生産者情報

ドメーヌ ド ラ モルドレDomaine de la Mordoree

リラック、タヴェル、シャトーヌフ デュ パプにおけるトップ ドメーヌ

ドメーヌ ド ラ モルドレ
ドメーヌ ド ラ モルドレ
ドメーヌ ド ラ モルドレ
ドメーヌ ド ラ モルドレ
ドメーヌ ド ラ モルドレ
ドメーヌ ド ラ モルドレ
ドメーヌ ド ラ モルドレ

生産者情報

フランス
地域 コート デュ ローヌ
歴史

1986年  フランシス デロルムが設立。息子のクリストフも参加。

1989年  クリストフが中心になってワイン造り。

2015年  クリストフが心臓発作で死去。彼にワイン造りを教えた父フランシスが引き継いでいる。また、クリストフのワイン造りを間近に見てきた信頼に足る12人のスタッフもいる。

オーナー

デロルム家

アンブル デロルム : クリストフの娘。

 

レミ ショーヴェ : 2010年から勤務。クリストフと共に5年間醸造に携わる。モルドレのワイン造りを担う。

葡萄園

55ha  全て自家畑 30区画。テロワールの違いから、ワインに複雑さが生まれる

2013年よりオーガニック、AB認証。

栽培

シャトーヌフ デュ パプとタヴェルの古い樹齢の畑は、サコという名前の雄馬を使って耕しています。機械では根を傷つけてしまう可能性がありますが、馬はデリケートに扱うことが出来ます。

<情報リンク>

ドメーヌ ド ラ モルドレのワイン一覧はコチラ>>

伝説となった醸造家――クリストフ デロルム

ドメーヌ ド ラ モルドレは、1986年にフランシス デロルムによって設立されました。その後、1989年よりフランシスの長男であるクリストフが中心となってワイナリーを牽引するようになると、わずか10年ほどで南ローヌのトップ ドメーヌの一員として知られるようになりました。ロバート パーカーは、『ワイン アドヴォケイト』で、2001VTの「シャトーヌフ デュ パプ ラ レイヌ デ ボワ」に100点満点を献上し、絶賛しました。『ワイン アドヴォケイト』のタヴェル、リラックのトップスコアはそれぞれ93点と94点ですが、タヴェルではモルドレの「キュヴェ ド ラ レイヌ デ ボワ」が2011~2017VTまで連続して93点を獲得しており、トップ タイスコアを記録。リラックでもモルドレの「ラ レイヌ デ ボワ」の2007VT、「ラ プリュム デュ パントル」の2012VT、2016VTが94点を獲得し、トップスコアを記録しています(2020年8月12日現在)。こうして、瞬く間にスター生産者の地位を確立したクリストフでしたが、2015年、惜しまれながらこの世を去りました。2017年に独立するまでローヌ担当だったジェブ ダナックは、『ワイン アドヴォケイト#221』で次のようにコメントしています。「2015年の6月10日の朝、クリストフ デロルムが52歳の若さで心臓発作によりこの世を去った事を知り、私はショックで落ち込んだ。(中略)彼は信じられないほど熱血的な人物で、何が何でも品質を追求していた」。

 

クリストフは、多くの生産者から尊敬されていました。私たちが訪問する多くの生産者は、彼を褒めたたえます。ジゴンダスのトップドメーヌ、サンタ デュックのイヴ グラは、「これからモルドレに行く」と伝えると、「私もあなたたちと一緒に行って、彼のワインをすべて試飲したいよ。何度か彼のワインを飲んだけど本当にすばらしいね」と言っていました。彼らの感動的なワインを1ケースでも多く入手できるよう、毎年必ずドメーヌを訪問しています。「パワフルで集約感のあるスタイルから、よりエレガントな方向性に転換したい」と2014年に訪問した際クリストフルが話していたワイン造りの方向性は、彼の亡き後もしっかりと引き継がれています。

 

レミ ショーヴェが醸造を引き継ぎ新体制が始動

クリストフの築いた伝説は、彼の右腕として2010年から勤務しているレミ ショーヴェへと受け継がれています。また、クリストフの娘アンブルもドメーヌに参加しており、『ワイン アドヴォケイト#245』では、「まだ20代と若いアンブル デロルムのリーダーシップの下、タヴェルの歴史的なエステートは、様々な賞賛すべきワインを造り続けている」と評価されています。新体制でのスタートは、ドメーヌ ド ラ モルドレにとっても予期しないものではありましたが、リリースされたワインは、クリストフの掲げた品質第一主義の哲学を反映した素晴らしいものでした。『ワイン アドヴォケイト#227』は、「これらの2015年の樽サンプルを見る限り、このドメーヌは今でも信じられないほどの実力を持っていることは明らかです」とコメントし、「シャトーヌフ デュ パプ ラ レイヌ デ ボワ」の2016VTは、『ジェブ ダナック.com』で100点、『ワイン アドヴォケイト#239』で98点を獲得し、新生モルドレの実力を世に知らしめました。

 

