【現地視察レポート】<第一章>進化する赤ワインと驚きのロゼワイン! ファンティーニを訪問してきました!(経営企画室 藤野晃治)

【現地視察レポート】<第一章>進化する赤ワインと驚きのロゼワイン! ファンティーニを訪問してきました!(経営企画室 藤野晃治)

オルトナの眺め(オルトナの公式HPより引用 https://www.comune.ortona.ch.it/

 

 

 

 

第一章 目次

古き良きイタリア

無名生産者の“売れないワイン”

進化するカサーレ ヴェッキオ

カサーレの魂を持つロゼワイン

 

今回の視察ブログは、いくつかの章に分けてご紹介いたします。

第一章となる本記事は、「進化する赤ワインと驚きのロゼワイン」編です。

 

 

 

 古き良きイタリア

2026年4月、私たちはイタリア中部アブルッツォ州キエティ県のオルトナを訪ねました。オルトナは人口2万人ほどの小さな港町で、大都市のように観光地化されておらず、ゆっくりとした時間が流れているように感じる町です。今回の旅は、羽田空港からローマのフィウミチーノ空港、そしてローマからオルトナまではレンタカーを走らせました。生産者との約束には少し余裕があります。どこかで軽く食事でも、と少し町を走ると、軽食にありつけそうなピッツェリアがありました。

 

 

 

 

さっそく車を停めて、何を食べようかとショーケースを眺めていると……あれ、なんだか安い……。ピザを4切れ、ペットボトルの水を3本買ってみても、なんと7.80ユーロ(1,400円くらい)しかかかりません。物価高がうたわれる上、ユーロも高く、ヨーロッパのインフレを常に感じる今日この頃ですが、そんな中でも本当に例外中の例外のようなお店でした(もちろんピザは温かくてとっても美味しい)。古き良きイタリアと呼べる、貴重なピッツェリアがあるところ――そんな印象を胸に刻みながら、オルトナという町の空気を肺になじませました。

 

 

 

さて、レンタカーを走らせると、いよいよ目的の建物が見えてきました。INABAにとって、“顔”とも言える重要な生産者――1994年の設立から32年の間に、瞬く間にイタリアの最優秀生産者として知られるようになった「ファンティーニ」のワイナリーです。ファンティーニはいくつか拠点を持っており、北部テーラモ県ロゼートにも別のワイナリーがありますが、今回はそちらには行かず、オルトナのワイナリーと、DOCGコッリーネ テラマーネの葡萄畑の見学を行いました。

 

 

 

さっそく出迎えてくれたのは、グループ全体の統括醸造責任者デニス、ロゼートのワイナリーの醸造責任者フランチェスコ、マーケティングマネージャーでアジア市場を担当するパオロ、ブランドアンバサダーを務めるアレッシア、そしてアレッシアの父でありファンティーニ創設者のヴァレンティーノです。長年にわたって取引を続けてきた生産者だからこそ、実際に現地を訪問し、直接話を聞くことができるのは大変貴重な機会です。

 

 

【現地視察レポート】<第一章>進化する赤ワインと驚きのロゼワイン! ファンティーニを訪問してきました!(経営企画室 藤野晃治)ファンティーニ創設者のひとり、ヴァレンティーノ ショッティ。

 

 

 

 

まず印象的だったのは、ヴァレンティーノが日本市場について語ってくれた言葉です。

 

 

 

「今回、私たちのワイナリーに来ていただいたことは、ファンティーニにとって非常に重要なことです。INABAは私たちにとって最も長く取引を続けている大切なパートナーです。今の日本市場があるのも、その長い関係があったからこそだと思っています。私たちが日本を訪問することも大切ですが、皆さんに実際にオルトナへ来ていただくことも、同じくらい大切だと考えています」

 

 

 

