生産者情報 ―producer―

カステルロッチ

  • スペイン
  • カバ

スペインの新たなスパークリング ワイン団体「コルピナット」を設立
特級格付けの葡萄畑を所有する”テロワールの表現者”

DOカバ最高級格付け「パラヘ カリフィカード」に認定された、
12区画のうちのひとつ「テロハ」を所有

カステルロッチは、1885年よりスペインのペネデスで葡萄栽培をするワイン生産者です。オーナーを務めるのは、醸造家のマルセル サバテ イ コカです。祖父の時代にはワイン造りは行っておらず、栽培した葡萄をそのまま販売していました。その後、父の代に「この土地ならではのワイン造りをしたい」と考えるようになり、1979年から自家畑の葡萄でワイン造りを開始しました。ペネデスは、スパークリングワインのカバで知られており、カステルロッチでも高品質なスパークリングワインを生産しています。また、この地域ではシャンパーニュ地方と同じように、大手メゾンが葡萄を買い付けてワイン造りを行なうことが一般的ですが、カステルロッチは自社栽培の葡萄のみを使用する、いわばRMのような存在です。さらに自社畑40haを66区画に分け、異なる18の土壌から、テロワールを表現したワイン造りを行なっています。これは、ペネデスの生産者では非常に珍しい取り組みです。特に優れた「テロハ」という畑からは、フラッグシップとして「レゼルバ ファミリア」を生産しています。このスパークリングワインは、単一畑、単一品種、単一収穫年の葡萄から造られており、2008年は『ワイン アドヴォケイト』で94点を獲得するなど、高い評価を得るまでに至っています。

DOカバを脱退し「コルピナット」を設立
カバは、シャンパーニュと同様の瓶内二次発酵で造られ、長期間の熟成を経た上でリリースされているのにもかかわらず、「安くて美味しいスパークリングワイン」というイメージがあります。さらに品質を追求し、上級クラスのワインを生産したとしても、市場にはなかなか受け入れられません。こうした中で、品質を追求したい造り手が、DOカバとしてリリースすることに疑問を抱くようになっていました。これを危惧した原産地委員会は、2016年からプレミアムクラスのカバの格付けとして、「カバ デ パラヘ カリフィカード」を導入します。カバが造られる葡萄畑は、ペネデスを中心に30,000ha以上の面積を誇りますが、認定されたのは9軒の生産者の12区画のみでした。事実上、カバにおけるグラン クリュが決められたことで、非常に大きなニュースになりました。しかし、この制度においても様々な議論があり、結果としてカステルロッチを含む6軒の生産者がDOカバを脱退し、新たな団体を立ち上げることになりました。それが「コルピナット」です。現在、コルピナットには新たに4軒の生産者が加わり、ペネデス産スパークリングワインの品質を追求するため、非常に厳しい規定のもとで葡萄栽培とワイン醸造を行っています。

コルピナットは、既に2015年頃には存在していましたが、カタルーニャ州とEUから知的所有権を認められたのは2017年のことです。カバは、原産地呼称であるDOとして認定されているものの、生産地域は1つに限定されていません。一方、コルピナットは、生産地域をペネデスに限定した上でワイン造りを行なっています。その規定は非常に厳しく、原産地はペネデスのみで、100%有機栽培の葡萄を手摘みで収穫し、100%自社ワイナリー内で醸造する必要があります。また、瓶内熟成は最低18ヶ月行う必要があり、これはDOカバのレセルバ(15ヶ月)よりも厳しい規定となっています。他にも、葡萄栽培者の役割を尊重し、買い取りの際は最低保証価格を上回るようにする、毎年の外部監査によって厳しい規定を遵守することなどが義務付けられています。コルピナットのラベルで生産されるスパークリングワインは、エントリークラスであっても、これらの規定をクリアしていなければなりません。現在ご案内しているカステルロッチのラインナップは、DOカバの名前でリリースしたワイン(S-243、S-244、S-245、S-138、S-248)と、コルピナットの名前でリリースしたワイン(S-258、S-259)とがありますが、どちらもワイン造りへの想いや哲学は同じです。

自然環境に配慮した持続可能な農法
カステルロッチは、DOカバを脱退する以前から、自然環境に配慮した葡萄栽培を行って来ました。元々生息している動物や植物を排除するようなことはせず、生態系を崩さないことに気をつけています。殺虫剤は一切使用しません。また、羊を畑に放すことで、雑草を食べてもらい、これらの自然な農法が持続できるように取り組んでいます。「羊たちの糞が肥料となるためとても助かっていますが、話が通じないことが難点です。葡萄を食べてしまったこともあるので、通訳が欲しいですね」とマルセルは話してくれました。こうした手法には非常に手間がかかりますが、葡萄栽培への並々ならぬこだわりこそ、カステルロッチの持つ哲学と言えます。こうして育てられた葡萄はさらに66の区画ごとに醸造され、それぞれのテロワールを表現したワインとして生み出されています。

