロ、バルバレスコ、ガヴィ、バルベーラ ダスティと5つのDOCG格付けの地域にも畑を所有しております。これは個人生産者としては唯一と言えます。こうしてお話しすると簡単なことのように聞こえるかもしれませんが、色々な畑を所有するにあたり辛い思いや苦い経験もしてきました。長い年月をかけて得られたもので、決して簡単な道のりではありませんでした。このことが私たちのワイナリーが大きく成長するきっかけになりました。葡萄品種は、ネッビオーロやバルベーラ、ドルチェットなどランゲの土着品種を中心に、カベルネ ソーヴィニヨンなどの国際的な品種も栽培しています。

私たちは葡萄栽培については伝統的な手法を用いていますが、ワイン造りに関してはモダンで、近代的な設備を揃えています。例えば、50,000hlのワインを貯蔵できる環境を持ち、5,000hlのワインを貯蔵できる樽を所有しています。醸造所には、ワインの分析のためのラボを備えています。このような施設を持つ個人生産者は私たちのみです。また、多くの生産者は買い葡萄でガヴィを造っていますが、私たちはガヴィの畑を持ち、ガヴィのためだけの専用の醸造所を、ガヴィ エリアのサンクリストフォロに所有しています。これも、唯一のことと言えます。さらに、アルバの歴史的なフェレロ広場にワインバーとワインショップを持っています。1800年代の歴史ある建物を利用しており、この広場もとても美しいところです。自分たちのワインを売るためというよりも、消費者の方の意見を聞くことができる場として非常に重要です。そしてこれらのことは、誰かの真似をしてきたのではなく、自ら考え、改革してきたことです。

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