ファンティーニとINABAの関係性は、ビジネスパートナーというだけではなく、もはや家族のような親密なものでもあります。弊社の本社にある商談室には、ファンティーニから取引開始30周年を記念して寄贈された、美しいヴェネツィアン ガラスの盾が飾られています。ワインの品質や価格の厳しい選定はもちろんのこと、ワインに込められた生産者の想いやその背景を皆様にお伝えすることこそがインポーターの使命と考える弊社にとって、生産者からも感謝の言葉をいただけることは、私たちの仕事が間違っていなかったのだなと実感できる機会でもあります。

 

 

 

【現地視察レポート】<第一章>進化する赤ワインと驚きのロゼワイン! ファンティーニを訪問してきました!(経営企画室 藤野晃治)

 

 

 

そしてもちろん、これも彼らのワインを買ってくださる、飲んでくださるお客様がいるからこそのこと。生産者とお客様との間をつなぐ存在として、私個人も尽力しようと改めて決意するひとときとなりました。

 

 

 

 

 無名生産者の“売れないワイン”

現地視察レポートの前に、ファンティーニとINABAが歩んできた歴史についても軽くご紹介したいと思います。弊社がファンティーニのワインを輸入し始めたのは、彼らがワイナリーを設立したのと同じ、1994年のことで、当時はファルネーゼという名前でした。今でこそファンティーニ、そしてアブルッツォ州といえば「モンテプルチャーノ ダブルッツォ」という赤ワインが有名ですが、当時の日本市場にはこの類のワインは皆無でした。

 

 

 

1991年、先に輸入を始めたバローネ コルナッキアのモンテプルチャーノには、「色が濃すぎるから、こんなワインは売れないよ」という声があったほどです。そんな時代に2軒の生産者からモンテプルチャーノ ダブルッツォを仕入れるなんて、と思われるかもしれませんが……どちらも本当に素晴らしく、きっとお客様にわかっていただけるという確信がありました。熟成によって花開く、伝統的なスタイルのバローネ コルナッキアに対し、若いうちからすぐにその美味しさが伝わりやすい、モダンなスタイルのファンティーニ。対照的なスタイルだからこそそれぞれの魅力をお伝えできると信じ、取り扱うことを決めたのです。

 

 

 

 

【現地視察レポート】<第一章>進化する赤ワインと驚きのロゼワイン! ファンティーニを訪問してきました!(経営企画室 藤野晃治)

ファンティーニの共同設立者。左からフィリッポ バッカラーロ、カミッロ デ ユリウス、ヴァレンティ―ノ ショッティ。

無名なアブルッツォ州のワイナリーでゼロからワイン造りを行う彼らのことを、人々は「スリー ドリーマーズ(3人の夢見る男たち)」と呼んだ。

 

 

 

“売れないワイン”だったモンテプルチャーノ ダブルッツォは、今ではイタリアンレストランにおいて必ずといって良いほど見かけることができる、定番の赤ワインになりました。そしてもちろん、弊社にとっても本当に大切なワインになったのです。こうした「誰も知らないようなワインを輸入し、日本市場に広めること」は、私たちにとっての使命でもあります。

 

 

 

そして、アブルッツォ州の小さな生産者だったファンティーニは、トスカーナ州、カンパーニャ州、バジリカータ州、プーリア州、シチリア州、サルデーニャ州、さらにスペインでもワイン造りを行う巨大な生産者へと成長しています。設立した当時は弊社と、ヒュー ジョンソンのワインクラブにしか輸出していなかったのが、今では87ヶ国以上に輸出するようになるほど、その勢いを増し続けています。

 

 

 

 

 進化するカサーレ ヴェッキオ

 

【現地視察レポート】<第一章>進化する赤ワインと驚きのロゼワイン! ファンティーニを訪問してきました!(経営企画室 藤野晃治)

カサーレ ヴェッキオのラベルデザインは、時代によって移り変わっている。

最新の右端のデザインは、実は日本市場限定。

 

 

 

