標高1,000mの高地で育つ古代品種 “ヴィッサネッロ” に注目!
マルケ州の若手生産者による個性的なワイン





| 国 | イタリア |
|---|---|
| 地域 | マルケ |
| 歴史 | 2016年 設立 |
| オーナー | ジネヴラ コッパッキヨリ |
| 葡萄園 | 合計5.5ha 畑はモンティ シビッリーニ国立公園の中に位置しており、マルケ州の中で最も高い葡萄畑かつ、イタリアでも有数の高地にあります。これは「CERVIM(山岳葡萄の研究、調査センター)」が定義する“ヒロイック ヴィティカルチャー(英雄的な葡萄栽培)”に該当し、管理が非常に困難な地域で行われる葡萄栽培であることが示されています。 |
コッパッキヨリ タッティーニは、イタリア中部のマルケ州マチェラータ県ヴィッソ村を構成するひとつの小さな集落“クーピ“に、2016年に設立された家族経営の小さなワイナリーです。クーピはちょうどウンブリア州とマルケ州の境界に位置しています。標高1,000mという山の中の畑で有機栽培を行い、品質重視のワインを生産しています。この地域はかつて「ヴィーノ デル パストーレ(羊飼いのワイン)」の伝統(トランズマンツァ/家畜の季節移動で、山の上に移動してくる羊飼い達が自己消費用に白ワインを造っていた)で知られていましたが、残念ながら忘れ去られていました。彼らはこのマルケ内陸部のワイン造りの伝統を尊重し、復活させ、その普及を目指しています。現在、ワイナリーを運営するのはコッパキッヨリ家の末娘、ジネヴラ コッパッキヨリです。ジネヴラはローマの大学で国際関係、大学院で行政および公共政策学を専攻しており、ワイン造りとはまったく無縁でした。彼女がこの世界に入ることになったのは大好きだった兄がきっかけです。クーピに愛着を持っていた兄は、この土地にレストランを開き、地元を活性化させたいという夢を持っていましたが、残念ながら道半ばで亡くなりました。ジネヴラと父は兄の意志を継ぎ、ワイン造りのプロジェクトを始めることを決めました。しかし、設立からワインの生産に至るまで一筋縄ではいきませんでした。彼らの拠点であるクーピはモンティ シビッリーニ国立公園の中に位置しています。公園を管理する行政機関は、前例がなく、規定を記した書類にも明記されていないことから、生態系に影響が出ることを危惧し、葡萄の苗木を植えることをなかなか許可しませんでした。最終的に、過去にこの場所で葡萄栽培が行われていたことが証明できれば良い、という条件が与えられました。
ペコリーノの古代品種「ヴィッサネッロ」
2010年頃、ジネヴラと父のアンジェロが葡萄栽培に適した場所を探していた時、彼らは山の中で、野生のカエデの木に巻き付いている自生の葡萄樹を何本か発見しました。葡萄の蔓が別の木に巻き付いて成長する古代の葡萄の栽培方法(マリタータ)で、エトルリア人も用いていた技術でした。彼らは大学の専門家にこの葡萄の遺伝子分析を依頼しました。その結果、これがペコリーノの古代品種ヴィッサネッロであることが判明したのです。ヴィッサネッロの名前はこの地域の地名、ヴィッソに由来しています。やっと葡萄を植える許可が下りたため、2013年に、自生していた葡萄樹から苗木を増やして畑に植樹しました。さらにセラーの建築を始め、ワイン造りのプロジェクトを軌道に乗せようとしていた最中、2016年のイタリア中部地震が起こり、クーピの集落は壊滅的な被害を受けました。幸いにもコッパッキヨリ家の家屋は耐震基準に沿った改築を行っていたため被害を免れました。しかし、建設中のセラーは震災の影響を受け、道路の閉鎖により孤立し、セラーの完成は2020年まで待たなければなりませんでした。
「英雄的な葡萄栽培」と呼ばれるほどの環境が生む、唯一無二の個性を持つ味わい
コッパッキヨリ タッティーニは現在、標高1,000mの山岳地帯に5.5haの葡萄畑を所有しています。畑はモンティ シビッリーニ国立公園の中に位置しており、マルケ州の中で最も高い葡萄畑かつ、イタリアでも有数の高地にあります。これは「CERVIM(山岳葡萄の研究、調査センター)」が定義する“ヒロイック ヴィティカルチャー(英雄的な葡萄栽培)”に該当し、管理が非常に困難な地域で行われる葡萄栽培であることが示されています。恵まれた自然の中にある畑で、環境を尊重したオーガニック栽培を実践しています。近くにそびえるトランキッラ山が、山から吹く冷たい風を遮ってくれ、葡萄栽培に理想的なマイクロクライメートを生み出します。山々に囲まれた畑の周辺にはフェンネルや野生のミント、野ばらや様々なハーブが自生する小さな楽園のようです。栽培品種の内訳は、ヴィッサネッロ 2.0ha(2013年に1ha、2023年に1ha植樹)、シャルドネ 1.5ha(2013年に植樹)、ピノ ネーロ 1.5ha(2013年に1ha、2022年に0.5ha植樹)、マルベック 0.5ha(2025年に実験的に植樹)です。
葡萄栽培の伝統があった証拠となるレリーフをワイナリーのシンボルに
コッパッキヨリ タッティーニのワイナリーのロゴには、ヴィッソにあるルネサンス期に建てられたマチェレト聖堂(Santuario di Macereto)の門扉に施されたレリーフを採用しています。そのレリーフの中には、葡萄の房を持つ男性のモチーフがありました。この地で古くから葡萄栽培が行われてきたことを裏付けるものといえるため、ワイナリーのシンボルとして採用することにしました。ロゴの中心にレリーフ、そしてそのレリーフを囲うように書かれているのは、コッパッキヨリ家の3人の兄妹の名前(ジネヴラ、亡き兄のルーチョ、姉のガイア)で、それぞれの頭文字をとって“GLG”の文字も記されています。
「ヤング ワインメーカー オブ ザ イヤー 2025」を受賞!
ジネヴラ コッパッキヨリが、“ONLY WINE”の「ヤング ワインメーカー オブ ザ イヤー」に選ばれました。“ONLY WINE”はイタリアのウンブリア州Città di Castelloで開かれる、若手小規模ワイナリーに特化したワインフェスティバルです。応募資格は、品質を決して軽視することなく革新的な選択を重視する、設立15年未満、畑面積10ha未満、生産者の年齢40歳未満のワイナリーのみとなっています。「今年も新たな経験と満足感を与えていただき、ありがとうございました。イタリア各地から集まった他の生産者の方々と時間を共有し、仕事を共有できたことは、いつも素晴らしい経験でした。新しい出会いを通して自分自身を豊かにし、古い関係を強めること、そして見本市と私たちのもとを訪れてくれた方々のエネルギーに触れることができました。持ち帰るべきアイディアや考察すべきことがたくさんあります。主催者の方々、そして皆様に感謝申し上げます。私たちのプロジェクトと旅路への信頼とサポートに感謝します。“今年の若手ワインメーカー”賞をいただけて、本当に感激しました!」とジネヴラは話します。