生産者情報 ―producer―

ジャン ポール エ ブノワ ドロワン

  • フランス
  • シャブリ

「シャブリの二大巨匠にラヴノー、ドーヴィサを挙げる人が多いが、私は3番目にドロワンを加えたい」――『ヴィノス 2018.8』ニール マーティンのコメントより

「たくさんのスタイルを造っているから、ひとつを好きになってもらうわけにはいかない」
ジャン ポール エ ブノワ ドロワンは、1620年にまで遡る歴史的なドメーヌです。1866年5月6日には、ナポレオン三世がオーセロワ地区を訪れた際に、当時の当主エドム オーギュスト ドロワンがワインを献上し、帝国の紋章が刻まれた銀のタストヴァンを授けられたというエピソードもあります。およそ400年の歴史の中で少しずつ畑を買い足し、現在ではシャブリの7つのグラン クリュの内、6つの畑からワインを造る稀有な個人生産者となりました。ドメーヌは、シャブリの中心地を流れるスラン川を渡ってすぐのところにあり、目の前には、まるでドロワンのためにあるかのようにレ クロの畑が広がっています。

当主を務めるのは14代目のブノワ ドロワンです。とてもエネルギッシュで、ボーヌの醸造学校で5年、ディジョン大学で2年、卒業後はドメーヌ ラロシュとドメーヌ ヴァンサン ドーヴィサで研修しました。1999年に新しい醸造所になってから、父のジャン ポールと一緒に働き始めました。ジャン ポールの時代には、樽の香味が強い力強いスタイルでしたが、ブノワの代からは樽の使用比率を減らし、ニューマティックプレス機によるソフトな抽出を行い始め、果実味を活かしたピュアなスタイルになりました。また、以前はフィルターをかけてすぐ瓶詰めしていましたが、現在は2ヶ月休ませてから9月頃にすべてのランクを1回で瓶詰めするようにしました。他の生産者のように酒石をとるために0度以下にするといった余計な刺激を与えることはせず、4~5度で長時間置いてゆっくり取り除きます。

このスタイル変更により、各畑のテロワールが浮かび上がり、1つ1つのクリュの個性が際立つ仕上がりとなりました。多くの評論家がこれらの変化を絶賛しています。6つのグラン クリュを生産するブノワだからこそ、それぞれの特徴をより正確にとらえることが出来ます。こうして出来上がるシャブリは、若いうちからテロワールの違いが楽しめるとして人気を博しています。ブノワは、「たくさんのスタイルを造っているから、ひとつを好きになってもらうわけにはいかない」と言いますが、この言葉に彼の考えが全て詰まっています。

「ラヴノー、ドーヴィサ、ドロワン:シャブリを代表する造り手たち」──『ラ ルヴュ デュ ヴァン ド フランス 619』
フランスを代表するワインガイド「ラ ルヴュ デュ ヴァン ド フランス(RVF)」の特集記事「シャブリの偉大な生産者」において、フランソワ ラヴノー、ヴァンサン ドーヴィサとともにジャン ポール エ ブノワ ドロワンがシャブリの代表的生産者として紹介されました。記事では、「並外れた表現力 そして素晴らしい均整」と題して、「このドメーヌは、シャブリのトップ集団のひとつである。そのワインは端正で、並外れた表現力を持ち今日、非常に高いレベルにある。スタイルは常に明確で、ワインは綿密で、常にリッチで芳醇だが、それでいてフレッシュな酸を持っている」と絶賛されました。

また、同誌が発行する『ル ギド デ メイユール ヴァン ド フランス』の2014年版から、シャブリ・オーセロワ地区でわずか3軒しか獲得していない、最高評価の3ッ星生産者となりました。あとの2軒はラヴノーとドーヴィサのみで、同誌最新版の2021年版でもこの評価を維持しています。名実ともにドロワンが、シャブリの三大生産者として認められていることを示しています。

さらに、アメリカのワインガイド『ヴィノス』のレビュアーであるニール マーティン(元ワイン アドヴォケイトの評論家でパーカーの右腕。ブルゴーニュも担当)は、2018年8月の記事で以下のように述べています。

シャブリの二大巨匠にドメーヌ ラヴノーとヴァンサン ドーヴィサを挙げる人が多いが、私は3番目にドメーヌ ジャン ポール & ブノワ ドロワンを加えたい。ここ5、6年の間に、ブノワ ドロワンは本当に品質を向上させてきた。毎年開催される「ブルグフェスト」のブラインド テイスティングでは、ドロワンのワインがどれだけの頻度でベスト オブ ザ フライトに選ばれているかを誇張することは出来ない。何度も何度も、彼のワインは厳しい競争の中で輝きを放っている。今やドロワンはシャブリを代表する生産者の一人であることを受け入れる時が来たのだ」

また、『ヴィノス』のアントニオ ガッローニは、ドロワンのレ クロ 2017VTに98点をつけています。これは同じヴィンテージのドーヴィサのレ プルーズ 100点、レ クロ 98+点に次ぐ評価で、ラヴノーのクロ 97点よりも高く、3者の実力が拮抗している証でもあります。ドーヴィサで修業し、日ごろからドーヴィサやラヴノーと交流があるブノワに、彼らとの違いについて質問したところ、次のように答えてくれました。

「ラヴノーやドーヴィサは、シャブリを代表する偉大な造り手で、心から尊敬しています。その上で違いを答えるとするならば、彼らのワインは真価を発揮するまでに長い年月を要することです。ラヴノーであれば、20年でも開かないものもあります。彼らに比べると私のワインは早く開く。厳密に言えば、それぞれの畑のテロワールの違いが早く表れるこという意味で、扱っていて非常に面白いとお客様からは言われます