弊社が1997年に輸入を始めた「カサーレ ヴェッキオ モンテプルチャーノ ダブルッツォ(当時はカステッロ ヴェッキオ)」も、ファンティーニが造り出したワインです。すでに発売当初から、そのクオリティの高さで人気を獲得していました。さらに、発売からおよそ10年後にあたる2008年には、日本の著名なワイン漫画でそのコストパフォーマンスの高さが紹介されたこともあり、日本市場におけるファンティーニのヒット作としてますます知られるようになりました。

 

 

 

このワインのおかげで、弊社のことを知ってくださる方も増えた反面、「INABAさんって、イタリアの濃い赤ワインのインポーターだよね?」という認識をお持ちの方もたくさんいらっしゃるのではないかと思います。ところで、皆様は最近、カサーレ ヴェッキオをお飲みになられたことがありますか? 当時は濃い赤ワインとして知られたこのワインにも、実はある変化が起きているのです。

 

 

それではさっそく、ある評論家のテイスティングコメントを見てみましょう。

 

 

「カサーレ ヴェッキオ モンテプルチャーノ ダブルッツォの2022VTは深い色調と陰影を感じさせる。ブラックカラントに、炙ったセージの香ばしさ、ラベンダーの芳香、クローブのスパイスが重なり合う。口当たりはシルクのように滑らかで柔軟性があり、熟した赤系果実の凝縮した味わいが広がる。その豊かな果実味を、生き生きとしたミネラル感が引き締めている。余韻にはラムレーズンとダークチョコレートのニュアンスが長く続き、穏やかなタンニンとともに、心地よくドライな後味へと収束する」

――『ヴィノス2024.7』 91点(太字は引用者による)

 

 

 

さて、重要な箇所をさらに抜粋いたしましたので、もう一度ご覧ください。「口当たりはシルクのように滑らか」、「生き生きとしたミネラル感」、「穏やかなタンニン」。

 

 

 

「あれ、そんな感じだったかな……?」、「そうそう、そうなんだよね!」、といろいろなご意見があるかと思いますが、実はこれらのコメントこそが、“今のカサーレ ヴェッキオ”を語る上で、押さえていただきたい重要なポイントなのです。それは、濃いだけの赤ワインではない、ということ。実はファンティーニのモンテプルチャーノには、ある工夫がなされています。

 

 

 

 

さかのぼること2018年。ロゼートのワイナリーを訪問した弊社の現地視察チームが、ある機械に目を留めました。すると醸造担当者のフランチェスコが次のように説明してくれました。

 

 

 

「これは、赤ワインの醸造で使うもので、葡萄の種子を優しく取り除くことができます。特にモンテプルチャーノ ダブルッツォにとっては、エントリークラスからトップクラスに至るまで使用する重要なものです。フィルターではありません。振動によって種子を分離するための装置で、発酵の初期段階に使用しています。モンテプルチャーノは本来、タンニンが豊かな品種です。そのため抽出しすぎると、荒々しく攻撃的な口当たりのワインになってしまいます。私たちは、発酵の初期段階で種子を優しく取り除くことで、滑らかなタンニンを表現しているのです。この品種ならではの骨格や、個性を保ったままで、調和のとれた滑らかな口当たりのワインを造ることができます」

 

 

 

【現地視察レポート】<第一章>進化する赤ワインと驚きのロゼワイン! ファンティーニを訪問してきました!(経営企画室 藤野晃治)

 

種子を取り除き、しなやかなタンニンを得るための装置。

細部にまでこだわりを見せる、ファンティーニらしい取り組みのひとつ。

 

 

 

 

近年のカサーレ ヴェッキオは、しなやかなタンニンを獲得していながら、決して軽くて薄い味わいになったわけではないというのもポイントです。カサーレ ヴェッキオに使用する葡萄は、実はDOCGコッリーネ テラマーネを名乗れる上級品。それも樹齢は25~30年と古く、さらにセニエを行うことで、10%の果汁を引き抜き濃縮感を高めています。こうして醸造したワインはバリックで6ヶ月熟成させることで、さらに深みのある複雑な味わいにまで昇華させているのです。

 

 

 

