生産者情報

ドメーヌ ラ スフランディーズDomaine La Soufrandise

巧みなアッサンブラージュが生む 高品質なプイイ フュイッセ

ドメーヌ ラ スフランディーズ
ドメーヌ ラ スフランディーズ
ドメーヌ ラ スフランディーズ
ドメーヌ ラ スフランディーズ
ドメーヌ ラ スフランディーズ
ドメーヌ ラ スフランディーズ

生産者情報

フランス
地域 ブルゴーニュ
歴史

1831年 フュイッセの古い救済院の敷地に建てられた。名前の由来は、「患者の苦しみ」

      ナポレオンの衛兵の元少佐がその場所とワインに魅了され、建物を手にいれた

1853年 メラン家が買取り、以降6世代続く

1986年 元詰め開始

オーナー

フランソワーズ メラン

ニコラ メラン

葡萄園

計7ha 全てフュイッセ村  プイイ フュイッセ6ha  クロ マリ以外は20ヶ所以上に点在。

マコン フュイッセ1ha  2ヶ所 

植えられている葡萄樹は、2/3が樹齢30年以上です。樹齢によって枝の伸び方や実の付け方が変わるので、仕立て方や房の数を変えています。

栽培

リュット レゾネ  化学的なものの使用は制限している

除草剤はオーガニックで認定されたもの。化学肥料は使わない。畑仕事には、土壌にダメージを与えないよう、少しだけ機械を使う。

生産者訪問ブログ(2018)

 

ドメーヌ ラ スフランディーズのワイン一覧

ニコラとフランソワーズ夫妻の人柄が表れた、優しく包み込むような味わい

ドメーヌ ラ スフランディーズは、二コラとフランソワーズのムラン夫妻が経営する、家族経営の小さなドメーヌです。ワイナリーは、古いオスピス(救済院)の跡地に1831年に建てられました。ナポレオン軍の元少佐が、この場所とワインに魅了されて建物を手に入れた後、1853年にムラン家の手にわたり現在に至っています。元詰めを開始したのは1986年のことです。以来35年間にわたって、収穫や瓶詰などの特別な作業を除き、畑仕事からワイン醸造に至るまで、すべての工程は夫婦2人の手によって行われています。

 

葡萄畑はすべてフュイッセ村にあり、総面積は7haで、およそ20ヶ所に細かく点在しています。その内の2区画がA.O.C.マコン フュイッセで、残りはすべてA.O.C.プイイ フュイッセのエリアにあります。二コラは、ワイナリーの目の前にある「クロ マリ」以外の区画の葡萄を、巧みにアッサンブラージュしてワインを仕込んでいます。葡萄栽培はリュット レゾネ(減農薬栽培)で行います。畑をすべて見て回るには1日半かかってしまい、規定に従った作業が難しいため、有機認証は取得していません。ラインナップはすべて白ワインで、プイイ フュイッセ2種類とマコン フュイッセ1種類を生産しています。非常に稀ですが、貴腐菌がついた年にのみ「ヴルール ドートンヌ(旧名:ルヴルーテ)」という特別なプイイ フュイッセを生産することがあります。

 

複数の異なる区画の個性を見極め、巧みなブレンドで素晴らしいワインを造り上げる

ドメーヌ ラ スフランディーズの真骨頂は、長年の経験によって培ったブレンド技術を用いたワイン造りです。畑はすべてフュイッセ村にありますが、ソーヌ断層の影響により、地層年代の異なる石灰岩質とシスト土壌があるため、テロワールはそれぞれの区画で異なっています。近年、プイイ フュイッセではプルミエ クリュ格付けが誕生し、単一畑からのワインを生産する動きが活発になっています。

 

弊社で取り扱いのあるヴェルジッソン村の生産者「ジャック ソメーズ」もクリュごとの個性を表現すべく、プルミエ クリュ格付けの誕生以前から、単一畑からのプイイ フュイッセにこだわってリリースをし続けています。彼らとは対照的に、ドメーヌ ラ スフランディーズでは区画ごとに優劣をつけず、それぞれの区画が持つ個性を見極め、ブレンドすることで素晴らしいワインを造り出しています。収穫、圧搾、発酵、醸造と、ワイン造りの工程はすべて区画ごとに行い、最後にブレンドするのが二コラ流です。ただし、ブレンドだけでワインの品質を決定しているのではなく、畑での作業と理解が重要な役割を果たしています。