<評価>
「今一番いい生産者はドロワンだろう!」と、同じく素晴らしいシャブリを手掛けるピクが話してくれました。「ワイン アドヴォケイト」を始め、シャブリ特集には必ずといっていいほど登場しています。ヒュー ジョンソン「ポケット ワイン ブック2019」に最高の生産者として掲載。
「レ メイユール ヴァン ド フランス 2019」で3つ星生産者(最高評価)。シャブリ・オーセロワ地区で最高評価を獲得しているのは、ドロワンを含め3生産者のみ(他はヴァンサン ドーヴィサ、フランソワ ラヴノー)。
「デカンター 2019.12」のシャブリ2018年の特集で、TOP QUALITYの見出しでグラン クリュ ブランショ(95/100点)が紹介されました。同じページでグラン クリュのレ クロヴァルミュールがそれぞれ95点、プルミエ クリュのヴォーロランが94点の評価を獲得。

Data

歴史 1620年  葡萄栽培を始める
1698年  ジャン ドロワンがワインと蒸留酒造り、樽の製造を開始
1791年  ジャン ボニファス ドロワンが数区画の畑の所有者となる
1866年  ナポレオン三世がオーセロワを訪問した際、ワインを献上。銀のタストヴァンを授けられる。また、ドロワン家の記録によると、この年に初めてシャブリの品質分類が行われ、第1級の頂点にレ クロ、ヴァルミュール、グルヌイユ、モン ド ミリュ、第2級にヴォーロラン、ヴォグロ、コート ド レシェ、フルショーム、ヴォークパンが格付けされたといわれている。
1923年  ジャン ポールの曽祖父にあたるルイ ドロワンがシャブリ生産者組合長に選ばれる
1965年  ジャン ポールが、父ポール、祖父マルセルと共に働き始める
1999年  ブノワがワイン造りに参加。現在、ワイン造りの責任者となる
オーナー ブノワ ドロワン (1975年生): 14代目。ボーヌの醸造学校で5年、ディジョン大学で2年学ぶ。ラロッシュ、ドーヴィサで研修。
葡萄園 26.5ha:プティ シャブリ1.5ha、シャブリ 10ha、プルミエ クリュ(9区画) 11ha、グラン クリュ(6区画) 4ha

<ブノワの考える畑の特徴>
~プルミエ クリュ~
・フルショーム:すごく大きなボディ。フィネスがあり、リッチでエレガント。
・ヴォーロラン:フリント(火打石)やシレックスの香り。長熟タイプ。
・モンテ ド トネール:ヴァイヨンと似ていて、ボディがある。より高いミネラルがある。ヴォーロランのようなピュアさではなく、更にひとつ上の複雑さがある。
・モン ド ミリュ:フローラルで、ピーチやアプリコット、梨のニュアンスがある。
・ヴァイヨン:ミネラル感と力強さが特徴だが、エレガントで、クラシカルなシャブリ。プルミエ クリュの中でもレストランに人気のワイン。
・モンマン:ブルゴーニュスタイル(リッチ)なキュヴェ。ナッツ、アーモンドの要素。ミネラルと力強さがあり、ヴァイヨンにリッチさが加わるイメージ。
・ヴォグロ:骨格がしっかりとしている。収穫時に糖度をしっかりと確認し、仕上がった際のアルコールが高くならないように気をつけている。粘性が高いので、力強くリッチなスタイルになる。

~グラン クリュ~
・グルヌイユ:葡萄は祖父の時代、1947年に植樹のため72年樹齢。しっかりと熟した果実や、スパイシーさを感じさせる。飲みやすく包容力のあるワイン。ブランショよりは丸みがあり、よりリッチで集約がある。
・レ クロ:強いミネラルを感じる。クラシックな味わい。ヴァルミールより強く、グルヌイユよりエレガントと言えるが、他の畑との比較ではなく、「レ クロはレ クロ!」というスタイルがある。口に含むとナッツや、石灰、粘土のリッチさを感じさせる。
・ヴァルミュール:男性的で、フレッシュさがありながらも、骨格があり力強い。リッチでふくよかな果実味が特徴。レストラン向きのワインであり、長く熟成もできる。
・レ プリューズ:レ クロを王とすれば、レ プリューズは女王。最低でも20年は熟成可能だが、若いうちからも楽しめる。ヴォーデジールのように香り高いが、よりミネラル感が強く、ピュアなテイストがある。
・ヴォーデジール:ミネラルと果実味、男性的なヴァルミュールに対し、ヴォーデジールは常に繊細でエレガントで女性的。とても洗練されたスタイル。
・ブランショ:唯一樽を使っていないグランクリュ。フィネスとミネラル。ナッツのアロマ、白亜のニュアンスがある。
栽培 除草剤等として化学薬品を使わない。
草を生やし葡萄の根にストレスを与え生産量を減らす。草を掘り返すことによって、オーガニックな肥料も必要なくなる。
ワイン造りの物語 <3日目のワインの方が美味しい>2013年ワイナリー訪問時
「先日、雑誌「ルヴュ ド ヴァン ド フランス」の試飲スタッフが来た時に、興味深い試飲をした。抜栓、1日目、2日目、3日目を飲み比べたが、全て3日目の(抜栓後時間がたった)ワインがおいしかった。多くの人は、白ワインは早く飲まなければならないと思っている。しかし実は適切な温度で時間を置いてから飲んだ方がより良くなる。ブルゴーニュのワインは特にそうであると言える。もちろんフルーティなワインはすぐに飲むべきでだが、テロワールを重視したシャブリのようなワインは酸化を好むことが多い。」ブノワ

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