生産者情報

ピエール エ ジェローム クルソドンPierre et Jerome Coursodon

サン ジョゼフを代表する生産者のひとり、端正で丁寧な味わいに“品格を感じるドメーヌ”

ピエール エ ジェローム クルソドン
ピエール エ ジェローム クルソドン
ピエール エ ジェローム クルソドン
ピエール エ ジェローム クルソドン
ピエール エ ジェローム クルソドン

生産者情報

フランス
地域 コート デュ ローヌ
歴史

19世紀末  ジャンーオーギュストと息子のアントナンがモーヴ村に設立

20世紀前半 3代目のギュスターヴが自家元詰ワインの販売をスタート

1998年   ジェロームが加入、父ピエール(4代目)共にワイン造りを行う

オーナー

ジェローム クルソドン(5代目)

葡萄園

全体で16ha  所有する畑の多くはモーヴ村の急斜面に位置する。

栽培

除草剤を使用せず畑を耕し、肥料は動物の糞由来のオーガニックなものを使用するなど、自然環境を尊重した栽培を実践。オーガニック認証は取得していない。

<情報リンク>

ピエール エ ジェローム クルソドンのワイン一覧はコチラ>>

このエリアで、自家元詰ワインを始めたパイオニアのひとり

サン ジョゼフを代表する生産者のひとつ、ドメーヌ クルソドンは、19世紀の末にジャン-オーギュストと息子のアントナンによって、アペラシオンの南部にあるモーヴ村に設立されました。アペラシオンの中の優れた場所に合計16haの畑を所有しています。現在は5代目のジェローム クルソドンが中心となり、伝統を重んじつつ、彼自身の感性を反映させ、洗練されたスタイルのワイン造りを行っています。

3代目のギュスターヴの時代には、ワインを小樽に詰めて鉄道で運び、パリのカフェなどに販売するようになりました。先見の明があった彼は、この地で最も早く自家元詰めのワインの販売を始めたパイオニアの一人でした。

4代目に当たるジェロームの父、ピエールは、ワインの高い品質こそがクルソドンの地位を将来的に確固たるものに出来ると考えていました。そこで彼は、これまでは急斜面のために作業が困難という理由から見捨てられていた区画の葡萄の植え替えを行いました。これにより、質の高い葡萄を得ることが出来、高い品質を持った、個性あるワインが出来るようになったのです。

ジェロームは、1998年から父のピエールと共にワイン造りを行い、これまでに20ヴィンテージ以上を手掛けてきました。彼は出来るだけ畑で多くの時間を費やします。「正確で厳しい畑の手入れ、完熟した健全な葡萄の収穫するための作業など、これらの仕事は、これまで自分が培ってきた考えやスタイルを実現させるための軸となっています。精度の高い仕事こそが、繊細で素晴らしい、混じり気の無い純粋なワインを生み出すと考えています」とジェロームは語ります。伝統を尊重しながら独自のワイン造りを実践する彼は、「小さなことの積み重ねが違いを生む」と考えています。常に努力を惜しまない姿勢は初代のジャン-オーギュストの時代からジェロームへと代々、受け継がれています。

 

「テロワールを反映したワインは、全ての工程を自分で行うことでしか実現できない」―ジェローム クルソドン

クルソドンの所有する畑の多くは、ドメーヌを構えるモーヴ村の急斜面に位置しています。他に、トゥルノン、サン ジャン ド ミュゾルにも畑を所有しており、所有する全ての畑がサン ジョゼフの中でも非常に優れたエリアにあります。現在、クルソドンはオーガニック認証を取得していませんが、自然環境を尊重した栽培を行っています。除草剤を使用せず畑を耕し、肥料は動物の糞由来のオーガニックなものを使用しています。

ジェロームは自家畑の葡萄だけでワインを造ることを非常に大切に考えています。「私にとってテロワールを反映した偉大なワイン造りは、畑での剪定からボトリングまで、ワイン造りの全ての工程を自分で行うことでしか実現できないと思っています。季節ごとの天候の変化を感じ、それに応じて、私の感性でワイン造りや熟成を行っています。世の中には計り知れないことが山ほどあり、人はそれを受け入れて生きていかなければなりません。私の信条は、周囲の環境、テロワールを尊重しながら、洗練されたエレガントなワインを造ることなのです」と語ります。

 

「精度の高い仕事があるからこそ、繊細で素晴らしい純粋なワインが生まれる」―ジェローム クルソドン

土壌は崩れやすく脆い花崗岩が主体となっています。そのため、土は通気性が良く、葡萄の根は、その隙間から地中深く伸びることが出来ます。また、平地とは違い、急斜面に広がる畑は使える農業機械が限られており、人力もしくは馬を使って土を耕します。そのため、土が圧密されて固まることがなく、それが利点となっています。冬の間、霜や急激な気温の低下によるダメージを防ぐために、葡萄の根元に土を盛る作業を行います。春になり、萌芽し、蕾が出る頃、葡萄の根元の土を崩し、畝の間に生えている昨年の草をすべて刈り取ります。芽掻きを行い、必要な数の芽だけを残します。5月中旬に入るとパリサージュ(枝を支柱に止める作業)を行います。葡萄の枝を支柱にワラやイグサで結び、風通しを良くします。光合成を促すため、不要な若い枝や葉を取り除きます。この作業は若い葡萄の木を健全に保つために必須です。葡萄がしっかりと成熟出来るように、適正な葉の量に調整しますが、なるべく少ない回数で効率的に行うようにします。また、葡萄の生育期間中は、畝の間に草を生やしておきますが、葡萄の根との競争が強くなりすぎないように気を付けています。その年の天候、降水量などの状況に合わせて作業を行っています。ジェロームは、「葡萄の手入れ、ワイン造りを行う上で、いかなる障害もあってはならない。ワイン造りの仕事は、どんな時も細心の注意を払って行わなければならない。これを怠らないことで、ヴィンテージにおける変化にも迅速に対応できる」と考えています。

 

サン ジョセフを代表する生産者として、国内外で高い評価を得ています

フランス国内の専門誌「メイユール ヴァン ド フランス 2021」では2ッ星(最高3ッ星中)、「ベタンヌ&ドゥソーヴ2020」では3ッ星(最高5ッ星中)の評価を得ています。2019年10月リヨンで開催された「第12回 トロフィー ド ラ ガストロノミー エ デ ヴァン」でジェローム クルソドンが『最優秀ワイン生産者(Vigneron de l‘anée)』、ワインはサン ジョゼフ ルージュ シリスの2017VTが選出されました。また、「ワインアドヴォケイト」、「ヴィノス」、「デカンター」といった各国のワイン専門サイトで高い評価を受けています。

ピエール エ ジェローム クルソドン

ラ サンソンヌの畑

ピエール エ ジェローム クルソドン

急斜面に広がる畑は使える農業機械が限られており、主に人力もしくは馬を使って土を耕します。

ピエール エ ジェローム クルソドン

5月中旬頃に行うパリサージュ(枝を支柱に止める作業)。

葡萄の枝を支柱にワラやイグサで結び、風通しを良くします。