 

「乾燥した年に強い区画があれば、雨の多い年に強い区画もあります。このように、毎年の天候によってベストな区画は変わってきます。さらに言えば、たとえ同じ区画の同じ葡萄の樹から採れる葡萄であっても、毎年同じ状態とは限りません。区画ごとの特徴だけでなく、年ごとに異なるキャラクターを理解した上でベストなブレンドを探り、最高の品質を目指しています。これには長年の経験が必要で、心身ともにエネルギーを費やすハードな作業ですよ」と二コラは話してくれました。

 

醸造についてのこだわり

醸造はすべて区画ごとに行い、最後にブレンドしています。収穫はすべて手摘みです。テロワールの特徴を表現してくれると考え、アルコール発酵は天然酵母によって行なっています。空気圧式プレスで優しく圧搾し、30時間静置して澱下げし、綺麗な澱を含む上澄みだけを取り除いて発酵させます。発酵温度は24度以下にコントロールし、若い樹齢のものはフレッシュさを活かすためにステンレスタンクで、古い樹齢のものは樽で、それぞれ発酵と熟成を行います。熟成は綺麗な澱とともに行い、ワインのフレッシュさを保つため、澱引きは瓶詰めの直前まで行いません。ベントナイトで清澄後、珪藻土フィルターをかけて瓶詰めしています。

 

それぞれの区画ごとに発酵・熟成容器を使い分けて、最終的にブレンドすることで調和のとれたワインを生み出します。セラーには35hLの小型のステンレスタンクや300Lの木樽が並べられています。

 

 

弊社スタッフがワイナリーを訪問して感じた‟ムラン夫妻の優しい人柄とワインの魅力"

まだ入社して間もない頃、彼らが造る、優しく、包み込むようなワインに感銘を受けました。そして、オーナーであるニコラ ムランと、妻のフランソワーズの、写真越しに伝わる‟温和で優しい笑顔”に惹かれたことが今でも記憶に残っています。2018年の訪問が決まった時は、大変嬉しく、当日を迎えるまで胸を躍らせておりました。実際にお会いすると、二人ともイメージ通りの人柄でした。静かながらも、ワインに対する情熱や愛情を併せ持つ心優しいニコラ。そして、フランソワーズは笑顔が印象的で、ニコラをしっかりと支えているという感想を抱きました。二人の人柄に惹かれると同時に、ワインにもその魅力が反映されていると確信した訪問でした。

 

テロワールを熟知し、どのような年であれ、自分達のポリシーを持つこと。強い信念のもとに「区画毎のテロワールや葡萄の特徴を見出し、生かしながらブレンドしていくスタイル」を貫き通す姿。必ず、その年の最高品質のワインを造り上げることにプロフェッショナルだと感じました。マコンには、このような素晴らしい生産者がいるのだと改めて実感しました。夫婦の愛情から生まれる優しく、柔らかく、包み込むようなワインと共に、ムラン夫妻の人柄についてこれからも一人でも多くの方にお伝えしたいと思います。

 

 

<評価>

パリ農産物コンクールの金賞や、ブルゴーニュワインの中からネゴシアン、生産者、レストランオーナー、ワインジャーナリスト達が選ぶ官能検査コンクールで金賞など数々の賞を受賞している。ブルゴーニュワインの専門誌「ブルゴーニュ オジョルディ」で、プイイ フュイッセのお勧め生産者のひとつに選ばれた。

ドメーヌ ラ スフランディーズ

プイィ フュイッセ クロ マリの畑

ドメーヌ ラ スフランディーズ

プイィ フュイッセ クロ マリの畑

ドメーヌ ラ スフランディーズ

<フランソワーズ&ニコラ>2001年ワイナリー訪問時

控えめで口下手な細身の当主ニコラ ムラン。対照的に奥さんはどっしりと恰幅の良い方です。かかあ天下というわけではなく、心優しいご主人をしっかり支えている印象を受けました。「二人でやっていると意見の食い違いで喧嘩にならないですか?」と言う質問に対し、笑いながら「だから担当の畑を分けているよ。」とメランは話してくれました。