生産者情報 ―producer―

ビーニャ ファレルニア

  • チリ
  • エルキ ヴァレー

ヒュー ジョンソン、ジャンシス ロビンソンの「ワールド アトラス オブ ワイン」にも掲載。

エルキ ヴァレーに住むアルド オリヴィエ グラモラと、イタリア トレンティーノでエノロゴを勤める従兄弟ジョルジオ フレッサティとの出会いから始まりました。1995年に観光で初めて訪れたフレサッティは、ピスコ(ブランデー)用の葡萄を食べてその品質の高さに驚き、「どうしてこの素晴らしい渓谷でワインを造らないのか!」とアルドに伝えました。それからというものフレッサティは風や湿度、気温などの気候条件を数時間おきに、毎日計測し、徹底的な調査を行ないました。調査は2年間続き、1997年にベストだと判断した場所に葡萄を植えました。それまで生食用やピスコ用の葡萄しか造られていなかったこの地でワイン造りを始めることは革新的な出来事でした。情熱と技術、チリの大学のアグロノミストのサポートによって、主要な生産地からはるか遠く離れたエルキ ヴァレーを、計り知れないポテンシャルをもった素晴らしいワインの畑に変貌させるという目標が、二人の原動力になっています。

Data

歴史 1972年 アルド グラモラは、結婚してエルキ ヴァレーへ移住し、ピスコ用の葡萄栽培を開始。
1995年 観光で訪れたジョルジオ フレサッティは僅か2時間でワイン造りを決意、気候などの調査を開始。
1998年 ビーニャ ファレルニア設立。畑を耕し、葡萄を植え始める。ピスコ工場にタンクを2~3個増設し、ワイン造りを開始。
2004年 ワイナリー建設。ピスコ造りは止め、ワイン造りのみに。
2009年 ジョルジョがワイン会社を辞め、チリに移住。ファレルニアに専念。
オーナー ジョルジョ フレッサティ(写真中央) : 1956年、北イタリア トレンティーノ生まれ。ワインメーカー。2009年までトレンティーノの大手ワイン会社で、ゼネラルマネージャー、ワインメーカーとして働く。2009年まで、ファレルニアと掛け持ちで働く。
アルド オリヴィエ グラモラ(写真右) : 1939年生。12歳の時、トレンティーノからチリへ移住。ジョルジョとは従兄弟同士。
葡萄園 320ha + 100ha(長期契約)
年間降雨量は、僅か50mmのため、灌漑は不可欠で、土地の値段より水利用権の方が高い程です。畑はエルキ ヴァレーの中の4箇所にあり、それぞれが特有の気象条件をもっています。
・ティトン   標高350mで海岸から近く、海からの冷たい風のため標高が最も低いにもかかわらず、一番冷涼な畑です。そのため、成熟が遅くなります。また、年間200~220日午前中霧が出るため、樹に湿度を与え、強すぎる日差しを遮り、気温が5~7度下がります。ここではセミヨン、リースリング、シラー、サンジョヴェーゼ、ソーヴィニヨン ブランを栽培しています。
・サン カルロ 標高600mで、ワイナリーがある場所。日中はとても暑いのですが、夜になると急激に気温が下がります。シラーと少しのヴィオニエ、ピノ ノワールを栽培。
・ペドリスカル 標高650m。整備に2年かけ、川の流れを変え、畑を造りました。土壌は、川石が多く、砂質。グラーヴやシャトーヌフ デュ パプに似ています。昼と夜の気温差が激しく、カルムネールに最適です。
・ホヮンタ   標高1700~2070m、広さ30ha。おそらく世界で最も高い場所にある葡萄畑のひとつです。日中は焼けるほど暑く、日が落ちると急に寒くなるという、寒暖差の激しい場所です。畑に水源があり、1500年前インカ時代の石で造った水路を利用しています。ここにはペドロ ヒメネス、ムスカテル、ソーヴィニヨン ブラン、カルムネール、シラーが栽培されています。

〈映像〉2010年のワイナリー訪問時に撮影したカルムネールの畑
栽培 非常に乾燥していて、風も強いため、病害の心配がほとんどない。そのため、台木に接木する必要もなく、自根で栽培できる。限りなくオーガニックに近い栽培が可能。
ワイン造りの物語 タンクやボトリングマシーンはイタリアから輸入したものを使用しています。ステンレスタンクは、温度を同じに保つため、厚さが12cmもあるものを選んでいます。赤ワインの発酵タンクの上には2本のピストンがついており、果帽をこのピストンで突き崩し、マストの中に沈めます。伝統的なポンピングオーバーよりも、マストに負担が少ない、やわらかな抽出が可能となります。熟成用の樽は、フレンチオークもアメリカンオークも、フランスのタランソー社のものを使っています。フレッサティいわく、「フランスのメーカーによるアメリカンオークのほうがエレガント」。瓶詰め前のフィルターは、赤は1回のみ、白はマロラクティック発酵をしないので二次発酵を避けるため、2回通します。ワインのラベルは、古代のインカ帝国がこの地に来る前に生息した先住民族、ディアギータ族が陶器などに使用していたシンボルマークを入れています。地元の美術館で見つけ採用しました。エリアの歴史や文化を継承する意味でも大事なことと考えています。

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