
ヴィヌム4星の実力派生産者
/V.D.P.生産者を抑え、辛口リースリング部門で第1位
国 | ドイツ |
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地域 | モーゼル |
歴史 | 1800年初頭に教会の司祭から購入。350年前からのセラーを使用。 1988年 ゲアノットが父から引き継ぐ。 |
オーナー | ゲアノット ハイン : 1964年生。バート クロイツナッハ(ナーエの中心都市)で醸造技術を学んだ。 |
葡萄園 | 約12ha その内5haがゴールドトロップヒェンとドームヘル。 栽培品種はほとんどがリースリングで、その比率は80%にも上り、残りはブルゴーニュ系品種であるヴァイサー ブルグンダー(ピノ ブラン)、シャルドネが合わせて10%、シュペートブルグンダー(ピノ ノワール)が10%弱。
認証は取得していないが、限りなくオーガニックに近い栽培方法を採用している。畑には草を生やしており、除草剤は使用せず、微生物が活動できる環境を保っている。 |
栽培 | 畑で素晴らしい葡萄を造り、セラーで良い状態、正しい扱いができるかが基本と考えています。農薬は殆ど使いません。仕事のやり方のコツは、一度にたくさん育てないこと。間引きも少しずつ、肥料も少しずつすること。リースリングは、ストレス直前の飢えた状態にすること(ただし、大きなストレスは駄目。)12月に温度が下がり過ぎないように、我慢強く管理すること、などです。 |
<情報リンク>
「良い葡萄を育てて、良いワインを造るのが私の哲学だよ」
「家族で管理できるように、これ以上は畑を増やさないようにしている。畑を増やせば、当然ながら畑で作業する人を増やさなければならないし、セラーも拡大する必要がある。毎日40~50人もの人が仕事をすると管理しきれなくなってしまうと思う。私たちは自分の目が行き届く範囲で働きたいので、今の面積をキープしたいと考えている。畑仕事が第一だ。良いワインを造るためには、しっかりと熟した健全な葡萄が必要となる。私たちの畑はオーガニックに近い環境だ。良い葡萄を育てて、良いワインを造るのが私の哲学だよ」とゲアノットは話します。また、「ピースポートの畑は、斜面を登った先に森が広がっているため、ブラウネベルクやヴェーレンよりも地中の水分保持能力が高い。2018VTや2022VTのような暑く乾燥したヴィンテージに対しても耐性がある。ただし、もしもEisweinを造るとしたら斜面では暖かすぎるので、平地の畑になるだろう。しかし、冬が来るのが遅くなっているから造るのは難しい。ピノ ブランやピノ ノワール、シャルドネなどのブルゴーニュ系品種は、斜面よりも涼しい平地の畑で栽培している。川に近いため土壌も異なり、主に堆積土となる」と話していました。
ゴールドトロップヒェンの葡萄畑
蛇行したモーゼル川を囲む円形劇場のような形をした、銘醸畑「ゴールドトロップヒェン(黄金の雫)」は南向きの斜面に位置しているため、一日中太陽の光が降り注ぐ素晴らしい日照条件を備えています。上部に広がる森が北からの冷たい風を遮ってくれるため、他の畑よりも気温の変化が緩やかで、秋になっても急速に気温が下がらず、柔らかな酸と集約した風味を持つ葡萄が育ちます。また、上部の森は畑の保湿性を保つ役割もあります。帝政末期ローマの詩人・著述家であったアウソニウスは、西暦371年に記した叙事詩『モゼラ(Mosella)』において、この畑を含んだ景観を「自然の劇場」にたとえています。ゲアノットは、真南向きから少しずれた区画の、集約感の少ない葡萄を早めに収穫してカビネットに使用することで、カビネットらしいフレッシュな味わいを表現しています。また、それ以外の区画の葡萄でも、カビネットに使用する葡萄を先に間引くことにより、シュペートレーゼやアウスレーゼに使用する葡萄を凝縮させています。
「素晴らしい葡萄、良いセラーの状態が大事」 畑で素晴らしい葡萄を造り、セラーで良い状態、正しい扱いが出来るかが大事だと考えています。あまり力強過ぎず、退屈ではない味、複雑過ぎず訴えられる味、個性やキャラクターがある味わいを目指しています。農薬は殆ど使いません。仕事のやり方のコツは、一度にたくさん育てないこと。間引きも少しずつ、肥料も少しずつ撒くこと。リースリングは、ストレス直前の飢えた状態にすること(大きなストレスは駄目)。12月に温度が下がり過ぎないように、我慢強く管理することなどです。ニューマティックプレスを使っています。セラーでは湧水が温度を保つ作用をしています。ボトルセラーは7万本収容可能で、温度は8~17度まで管理出来ます。
「ゲアノットはブルゴーニュ好き」 ゲアノット ハインは、第二の故郷はコート ド ニュイと公言するほどのブルゴーニュ好きで、よくブルゴーニュに出かけます。50歳になってリースリングを確立できたとの思いから、他の品種も造り始めました。ブルゴーニュとは400km離れ土壌が違いますが、クリマが似通っていると思い挑戦しました。そして出来上がったワインには非常に満足しています。
<評価>
「ヴィヌム2025」で4星、「ゴ エ ミヨ ドイツワインガイド2025」で赤3房、「アインヒェルマン2019」で4ッ星。「ヒュー ジョンソン ポケット ワイン ブック2019」で、ピースポートの優良生産者として掲載。
<リースリング辛口部門で1位!>2017年ワイナリー訪問時
2016年ファインシュメッカ―誌にて、2015ヴィンテージのピースポーター ゴールドトレプヒェン トロッケン★★★(商品CD:KA541)が、ドイツ全国のリースリング辛口部門No.1を獲得。ハインが辛口でも素晴らしいワインを造ることを証明しました。
因みに、同じ年のリースリング辛口No.2だったのはシュロス リーザーのニーダーベルク ヘルデン GG 2015でした。