これにより、凝縮した果実の芳醇さを持ちながら、樽由来の複雑さや香ばしさも出ており、それでいてしなやかなタンニンを獲得し、さらに磨き上げられたかのような洗練された味わいになっているのです。この新たなスタイルは非常に評価が高く、最新の2022VTは「ルカ マローニ2025」で95/99点、「ヴィノス2024.7」で91/100点を獲得。さらに、国際的なワインコンペティションとして広く知られる「ムンドゥス ヴィニ スプリング テイスティング2026」では、モンテプルチャーノ ダブルッツォの部門最高賞である“BEST OF SHOW”を唯一獲得するほど! この功績もあって、ファンティーニは「ムンドゥス ヴィニ」で、通算5度目となる“BEST ITALIAN PRODUCER(イタリア最優秀生産者)”となったのです。

 

 

 

 

 カサーレの魂を持つロゼワイン

ところで、カサーレ ヴェッキオの果汁を10%、セニエによって引き抜いた後、その果汁はいったいどこに行くのでしょう? その答えは身近なところにありました。毎年、定番のロゼワインとして輸入している「チェラズオーロ ダブルッツォ」。今回、現地視察時に最新の2025VTを試飲し、スタッフ一同が熟したチェリーのような果実味があってとても美味しい! と太鼓判を押したのですが……。

 

 

【現地視察レポート】<第一章>進化する赤ワインと驚きのロゼワイン! ファンティーニを訪問してきました!(経営企画室 藤野晃治)

チェラズオーロは、アブルッツォの伝統的なロゼワインで色が濃く、しっかりとした骨格がある辛口の味わい。

それでいて2025VTはチェリーのような集約感のある果実味が楽しめる、素晴らしいクオリティに仕上がっている。

 

 

「実はこのチェラズオーロを構成するワインは、70%がカサーレ ヴェッキオのセニエによるもので、さらに残りの30%は、DOCG格付けのコッリーネ テラマーネのものなんですよ」と、さらりと新事実が判明しました。こんな重要な情報を、なぜ今まで教えてくれなかったのだろうか……、と疑問に思われるかもしれませんが、実は日本のように情報が豊富な市場というのは稀で、たいていの場合、「このワインはフレッシュでフルーティな味わいで、軽めの肉料理などに合います」くらいの情報しか求められていないのです。

 

 

 

私たちにとっては非常に重要な情報でも、生産者にとっては全くそうではない……。そんなことが、長年取り扱いを続けるワインであっても起こります。今回のケースはまさにそうですが、この情報もただ聞いたわけではなく、しっかりと質問を重ねることでようやく引き出すことができました。

 

 

 

 

2025VTというヴィンテージの良さもあり、本当に素晴らしいクオリティのロゼワインになっています。さらに、今回新たに判明した新事実を踏まえると、まさに「カサーレの魂を持ったロゼワイン」といえるのではないでしょうか。つい先日再入荷をしたばかりの商品ですが、早期完売も予想されます! また、カサーレ ヴェッキオをはじめ、進化を続ける素晴らしい赤ワインについても、ぜひ多くの方に改めてお買い求めいただけましたら幸いです。

 

 

 

➡近日公開予定の第二章につづきます。

 

 

株式会社稲葉 経営企画室 藤野 晃治

 

 

 

 

■ラインナップ

<ファンティーニのモンテプルチャーノ

・ファンティーニ モンテプルチャーノ ダブルッツォ 【赤・ミディアムボディ

・カサーレ ヴェッキオ モンテプルチャーノ ダブルッツォ 【赤・フルボディ

モンテプルチャーノ ダブルッツォ コッリーネ テラマーネ 【赤・フルボディ】

・オピ モンテプルチャーノ ダブルッツォ コッリーネ テラマーネ リゼルヴァ 【赤・フルボディ

・スリー ドリーマーズ 【赤・フルボディ】

・チェラズオーロ ダブルッツォ 【ロゼ・辛口】

 

 

 

ファンティーニの情報(生産者詳細)はコチラから!

 

 

 

 

おすすめ記事