2つのブランドネーム――「サバテ イ コカ」と「カステルロッチ」
カステルロッチでは、コンセプトごとに異なる名前でワインをリリースしています。所有する区画のうち、「特に際立った個性を持つ区画からのワイン」を、家族の名前である「サバテ イ コカ」として、「それぞれの区画が持つ個性をブレンドによって調和させたワイン」を「カステルロッチ」として生産しています。「サバテ イ コカ」のラインナップには、DOカバに認定された最上級格付けパラヘ カリフィカードの1つ、単一畑「テロハ」の個性を表現した、家族のワインともいえる「レセルバ ファミリア(S-138)」があります。どちらのラインナップも、自社畑のテロワールを知り尽くしたカステルロッチだからこそ表現できる、唯一無二の個性を持ったワインと言えます。

「ペネデスには、これほどまでに分散したテロワールを意識してワイン造りを行なっている生産者はいません。ほとんどの生産者が、新しい技術を導入すれば良いワインが出来ると思っています。私は、それを否定しませんが、それよりもテロワールを大事にしています。なぜならば、最も自然で、オリジナリティのあるワインが出来るからです。技術によって同じワインにはしたくありません」

特級格の単一畑「テロハ」
カステルロッチが所有する40haの葡萄畑は、アルト ペネデスのビッリェス渓谷に点在しています。ビッリェス渓谷は、海から近く、北はモンセラート、東はガラフの山に守られた穏やかな地中海性気候です。かつて海底だった影響が残る、2千年前の中新世代の石灰岩を含む土壌で、水はけが良く、葡萄栽培に非常に適しています。この恵まれたエリアで、特に素晴らしい葡萄を生むとされる区画がテロハです。テロハは、カバ最高峰の格付けであるパラヘ カリフィカードに認定された、いわばグラン クリュのような畑です。ワイナリー名の由来となった赤土土壌が特徴的で、樹齢20~100年のチャレッロから素晴らしいスパークリングワインが生み出されます。

また、カステルロッチは、チャレッロ単独でワイン造りを行なったパイオニア的生産者でもあります。テロワールを表現するためには、この地域ならではの土着品種こそが重要だと考えているためです。「環境が汚染されていると、植物の成長を阻害し、私たちが畑のために重要だと考えているバランスが崩れます。つまり、周辺環境をケアすることは、畑の個性と力を最大限に発揮するために不可欠なのです」とマルセルは話します。「畑に生息する様々な生き物、てんとう虫、クサカゲロウ、土壌真菌などが自然のバランスを保ち、病害の発生を防いでくれます」。こうしたカステルロッチの哲学によって、テロハの持つ特有のテロワールと、葡萄のポテンシャルをワインの中に最大限に表現することが出来ます。


「オーダーが入ってから、デゴルジュマン」  セラーは地下13mにあり、冬は12度、夏でも15度で、瓶内二次発酵には最適の温度となっています。珍しいことに、専用の機械を使って年に1回ボトルをシェイクします。澱を撹拌することで、細かく小さな泡が出来、クリーミーな味わいを与えることが出来ます。オーダーが入ってから、デゴルジュマンします。出荷前にすることで、フレッシュな風味が残ります。味のタイプとしては、ブルット ナトゥーレと若干のブルットしか造っていません。ドザージュ無しでも充分果実味があるためです。一方、他の多くの産地ではドザージュ無しでは味わいが薄くなってしまいます。

<評価>
カタルーニャのソムリエ協会により、「ベストワイナリー2016」に選出。

Data

歴史 祖父の時代は葡萄を売っていた
1979年 父がこの土地でしか造れないワインを造ろうと、自家畑でワイン造りを開始。
2009年 マルセルが4代目として引き継ぐ
オーナー マルセル サバテ コカ 
葡萄園 40ha 全て自家畑。18の土壌、65の区画。
栽培 作業は手作業で、この地区では珍しいグリーンハーベストや収穫、葉を落とす作業、草を取る作業(樹齢7年目まで)を人の手で行っています。自然を守るため、殺虫剤は使わず、化学的なものも最低限しか使いません。
ワイン造りの物語 <名前の由来>カステルロッチ 赤土の土地の城 (カステル=城、ロッチ=赤土)
スタンダードレンジを「カステルロッチ」名義でリリースし、
上位レンジは「サバテ イ コカ」名義でリリースしている。


カステルロッチのワイン一覧

▸カバ最上級規格「カバ デ カリフィカード」に選ばれたワイン(S248)
取り扱いワイン

TOPへ戻る