「どんな年だろうと何があろうと、品質を第一に考えている」

ドメーヌ ド ラ モルドレのワイナリーは、タヴェルに位置しており、25kmほど離れたシャトーヌフ デュ パプのワインも、特別な許可を受けて同じセラーで醸造しています。この隣接したアペラシオンである、タヴェル、リラック、シャトーヌフ デュ パプのいずれも並外れた品質を備えたワインを生産しており、『ワイン アドヴォケイト』を始め、『ワイン スペクテーター』、『ヴィノス』、『デカンター』などの著名な専門誌や、ジェブ ダナック、ジャンシス ロビンソンなどの評論家によって毎年のように高い評価を獲得しています。「ジャンシス ロビンソン.com」は、リラックについての説明文中で「ドメーヌ ド ラ モルドレは最高の生産者の一つ」と紹介しています。2019年に現地を訪問した際、新たにドメーヌを牽引する立場となりつつあるアンブル デロルムが言った「どんな年だろうと何があろうと、品質を第一に考えている」という言葉には、偉大な父の時代から変わらないモルドレの哲学が反映されています。

 

自然と生物多様性を重視した有機栽培が、最高の葡萄と最高のワインを生む

畑は現在58ヘクタールを所有しています。以前からずっとオーガニック栽培を行っていましたが、2013年に正式にオーガニック認証を取得しています。ワインのバックラベルには、ABマーク、ユーロリーフが表示されています。他には、新たにHVE(Haute Valeur Environnmental 環境価値重視)のレベル3の認証を取得しました。これは、農業従事者のための環境認証で、3 段階に分かれている認証の中の最上のレベルに当たります。現在はビオディナミを実践、数年後の認証取得を目指しています。また、vigneron independent(自家畑、自家醸造を行う小規模な葡萄栽培者の団体)にも加盟しています。すべての畑の葡萄は手摘みで収穫し、厳しい選別をしてワイン造りを行なっています。「私たちの目的は、人と自然を尊重しながら、可能な限り最高の葡萄、そして最高のワインを皆様にお届けすることです。私たちが行うすべての作業は認定を受け、環境と生物多様性を尊重しているものとして承認されています。これらの認証を受けることは、私たちが自然と生物多様性を尊重していることを確かなものにするために必須だと考えています」。

 

<評価>

ロバート パーカー Jr.「ワールド グレイテスト ワイン エステイト」、ヒュー ジョンソン「ポケット ワイン ブック2019」のリラックとタヴェルのトップ生産者として掲載。

 

「デロルム兄弟は、その若さにもかかわらず、20年近くにわたりガール県のリラックのアペラシオンでは揺るぎのないリーダーであり、ワインの品質を前代未聞のレベルまで引き上げた。近代的な醸造と熟成を頼りに、ワインは力強くすらりとし、洗練され、繊細で芳しい個性があり(特に見事な白では)、粗野なところがなく、はっきりとした性格を持っている。彼らはさらにシャトーヌフ・デュ・パプにおいても、上品なワインの輝きを探求し続けることができた。」        ベタンヌ&ドゥソーヴ「フランスワイン格付け」

ドメーヌ ド ラ モルドレ

<クリストフ デロルム>2012年ワイナリー訪問時

1987年に父親フランシス デロルムによってワイナリーが設立される以前は、クリストフは父とともに、原子力発電所の防護服を作る仕事をしていました。ある時、フランシスに「ワインを造りたいか?」と聞かれて、クリストフは「私は自然が好きだし、土が好きだからやってみたい!」と言ったそうです。その後、1989年に父親が交通事故にあって以来、クリストフが中心となってワイン造りを行い、僅か10年そこそこで一流生産者の仲間入りをしただけでなく、多くの生産者から尊敬されています。私どもも多くの生産者を毎年まわっていますが、彼をほめたたえる人達がほとんどです。例えばもう一人のローヌのスター、イヴ グラは、私どもがこれからモルドレに行くと伝えると「私もあなたたちといっしょに行って、彼のワインをすべて試飲したいよ。何度か彼のワインを飲んだけど本当にすばらしいね」といいます。

 

「世界で最も偉大なワインエステートのひとつ、その持ち主のクリストフェル デロルムは約15年にわたり、このドメーヌの品質をトップに保ち続けています。ドメーヌ ド ラ モルドレの白、赤、ロゼは南ローヌヴァレーのお手本となるものです。」  ロバート パーカー Jr.「ワインアドヴォケイト」

ドメーヌ ド ラ モルドレ

<ヤマシギの剥製>

ワイナリー名でもある「モルドレ」とは、ヤマシギのこの地方でのニックネーム。各キュヴェの名前いずれも同様で、下記のように使い分けています。

 

「ラ プリュム デュ パントル」……”画家の羽ペン”。2003VT、2005VTに生産した特別なシャトーヌフ デュ パプにのみ使用していましたが、近年、リラックにおいても優れたヴィンテージに特別キュヴェとして、この名前を使用したワインを限定生産しています。

「ラ レイヌ デ ボワ」……”森の女王”。各アペラシオンのトップ キュヴェに使用します。

「ラ ダム ルス」……”赤毛の女性”。各アペラシオンのノーマル キュヴェに使用します。

「ラ ルミーズ ド ラ モルドレ」……”ヤマシギのすみかラ ルミーズ”。テーブルワインに使用します。

「ラ ベル ヴォヤジューズ」(2015VTまで使用)/「ラ ダム ヴォヤジューズ」(2016VTから使用)……”美しい旅人”/”旅の女性”。シャトーヌフ デュ パプのセカンド キュヴェを造るにあたり、この名前を使い始めました。